各パロ(曲種)ごとの表現方法に関してのコラム２回目グアヒーラです。
 
グアヒーラは、フラメンコの踊りを習ったことのある方なら、優雅な雰囲気で扇を使って踊る、あの踊りのことを思い浮かべると思います。
 

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でも、グアヒーラってもともとどういう意味かご存知ですか？
 

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お話しは、スペインが中南米統治が終る19世紀末にさかのぼります。当時、植民地を失ったスペイン人達は、皆で船に乗ってスペインに帰りました。
 

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一般に植民地にいたスペイン人はお金持ちですから、豪華なドレスに身を包み、個室の一等客室で旅をしたのですが、中には、植民地で事業に失敗したり、犯罪を犯したりして、かなり貧しい状態で引き揚げてきたスペイン人達もいたようで、彼等のことを、男性はグアヒーロ、女性はグアヒーラと呼んだんだそうです。
 

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つまり、スペイン人なのにもかかわらず、植民地で貧しい暮らしをし、教育もあまり行き届いていなかった人たちのことだったんですね。
 

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では、そんなグアヒーラがどうして優雅に踊るのかと言うと、、、、？
 

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これ、スペインの名踊り手が踊るグアヒーラを見ていると気が付く方もいると思うんですが、優雅に良い所のお嬢さんのように踊っている最中に、わざとスカートまくって下品なポーズを入れたり、男性をかなりきわどい方法で誘惑しようとしている様子を見せたりしています。
 

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グアヒーロの家に生まれてついた娘が、なんとか豊かな生活がしたくて、お金持ちのスペイン人男性を誘惑して結婚しようと頑張っていることを、そうやって表現しているのです。
（有名な＜結婚してくれインディア―ナ＞という歌詞では、　お里が知れてふられてしまっていますもんね。）
 

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ですから、グアヒーラのカンテも、ただ南米の陽気な雰囲気を出して、明るく幸せそうに歌うのではなく、底に流れる悲しさが表現できるといいですね。
 

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基本的に3拍子の優雅なメロディのグアヒーラ。
あまりせせこましく歌うと言うよりも、のびやかに美しく歌った方が、グラヒーラ達の悲しさが出せるかもしれません。特に高いロングトーンの部分は、丁寧にきれいに伸ばしましょう。
 

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有名な歌詞にある、
　　＜朝、ベッドでコーヒー飲んで新聞読む、そんな億万長者みたいな暮らしがしてみたい。＞
を歌う時も、優雅な暮らしを夢見るグアヒーラ達が、実際にはどんな暮らしをしているのか想像してみるといいでしょう。
 

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貧しい暮らしの中で、ただ澄み切った青空を仰いでいる、私はそんな雰囲気を出して歌うように心がけています。
  
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