コラム
カンテの基礎知識

 
200回 間違えやすいフラメンコ用語:コンパスとリズム

2021年5月1日アップ

なんか違いがわかり難いフラメンコ用語ってありますよね。
レッスンを受け始めたものの、しばらく公演に通ったものの、
なんだかすっきりとしないあなたの為に、
そんな違いがわかり難いフラメンコ用語を解説いたします。
 
今回紹介するのはコンパスとリズムです。
 
え?リズムをスペイン語で言うとコンパスでしょ?
 
あらあら、スペイン語にもリズムって言葉がちゃんとあるんですよ。
スペイン語でっていうかアンダルシア訛りで発音すると 
リッモ って感じになります。
 
スペインでのレッスンで、リズムをよく聞いて、とか、リズムがずれる、
みたいな時には、やっぱり リッモ を使うのが一般的。
そういう時、コンパスという言葉はあまり使わないと思います。
 
では、逆にコンパスってスペインではいったいどういう意味なんでしょうか?
 
今日はコンパスという言葉のルーツからお話ししたいと思います。
 
みなさんはコンパスという言葉の本来の意味をご存知ですか?
 
日本語でもコンパスって呼ぶものなんですけど。。。???
 
いえいえ、丸を書く時に使うのじゃなくて、山登りの時に使うほうです。
はい、方位磁石のことなんです。
あの丸い一見時計にも見えるあれが、スペイン語でもコンパスです。
 
では、いつからフラメンコでも使われるようになったのでしょうか?
 
数百年前から?
いえいえ、実は1960年代から使われるようになった新しい言葉なんですよ。
それまで、フラメンコのリズムは、単に リッモ と呼ばれていました。
 
ところが、、、
1960年代にイギリスからスペインにやってきたクラシックのギタリストが、
フラメンコギターに興味をもって勉強をはじめてみたそうです。
 
でも、4拍子のタンゴなどはまだなんとかなったものの、
ソレアやシギリージャなどのリズムがちっとも理解できなくて困り果て、
苦労の末に思いついたのが、紙に丸い円を書いて、
その円を12分割してそれぞれを1拍ととらえ、
アクセントがある拍に印をつけて、指標としたもの。
 
つまり、今、みなさんが見ているコンパスという図を考え出したんです。
 
実はスペインにはこの図を、円を12等分にしているので、
時計(レロホ)と呼ぶ人もいて、コンパスという言葉とともに
この考えが使われだしたのも1960年代以降のこと。
 
あくまでも外国人が12拍子系のフラメンコを理解するために考えた工夫なので、
現在のスペインでも、特にフラメンコ歌手はあまりコンパスと言う言葉は
使いません。
 
もっと言うと、シギリージャやソレアのリズムを12拍子と数えることも、
フラメンコ歌手はあまりしないんです。
 
たとえばソレアのリズムは <1 2 3><4 5 6><7 8><9 10><11 12>
というように、3拍の塊が2つと、2拍の塊が3つあると数えると思いますが、
それは1拍の長さが均一だと考える、西洋音楽の考え方をベースにしています。
 
でも、もし1拍の長さが長いのと短いのが混ざってもいいのなら、
長い1拍が2個(<1 2 3>と<4 5 6>)と、
短いのが3個(<7 8><9 10><11 12>)と数えることもできますよね。
 
カンテ留学をしたばかりの頃、
クラスメイトがシギリージャは5拍子だと言っていて、
私は日本で習ったように、12拍だと思い込んでいたので、
かなりびっくりしたことがあります。
 
シギリージャでは、短い1拍の約1.5倍の長さが長い1拍だったので、
通分?して、2拍と3拍と数えるようになったらしいです。
 
でも、実際にシギリージャを歌う時、短い拍と長い拍の割合は、
1.5倍ではないんですよね。
 
そんなに単純に通分されちゃうものではないのが、カンテの感覚ですから。
 
あくまでも踊りの足音をタカタカするときの、ギターとの関係って思えば、、
まあ納得って感じです。
 
ちなみにシギリージャの足のステップがきっちり12拍におさまっている映像も、
そんなに古いものは残っていません。気になる方は検索してみてください。
 
そうそう、最近ではフラメンコのリズム全体をコンパスと呼ぶ人も
いるようですが、本来、12拍子のリズムにだけ考えられた工夫ですので、
お忘れなくお使いください。
 
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なんか違いがわかり難いフラメンコ用語ってありますよね。
レッスンを受け始めたものの、しばらく公演に通ったものの、なんだかすっきりとしないあなたの為に、そんな違いがわかり難いフラメンコ用語を解説いたします。
 


 
今回紹介するのはコンパスとリズムです。
 
え?リズムをスペイン語で言うとコンパスでしょ?
 
