コラム
カンテの基礎知識

 
215回 間違えやすいフラメンコ用語:
                       
フエルガとペーニャ

2021年8月21日アップ

なんか違いがわかり難いフラメンコ用語ってありますよね。
レッスンを受け始めたものの、しばらく公演に通ったものの、
なんだかすっきりとしないあなたの為に、
そんな違いがわかり難いフラメンコ用語を解説いたします。
 
今回紹介するのはフエルガとペーニャです。
このふたつの単語、
日本でよく知られているのはペーニャの方かもしれませんね。
 
では、まずはペーニャの意味からご紹介しましょう。
 
ペーニャと言うのは、スペイン語で愛好会のことで、
スペインで一番多いペーニャはサッカーのペーニャなんですよ。
 
ちょっと検索してみたんですけど、日本でも有名なサッカーチームの
レアル・マドリッドには153もの愛好会、つまりペーニャがあるそうです。
 
1つのサッカーチームだけで153もペーニャがあるということは、
スペインにあるすべてのサッカーチームのペーニャを合わせたら、
少なくても1000はあるんだと思います。
 
では、スペインのフラメンコのペーニャはいくつくらいあると思いますが?
現在の正確な数はわからないのですが、約400ほどだと言われています。
https://www.flamencoexport.com/flamenco-wiki/penas-flamencas.html
(世界中のフラメンコのペーニャの検索サイトです。)
 
ペーニャを単純に愛好会と訳してしまうと誤解があるといけないので、
スペインでのペーニャとはどういうものかを少しご説明させて下さい。
 
まず、スペインのペーニャには決まった場所、っていうかお店があります。
このお店、簡単に言うと飲み屋さんで、
日本でもタイガースファンが集まる居酒屋さんとかってありますよね?
あれが一番イメージに近いかもしれませんね。
 
ペーニャの会員になるには、現在のレートだと月800円くらいの
会費を払うのが普通で、会費を払うことによって、
一般のお店に比べるとかなり割安に飲むことができるシステム。
 
また、サッカーのペーニャの場合、サッカーチームがスポンサーになっていて、
お店の家賃を払ってくれたり、イベントに招待してくれたりと、
なにかとペーニャの活動をサポートしてくれます。
 
もちろん、サッカーチームのファンを増やす活動の一環ですね。
 
では、フラメンコの場合はどうかと言うと、
お店の家賃は、なんとアンダルシア政府が出してくれるんです。
もちろん、フラメンコという文化を守っていくためのサポートなんですよね。
 
実際にどうやって運営されているのかと言うと、
まずフラメンコのペーニャを始めたい人が、会員になりたい人の署名を集めて、
アンダルシア政府のフラメンコ課(実際は各県庁の窓口)に申請を出します。
 
一定人数が集っているなどの審査を経て、
フラメンコのペーニャが認可されると、
政府が適当な建物などの会場を用意してくれるのが一般的ですね。
 
特にフラメンコのペーニャには今は使っていない歴史的建造物が
提供されることが多く、ドス・エルマーナスでは、
古い図書館がそのままフラメンコのペーニャになっていたりもするんですよ。
 
サッカーのペーニャと違って、
フラメンコのペーニャには飲み屋さんのスペースの他に、
コンサートが出来る場所が付随していて、ペーニャの規模にもよりますが、
定期的にカンテコンサートを開いたり、理論の講習会を開いたりしています。
 
ちなみに、理論の講習会の先生もアンダルシア政府が無料で派遣してくれます。
 
つまり、フラメンコのペーニャ、つまりフラメンコ愛好会というのは、
フラメンコ好きが集まる為の決まった会場やその組織のこと。
基本的にお役所の認可が通っている組織を言います。
 
おや? 日本で使われている意味とは少し違うような???
 
では、もうひとつの単語、フエルガについてご説明しましょう。
 
フエルガとは、日本語で言うと、、、うーん、、、宴会?っていうかお祭り?
そんな感じだと思います。
 
スペインのフラメンコの世界で言うフエルガは、
アーティストやフラメンコファンが集まって、
フラメンコを使って?盛り上がる感じなんです。
 
一番よく用いられるのが、ブレリアのリズムでの即興合戦。
フラメンコアーティスト達が、かわるがわる歌ったり踊ったりします。
長い時には5時間くらいノンストップで続いたりもするんですよ。
 
その場に偶然集まった才能やフラメンコ愛を持ち寄って、
みんなで盛り上がって行くのは、鳥肌ものです。
 
ただ、そんなにあちこっちで年中開かれるものではないので、
たまたまそこに居合わせたら勿怪の幸い。
 
たとえば、私も参加した師匠ナランヒートの葬儀の後のフエルガでは、
師匠の仲間や弟子たちをはじめ、30人ほどのプロのアーティストが
あつまったんですが、気が付いたら100人ほどのオーディエンスが
スマホを構えで録画を録っていました。
 
