コラム
カンテの基礎知識
193回 各パロ(曲種)ごとの表現(31)ミロンガ
パロ(曲種)ごとの表現、今回はミロンガです。
美しい声のフラメンコ歌手がロマンチックなカンテを歌う、
カンテ・ボニートの時代の代表的なカンテ、ミロンガ。
中南米の歌の影響を受けたカンテとしても知られています。
少しトロピカルな香がするメロディを軽い4拍子のリズムに乗せて、
穏やかに優しく歌うミロンガは、現在の日本のフラメンコファンの
皆さんの持つ、フラメンコのイメージとはかけ離れているのかもしれません。
現地スペインでも、しばらく忘れられていたのものの、
20年ほど前から少しずつ歌われるようになり、
最近では定番の演目となりました。
ご存じの方も多いと思いますが、フラメンコは2000年ごろから人気が低迷し、
その後10年ほどは、公演もあまりひらかれず、
CDの売り上げも芳しくありませんでした。
地上波のテレビのフラメンコ番組のレギュラー放送が1本もなくなり、
セビージャのケーブルテレビで細々と放送されるだけになってしまったんです。
(ちなみに、そのケーブルTVの番組は私の親友でもある
ナランヒート・デ・トリアーナの姪、フラメンコ歌手のチャロ・サン・フアンが
ディレクターとキャスターをやっていました。
フラメンコ人気をなんとか復活させようと、頑張っていたんですよ。)
そんな中、古き良き時代を思い出し、忘れられていたカンテを復活させる活動を
マイテ・マルティンをはじめとするフラメンコ歌手達が地道に頑張ったんです。
その成果が出てきたのが2015年ごろから。
ミロンガは、そんなカンテの復活劇の中で重要な役割を演じたカンテです。
しゃがれ声で迫力で押すばかりのカンテが苦手だった人達にも、
フラメンコの良さを伝えることができたのですから。
以上のように、基本的に踊られることがないカンテなのですが、
フラメンコの世界の奥深さを知るためにも、
バイレやギターの方にもぜひ聞いて頂きたいですね。
カンテの表現方法に関しては、とにかく繊細に、美しく歌うことが
ミロンガと言うカンテを生かす為に一番大事なことなので、
発声、発音も軽やかにかつクリアーになるように心がけてください。
後は、自分が表現したい内容の歌詞を選んで、
丁寧に言葉を表現すればOKです。
それから、ミロンガのメロディはシンプルで繰り返しが多いので、
あまり複雑なアレンジを加えるよりも、
そのシンプルさを生かす歌い方がいいでしょう。
そして聞く人の耳に歌詞を残すように歌うと、
より楽しんでもらえるのではないでしょうか。
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パロ(曲種)ごとの表現、今回はミロンガです。
美しい声のフラメンコ歌手がロマンチックなカンテを歌う、カンテ・ボニートの時代の代表的なカンテ、ミロンガ。
中南米の歌の影響を受けたカンテとしても知られています。
少しトロピカルな香がするメロディを軽い4拍子のリズムに乗せて、穏やかに優しく歌うミロンガは、現在の日本のフラメンコファンの皆さんの持つ、フラメンコのイメージとはかけ離れているのかもしれません。
現地スペインでも、しばらく忘れられていたのものの、20年ほど前から少しずつ歌われるようになり、最近では定番の演目となりました。
ご存じの方も多いと思いますが、フラメンコは2000年ごろから人気が低迷し、その後10年ほどは、公演もあまりひらかれず、CDの売り上げも芳しくありませんでした。
地上波のテレビのフラメンコ番組のレギュラー放送が1本もなくなり、セビージャのケーブルテレビで細々と放送されるだけになってしまったんです。
(ちなみに、そのケーブルTVの番組は私の親友でもあるナランヒート・デ・トリアーナの姪、フラメンコ歌手のチャロ・サン・フアンがディレクターとキャスターをやっていました。フラメンコ人気をなんとか復活させようと、頑張っていたんですよ。)
そんな中、古き良き時代を思い出し、忘れられていたカンテを復活させる活動をマイテ・マルティンをはじめとするフラメンコ歌手達が地道に頑張ったんです。
その成果が出てきたのが2015年ごろから。
ミロンガは、そんなカンテの復活劇の中で重要な役割を演じたカンテです。
しゃがれ声で迫力で押すばかりのカンテが苦手だった人達にも、フラメンコの良さを伝えることができたのですから。
以上のように、基本的に踊られることがないカンテなのですが、フラメンコの世界の奥深さを知るためにも、バイレやギターの方にもぜひ聞いて頂きたいですね。
カンテの表現方法に関しては、とにかく繊細に、美しく歌うことがミロンガと言うカンテを生かす為に一番大事なことなので、発声、発音も軽やかにかつクリアーになるように心がけてください。
後は、自分が表現したい内容の歌詞を選んで、丁寧に言葉を表現すればOKです。
それから、ミロンガのメロディはシンプルで繰り返しが多いので、あまり複雑なアレンジを加えるよりも、そのシンプルさを生かす歌い方がいいでしょう。
そして聞く人の耳に歌詞を残すように歌うと、より楽しんでもらえるのではないでしょうか。
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