あらあら、スペイン語にもリズムって言葉がちゃんとあるんですよ。
スペイン語でっていうかアンダルシア訛りで発音すると、リッモ って感じになります。
 


 
スペインでのレッスンで、リズムをよく聞いて、とか、リズムがずれる、みたいな時には、やっぱり リッモ を使うのが一般的。そういう時、コンパスという言葉はあまり使わないと思います。
 


 
では、逆にコンパスってスペインではいったいどういう意味なんでしょうか?
 
今日はコンパスという言葉のルーツからお話ししたいと思います。
 


 
みなさんはコンパスという言葉の本来の意味をご存知ですか?
 
日本語でもコンパスって呼ぶものなんですけど。。。???
 


 
いえいえ、丸を書く時に使うのじゃなくて、山登りの時に使うほうです。
 
はい、方位磁石のことなんです。
あの丸い一見時計にも見えるあれが、スペイン語でもコンパスです。
 


 
では、いつからフラメンコでも使われるようになったのでしょうか?
 
数百年前から?
 
いえいえ、実は1960年代から使われるようになった新しい言葉なんですよ。
それまで、フラメンコのリズムは、単に リッモ と呼ばれていました。
 


 
ところが、、、
1960年代にイギリスからスペインにやってきたクラシックのギタリストが、フラメンコギターに興味をもって勉強をはじめてみたそうです。
 


 
でも、4拍子のタンゴなどはまだなんとかなったものの、ソレアやシギリージャなどのリズムがちっとも理解できなくて困り果て、苦労の末に思いついたのが、紙に丸い円を書いて、その円を12分割してそれぞれを1拍ととらえ、アクセントがある拍に印をつけて、指標としたもの。
 


 
つまり、今、みなさんが見ているコンパスという図を考え出したんです。
 
実はスペインにはこの図を、円を12等分にしているので、時計(レロホ)と呼ぶ人もいて、コンパスという言葉とともにこの考えが使われだしたのも1960年代以降のこと。
 


 
あくまでも外国人が12拍子系のフラメンコを理解するために考えた工夫なので、現在のスペインでも、特にフラメンコ歌手はあまりコンパスと言う言葉は使いません。
 


 
もっと言うと、シギリージャやソレアのリズムを12拍子と数えることも、フラメンコ歌手はあまりしないんです。
 


 
たとえばソレアのリズムは <1 2 3><4 5 6><7 8><9 10><11 12>というように、3拍の塊が2つと、2拍の塊が3つあると数えると思いますが、それは1拍の長さが均一だと考える、西洋音楽の考え方をベースにしています。
 


 
でも、もし1拍の長さが長いのと短いのが混ざってもいいのなら、長い1拍が2個(<1 2 3>と<4 5 6>)と、短いのが3個(<7 8><9 10><11 12>)と数えることもできますよね。
 


 
カンテ留学をしたばかりの頃、クラスメイトがシギリージャは5拍子だと言っていて、私は日本で習ったように、12拍だと思い込んでいたので、かなりびっくりしたことがあります。
 


 
シギリージャでは、短い1拍の約1.5倍の長さが長い1拍だったので、通分?して、2拍と3拍と数えるようになったらしいです。
 
でも、実際にシギリージャを歌う時、短い拍と長い拍の割合は、1.5倍ではないんですよね。
 


 
そんなに単純に通分されちゃうものではないのが、カンテの感覚ですから。
 
あくまでも踊りの足音をタカタカするときの、ギターとの関係って思えば、、まあ納得って感じです。
 


 
ちなみにシギリージャの足のステップがきっちり12拍におさまっている映像も、そんなに古いものは残っていません。気になる方は検索してみてください。
 


 
そうそう、最近ではフラメンコのリズム全体をコンパスと呼ぶ人もいるようですが、本来、12拍子のリズムにだけ考えられた工夫ですので、お忘れなくお使いください。
 
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