残念ながら日本には、スペインで言うフラメンコのペーニャもフエルガも、
まだないのかもしれませんね。
 
でも、フラメンコ愛があれば、いつかは・・・
 
 
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レッスンを受け始めたものの、しばらく公演に通ったものの、なんだかすっきりとしないあなたの為に、そんな違いがわかり難いフラメンコ用語を解説いたします。
 


 
今回紹介するのはフエルガとペーニャです。
このふたつの単語、日本でよく知られているのはペーニャの方かもしれませんね。
 


 
では、まずはペーニャの意味からご紹介しましょう。
 
ペーニャと言うのは、スペイン語で愛好会のことで、スペインで一番多いペーニャはサッカーのペーニャなんですよ。
 


 
ちょっと検索してみたんですけど、日本でも有名なサッカーチームのレアル・マドリッドには153もの愛好会、つまりペーニャがあるそうです。
 
1つのサッカーチームだけで153もペーニャがあるということは、スペインにあるすべてのサッカーチームのペーニャを合わせたら、少なくても1000はあるんだと思います。
 


 
では、スペインのフラメンコのペーニャはいくつくらいあると思いますが?
現在の正確な数はわからないのですが、約400ほどだと言われています。
https://www.flamencoexport.com/flamenco-wiki/penas-flamencas.html(世界中のフラメンコのペーニャの検索サイトです。)
 


 
ペーニャを単純に愛好会と訳してしまうと誤解があるといけないので、スペインでのペーニャとはどういうものかを少しご説明させて下さい。
 


 
まず、スペインのペーニャには決まった場所、っていうかお店があります。
このお店、簡単に言うと飲み屋さんで、日本でもタイガースファンが集まる居酒屋さんとかってありますよね?あれが一番イメージに近いかもしれませんね。
 


 
ペーニャの会員になるには、現在のレートだと月800円くらいの会費を払うのが普通で、会費を払うことによって、一般のお店に比べるとかなり割安に飲むことができるシステム。
 


 
また、サッカーのペーニャの場合、サッカーチームがスポンサーになっていて、お店の家賃を払ってくれたり、イベントに招待してくれたりと、なにかとペーニャの活動をサポートしてくれます。
 
もちろん、サッカーチームのファンを増やす活動の一環ですね。
 


 
では、フラメンコの場合はどうかと言うと、お店の家賃は、なんとアンダルシア政府が出してくれるんです。もちろん、フラメンコという文化を守っていくためのサポートなんですよね。
 


 
実際にどうやって運営されているのかと言うと、まずフラメンコのペーニャを始めたい人が、会員になりたい人の署名を集めて、アンダルシア政府のフラメンコ課(実際は各県庁の窓口)に申請を出します。
 
一定人数が集っているなどの審査を経て、フラメンコのペーニャが認可されると、政府が適当な建物などの会場を用意してくれるのが一般的ですね。
 


 
特にフラメンコのペーニャには今は使っていない歴史的建造物が提供されることが多く、ドス・エルマーナスでは、古い図書館がそのままフラメンコのペーニャになっていたりもするんですよ。
 


 
サッカーのペーニャと違って、フラメンコのペーニャには飲み屋さんのスペースの他に、コンサートが出来る場所が付随していて、ペーニャの規模にもよりますが、定期的にカンテコンサートを開いたり、理論の講習会を開いたりしています。
 
ちなみに、理論の講習会の先生もアンダルシア政府が無料で派遣してくれます。
 


 
つまり、フラメンコのペーニャ、つまりフラメンコ愛好会というのは、フラメンコ好きが集まる為の決まった会場やその組織のこと。
基本的にお役所の認可が通っている組織を言います。
 


 
おや? 日本で使われている意味とは少し違うような???
 


 
では、もうひとつの単語、フエルガについてご説明しましょう。
 
フエルガとは、日本語で言うと、、、うーん、、、宴会?っていうかお祭り?そんな感じだと思います。
 


 
スペインのフラメンコの世界で言うフエルガは、アーティストやフラメンコファンが集まって、フラメンコを使って?盛り上がる感じなんです。
 


 
一番よく用いられるのが、ブレリアのリズムでの即興合戦。
フラメンコアーティスト達が、かわるがわる歌ったり踊ったりします。
長い時には5時間くらいノンストップで続いたりもするんですよ。
 


 
その場に偶然集まった才能やフラメンコ愛を持ち寄って、みんなで盛り上がって行くのは、鳥肌ものです。
 


 
ただ、そんなにあちこっちで年中開かれるものではないので、たまたまそこに居合わせたら勿怪の幸い。
 
たとえば、私も参加した師匠ナランヒートの葬儀の後のフエルガでは、師匠の仲間や弟子たちをはじめ、30人ほどのプロのアーティストがあつまったんですが、気が付いたら100人ほどのオーディエンスがスマホを構えで録画を録っていました。
 


 
残念ながら日本には、スペインで言うフラメンコのペーニャもフエルガも、まだないのかもしれませんね。
 
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