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フラメンコの基礎知識 
(22)フラメンコとキリスト教 <神様にはタメ口?>

2019年2月10日アップ

 
フラメンコとキリスト教も、今回で6回目。
今回は歌詞に神様が出てくる時の、呼び方について考えてみたいと思います。
 
日本では神様って、基本、敬語で話しかけますよね?
神社でお参りするときも、
”なになにしてください、どうかお願いいたします。”
なんて感じで、頭の中でも敬語で話しかけるんじゃないでしょうか?
 
では、スペイン語ではどうでしょう???
 
フラメンコを愛するみなさんには
スペイン語の勉強をちょこっとしたことがある方、多いと思います。
 
スペイン語教室で、最初の最初に習うのが、主語のあれこれ。
 
自分は YO      私達は NOSOTROS(NOSOTRAS)
君は  TU      君達は VOSOTROS(VOSOTRAS)
あなたは USTED    あなた方は UETEDES 
、、、、、、
みたいに並んでいたのを、見たことある方も多いでしょう。
 
で、問題は、君は と あなたは のところなんですよね。
 
私が最初にスペイン語を学んだ時も、
TUはタメ口、USTEDは敬語 って習いました。
 
でも、、、、本当にそうでしょうか???
 
私のスペインでの経験なんですけど、
TU と USTED の違いは、タメ口と敬語じゃないようなんです。
 
特にアンダルシア地方では、別の意味で区別されているように思います。
なんていうか、、、、、TUは身近な人、とか、身内的な感じで、
USTEDは、外部の人、とか、自分とは距離のある人の感じなんです。
 
で、タメ口か敬語かは、別の部分で区別するらしいんですよね。
 
ちなみに、私達が普段使っている日本語も、
タメ口やら敬語やらが複雑に分かれています。
 
生徒さんはご存じだと思いますが、
私が普段生徒さん達に話すのに使っている言葉は、
今、まさにここに書いているのと同じくらいの丁寧さです。
 
まあもういい年ですし、生徒さんにお会いするのはあくまでも仕事ですから、
一般の会社員の方の話し方と大差ないというか、
私が以前OLさんをしていた時に、
一緒に働いている仲間達と話しているときの感じです。
 
今では、学生時代からの友人にでも会わない限り、
完全なタメ口を使うことはほとんどありません。
 
でも、私がここに書いている言葉って、敬語でしょうか?
 
実は、私は丁寧なタメ口のつもりで書いているんです。
本当の敬語だと、なにせ読みにくいですし、説明には向きませんから。
 
アンダルシアの人達がしゃべっている言葉も、
TUを使いながら、なんとなく丁寧な感じっていうのがあるんですよ。
 
たとえば、生徒や、後輩のフラメンコアーティストが、
師匠のナランヒートと話すときの感じがそれです。
 
私が生徒だった頃、師匠は70歳くらいだったんですが、
当然、フラメンコ界では重鎮中の重鎮で、
コンサートでも、イベントでも、テレビに出ても、
一番の大物として扱われていました。
 
トリアーナ地区でも、名誉市民として尊敬されていましたし、
(北島三郎さんって感じです。)
私が通っていた学校でも、実は校長先生よりも偉いのが
ナランヒートだったんです。
 
それでも、みんな ナランヒートを TU で呼ぶんですよね。
 
で、どこで敬語感を感じるのかと言うと、
言葉を省略しないで文法通りきっちり話したり、
使う言葉を選んだりしているあたりで。
 
実際にクラスメイトに訊いてみたところ、
やっぱり、若者言葉とか流行語とかは避けて、
丁寧にゆっくりと、失礼のないように気を付けて話しているとの事。
 
でも、、、、呼び方はあくまでも TU で。
 
という訳で、スペイン人にとって、身近な神様も、
タメ口の対象ということになります。
 
なので、フラメンコの歌詞の中で、
特に誰に対して話しているか特定されてないで TU が使われているときは、
ほぼ神様に向けていると考えていいと思います。
 
日本語の歌詞では、♪君は~~♪ みたいな時の <君> は、
基本的に恋人や恋愛対象って考えますよね?
 
