コラム
カンテの基礎知識

 
213回 間違えやすいフラメンコ用語:
                         カンタオールとフェステーロ

2021年7月31日アップ

なんか違いがわかり難いフラメンコ用語ってありますよね。
レッスンを受け始めたものの、しばらく公演に通ったものの、
なんだかすっきりとしないあなたの為に、
そんな違いがわかり難いフラメンコ用語を解説いたします。
 
今回紹介するのはカンタオールとフェステーロです。
 
カンタオールはフラメンコ歌手の事なので、ご存じの方も多いと思います。
では、フェステーロっていったいなんなんでしょ?
 
実は、タブラオなどで踊りバックのカンテを歌っている方は、
もともとカンタオールではなくフェステーロだって知っていますか?
 
フェステーロと言うのは、その名のとおりフィエスタ、
つまりお祭りをつかさどる人。
通常2人一組で活動しているのですが、
お祭り、宴会などを取り仕切る司会者と、
日本でいうお座敷を盛り上げる太鼓持ちを兼ね備えたような役割なんです。
(太鼓持ちとは、芸者さんを呼ぶようなお座敷の宴席で、
芸者さんの芸の合間に小話をしたり、コミカルな踊りを踊ったりして
場を盛り上げる男性のこと。幇間(ほうかん)とも言います。)
 
スペインでは、現在でも個人の宴席にフラメンコ歌手や踊り手、
ギタリストと一緒にフェステーロを呼ぶ習慣がまだ少しだけ残っています。
 
宴会でフェステーロはアーティストや演目の紹介をしたり、
短い小話で笑いを取ったりするだけではなく、
コミカルな踊りを踊ったり、踊りバックのカンテやパルマの役割も
になったりします。
 
そういう場合、そこにフラメンコ歌手がいても踊りバックの歌を歌うのは
フェステーロの役割、フラメンコ歌手はあくまでも歌手として、
踊り無しの歌をがっつり歌うことになっています。
 
ちなみに、1980年代以降スペインでフラメンコを見せるお店<タブラオ>は、
スペイン政府観光局の管轄になり、外国人向けのショーを見せる場所に
なっていますが、もともとは現地の人達が楽しむ場所でした。
 
スペイン人はコミカルな踊りや、短い笑い話が大好きなので、
タブラオなどのフラメンコショーを行う場所でも、
フェステーロは重要な役割を演じてきました。
(フェステーロが行うコミカルな踊りには、
日本にもあるどじょうすくいのようなものや、
女装をしてちょっとエッチな様子を真似したりするものがあります。)
 
ショー全体の司会や踊りバックのカンテも行っていたので、
スペイン人向けのショーには欠かせない存在だったんですよね。
 
タブラオが現地の人達の楽しみの場から
外国人観光客向けの観光施設になることで、
スペイン人好みの小話やコミカルな踊りはカットされ、
よりシリアスなショーへとかわり、
本格的なカンテソロも演目に加わるようになりました。
 
こうして、1980年代以降、フェステーロの活躍の場は極端に狭まってしまい、
現在、活動しているフェステーロはほんの数えるほどになってしまいました。
(日本の太鼓持ちも、現在はほんの数人しか活動していません。
 こういった変化は世界的な傾向かもしれませんね。)
 
21世紀になってからスペイン国内のタブラオでフラメンコをショーを
ご覧になった場合、踊りバックでカンテを歌っていたのは、
フェステーロではなくカンタオールだった可能性が高いと思います。
 
ちなみに、カンタオールは、
あくまでも踊り無しのカンテソロを歌うのが本来の姿で、
フラメンコの曲種をひとつでも多く歌えるように修行するものですが、
フェステーロは踊りバックで使うカンテに限って学ぶことになっています。
 
フェステーロは歌だけで勝負するカンタオールと違って、
ショーを盛り上げたり、お客さんを笑わせたりすることが
メインの役割なんですよね。
 
カンタオールとフェステーロの違い、おわかり頂けましたでしたでしょうか。
 
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なんか違いがわかり難いフラメンコ用語ってありますよね。
レッスンを受け始めたものの、しばらく公演に通ったものの、なんだかすっきりとしないあなたの為に、そんな違いがわかり難いフラメンコ用語を解説いたします。
 


 
今回紹介するのはカンタオールとフェステーロです。
 
カンタオールはフラメンコ歌手の事なので、ご存じの方も多いと思います。では、フェステーロっていったいなんなんでしょ?
 