でも、フラメンコの歌詞の場合、半分くらいは神様に向けてと考えていいでしょう。
 
♪心の中で君と話して~♪ なんて歌詞の時は、間違えなく神様が相手。
 
だって、キリスト教では、一番身近な相談相手はなんといっても神様ですから。
 
 
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フラメンコとキリスト教も、今回で6回目。
今回は歌詞に神様が出てくる時の、呼び方について考えてみたいと思います。
 


 
日本では神様って、基本、敬語で話しかけますよね?
神社でお参りするときも、”なになにしてください、どうかお願いいたします。”なんて感じで、頭の中でも敬語で話しかけるんじゃないでしょうか?
 


 
では、スペイン語ではどうでしょう???
 
フラメンコを愛するみなさんには,スペイン語の勉強をちょこっとしたことがある方、多いと思います。
 


 
スペイン語教室で、最初の最初に習うのが、主語のあれこれ。
 
自分は YO      私達は NOSOTROS(NOSOTRAS)
君は  TU      君達は VOSOTROS(VOSOTRAS)
あなたは USTED    あなた方は UETEDES 
、、、、、、
みたいに並んでいたのを、見たことある方も多いでしょう。
 


 
で、問題は、君は と あなたは のところなんですよね。
 


 
私が最初にスペイン語を学んだ時も、TUはタメ口、USTEDは敬語 って習いました。
 
でも、、、、本当にそうでしょうか???
 


 
私のスペインでの経験なんですけど、TU と USTED の違いは、タメ口と敬語じゃないようなんです。
 


 
特にアンダルシア地方では、別の意味で区別されているように思います。なんていうか、、、、、TUは身近な人、とか、身内的な感じで、USTEDは、外部の人、とか、自分とは距離のある人の感じなんです。
 
で、タメ口か敬語かは、別の部分で区別するらしいんですよね。
 


 
ちなみに、私達が普段使っている日本語も、タメ口やら敬語やらが複雑に分かれています。
 


 
生徒さんはご存じだと思いますが、私が普段生徒さん達に話すのに使っている言葉は、今、まさにここに書いているのと同じくらいの丁寧さです。
 


 
まあもういい年ですし、生徒さんにお会いするのはあくまでも仕事ですから、一般の会社員の方の話し方と大差ないというか、私が以前OLさんをしていた時に、一緒に働いている仲間達と話しているときの感じです。
 
今では、学生時代からの友人にでも会わない限り、完全なタメ口を使うことはほとんどありません。
 


 
でも、私がここに書いている言葉って、敬語でしょうか?
 
実は、私は丁寧なタメ口のつもりで書いているんです。本当の敬語だと、なにせ読みにくいですし、説明には向きませんから。
 


 
アンダルシアの人達がしゃべっている言葉も、TUを使いながら、なんとなく丁寧な感じっていうのがあるんですよ。
 


 
たとえば、生徒や、後輩のフラメンコアーティストが、師匠のナランヒートと話すときの感じがそれです。
 
私が生徒だった頃、師匠は70歳くらいだったんですが、当然、フラメンコ界では重鎮中の重鎮で、コンサートでも、イベントでも、テレビに出ても、一番の大物として扱われていました。
 


 
トリアーナ地区でも、名誉市民として尊敬されていましたし、(北島三郎さんって感じです。)私が通っていた学校でも、実は校長先生よりも偉いのがナランヒートだったんです。
 
それでも、みんな ナランヒートを TU で呼ぶんですよね。
 


 
で、どこで敬語感を感じるのかと言うと、言葉を省略しないで文法通りきっちり話したり、使う言葉を選んだりしているあたりで。
 


 
実際にクラスメイトに訊いてみたところ、やっぱり、若者言葉とか流行語とかは避けて、丁寧にゆっくりと、失礼のないように気を付けて話しているとの事。
 
でも、、、、呼び方はあくまでも TU で。
 


 
という訳で、スペイン人にとって、身近な神様も、タメ口の対象ということになります。
 


 
なので、フラメンコの歌詞の中で、特に誰に対して話しているか特定されてないで TU が使われているときは、ほぼ神様に向けていると考えていいと思います。
 


 
日本語の歌詞では、♪君は~~♪ みたいな時の <君> は、基本的に恋人や恋愛対象って考えますよね?
 
でも、フラメンコの歌詞の場合、半分くらいは神様に向けてと考えていいでしょう。
 


 
♪心の中で君と話して~♪ なんて歌詞の時は、間違えなく神様が相手。
 
だって、キリスト教では、一番身近な相談相手はなんといっても神様ですから。
 
 
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