 
実は、タブラオなどで踊りバックのカンテを歌っている方は、もともとカンタオールではなくフェステーロだって知っていますか?
 


 
フェステーロと言うのは、その名のとおりフィエスタ、つまりお祭りをつかさどる人。
通常2人一組で活動しているのですが、お祭り、宴会などを取り仕切る司会者と、日本でいうお座敷を盛り上げる太鼓持ちを兼ね備えたような役割なんです。
(太鼓持ちとは、芸者さんを呼ぶようなお座敷の宴席で、芸者さんの芸の合間に小話をしたり、コミカルな踊りを踊ったりして場を盛り上げる男性のこと。幇間(ほうかん)とも言います。)
 


 
スペインでは、現在でも個人の宴席にフラメンコ歌手や踊り手、ギタリストと一緒にフェステーロを呼ぶ習慣がまだ少しだけ残っています。
 


 
宴会でフェステーロはアーティストや演目の紹介をしたり、短い小話で笑いを取ったりするだけではなく、コミカルな踊りを踊ったり、踊りバックのカンテやパルマの役割もになったりします。
 


 
そういう場合、そこにフラメンコ歌手がいても踊りバックの歌を歌うのはフェステーロの役割、フラメンコ歌手はあくまでも歌手として、踊り無しの歌をがっつり歌うことになっています。
 


 
ちなみに、1980年代以降スペインでフラメンコを見せるお店<タブラオ>は、スペイン政府観光局の管轄になり、外国人向けのショーを見せる場所になっていますが、もともとは現地の人達が楽しむ場所でした。
 


 
スペイン人はコミカルな踊りや、短い笑い話が大好きなので、タブラオなどのフラメンコショーを行う場所でも、フェステーロは重要な役割を演じてきました。
(フェステーロが行うコミカルな踊りには、日本にもあるどじょうすくいのようなものや、女装をしてちょっとエッチな様子を真似したりするものがあります。)
 


 
ショー全体の司会や踊りバックのカンテも行っていたので、スペイン人向けのショーには欠かせない存在だったんですよね。
 


 
タブラオが現地の人達の楽しみの場から外国人観光客向けの観光施設になることで、スペイン人好みの小話やコミカルな踊りはカットされ、よりシリアスなショーへとかわり、本格的なカンテソロも演目に加わるようになりました。
 


 
こうして、1980年代以降、フェステーロの活躍の場は極端に狭まってしまい、現在、活動しているフェステーロはほんの数えるほどになってしまいました。
(日本の太鼓持ちも、現在はほんの数人しか活動していません。こういった変化は世界的な傾向かもしれませんね。)
 


 
21世紀になってからスペイン国内のタブラオでフラメンコをショーをご覧になった場合、踊りバックでカンテを歌っていたのは、フェステーロではなくカンタオールだった可能性が高いと思います。
 


 
ちなみに、カンタオールは、あくまでも踊り無しのカンテソロを歌うのが本来の姿で、フラメンコの曲種をひとつでも多く歌えるように修行するものですが、
フェステーロは踊りバックで使うカンテに限って学ぶことになっています。
 


 
フェステーロは歌だけで勝負するカンタオールと違って、ショーを盛り上げたり、お客さんを笑わせたりすることがメインの役割なんですよね。
 
カンタオールとフェステーロの違い、おわかり頂けましたでしたでしょうか。
 
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