コラム
カンテの基礎知識

 
190回 各パロ(曲種)ごとの表現(28)ロメラ

2022年2月13日アップ

久しぶりに各パロごとの表現に戻って、今回はロメラをご紹介しましょう。
 
ロメラは、アレグリアスの仲間の12拍子のカンテです。
実は、アレグリアスの仲間で一番古いのがこのロメラと言われています。
 
昔からあるということは、古くからあるカンテの特徴があると言うこと。
 
では、古くからあるカンテの特徴を少しご紹介しましょ。
 
まず第1に、メロディは比較的シンプルであるということ。
そして、2番目に1小節の拍数が必ずしも均一ではないということ。
 
ロメラは基本的に12拍子なんですが、
実は小節によっては9拍になったり6拍になったりするんです。
 
アレグリアスのグループのカンテのリズムが、
12拍でなくなるって??? とびっくりされた方も多いと思います。
 
実は、カンテのリズムは完全に各小節の拍数が同じと言う訳ではなく、
4拍子の場合は、時々2拍子が混ざったり、
12拍の場合は、1小節の拍数が3拍単位で短くなり、
9拍や6拍になることがよくあるんです、
 
ただ踊りバックで使われるカンテは、基本的に1小節の拍数は一定です。
 
もし一定ではないカンテを踊りバックに使うなら、
歌い手が調節して1小節12拍や4拍ずつに揃えることになります。
 
ちなみに1小節の拍数を少なくする理由は、
カンテのメロディがその方がおさまりがよく、
12拍や4拍にすると間延びしてしまうからなんです。
 
カンテはあくまでもメロディを聞いてもらう歌なので、
メロディを生かす為に、1小節の拍数を調整することは当たり前なんですよね。
 
そうやって何拍かカットして歌うことを リガオ といいます。
(実際にリガオするかどうかは歌い手の自由で、メロディにアレンジを
 加えることで拍数を調節してもいいことになっています。)
 
ロメラは、このリガオがよく使われるカンテなんです。
(リガオはアレンジと並んでフラメンコ歌手の大事な技術のひとつです。)
 
では、ロメラという曲種の具体的なご紹介に入りましょう。
 
まずロメラという言葉の意味ですが、もともとは月桂樹の葉のことを指します。
日本ではローリエというほうが馴染みがありますよね。
 
スペインでは巡礼者が月桂樹の葉を編んだものを頭にかぶる習慣があって、
それで巡礼者のこともロメラと言うようになりました。
 
ロメラはその名前のとおり、カトリック色の強いカンテで、
よく歌われている歌詞の多くは、カトリックの信仰心を表した内容と
なっています。
 
日本には元々クリスチャンが少ないですし、
特にフラメンコアーティストにはほとんどいないので、
歌詞の意味を理解するのはなかなか難しいと思います。
(クラシックやヒップホップのアーティストにはわりと沢山いるんですよ。)
 
ただ信仰の有無は別として、カンテを志す方には最低限の
キリスト教の知識はあったほうがいいと私は個人的には思っています。
 
スペインにはクリスチャンでないとカンテは教えないと言う先生も
多いのですが、洗礼は受けていないけれど、キリスト教を学んでいます
と答えれば大丈夫な場合も多いんですよね。
 
それに、スペイン語には聖書の中に出てくるお話がそのまま慣用句になった
表現も多く、特にフラメンコの歌詞は、他のどんな音楽ジャンルよりも
キリスト教色が強いので、歌詞の意味を間違えて捉えないで済むように、
キリスト教、特にアンダルシア独特のカトリックの知識は必要不可欠なんです。
 
スペインに行くと、子ども向きのキリスト教の解説書などが
沢山売られています。
子ども向けなので、初級レベルのスペイン語力でも読みこなすことは可能です。
ぜひ怖がらずにトライしてみてください。
 
私もクリスチャンとはいえプロテスタントなので、
アンダルシア独特のカトリックを理解するのはかなり大変でした。
 
でも、学んでみるとわかるのですが、スペイン人の基本的な考え方って、
スペイン独自のカトリックの考え方がベースになっているんですよね。
 
スペイン人を理解するうえでも、とっても有益だと思います。
 
最後になりますが、ロメラを表現するには歌詞の背景を理解し、
信仰心を表すような清々しい歌い方があっていると思いますので、
あまり余計なアレンジは加えずストレートに、
声もなるべくしゃがれさせずに澄んだ声でのびやかに歌いましょう。
 
そして、リズムを意識しすぎることなく、
美しいメロディをそのまま素直に表現してください。
 
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久しぶりに各パロごとの表現に戻って、今回はロメラをご紹介しましょう。
 
ロメラは、アレグリアスの仲間の12拍子のカンテです。実は、アレグリアスの仲間で一番古いのがこのロメラと言われています。
 


 
昔からあるということは、古くからあるカンテの特徴があると言うこと。
 
では、古くからあるカンテの特徴を少しご紹介しましょ。
 


 
まず第1に、メロディは比較的シンプルであるということ。
 
そして、2番目に1小節の拍数が必ずしも均一ではないということ。
 


 
ロメラは基本的に12拍子なんですが、実は小節によっては9拍になったり6拍になったりするんです。
 
アレグリアスのグループのカンテのリズムが、12拍でなくなるって??? とびっくりされた方も多いと思います。
 


 
実は、カンテのリズムは完全に各小節の拍数が同じと言う訳ではなく、4拍子の場合は、時々2拍子が混ざったり、12拍の場合は、1小節の拍数が3拍単位で短くなり、9拍や6拍になることがよくあるんです、
 


 
ただ踊りバックで使われるカンテは、基本的に1小節の拍数は一定です。
 
もし一定ではないカンテを踊りバックに使うなら、歌い手が調節して1小節12拍や4拍ずつに揃えることになります。
 


 
ちなみに1小節の拍数を少なくする理由は、カンテのメロディがその方がおさまりがよく、12拍や4拍にすると間延びしてしまうからなんです。
 
カンテはあくまでもメロディを聞いてもらう歌なので、メロディを生かす為に、1小節の拍数を調整することは当たり前なんですよね。
 


 
そうやって何拍かカットして歌うことを リガオ といいます。
(実際にリガオするかどうかは歌い手の自由で、メロディにアレンジを加えることで拍数を調節してもいいことになっています。)
 


 
ロメラは、このリガオがよく使われるカンテなんです。
(リガオはアレンジと並んでフラメンコ歌手の大事な技術のひとつです。)
 


 
では、ロメラという曲種の具体的なご紹介に入りましょう。
 
まずロメラという言葉の意味ですが、もともとは月桂樹の葉のことを指します。日本ではローリエというほうが馴染みがありますよね。
 
スペインでは巡礼者が月桂樹の葉を編んだものを頭にかぶる習慣があって、それで巡礼者のこともロメラと言うようになりました。
 


 
ロメラはその名前のとおり、カトリック色の強いカンテで、よく歌われている歌詞の多くは、カトリックの信仰心を表した内容となっています。
 


 
日本には元々クリスチャンが少ないですし、特にフラメンコアーティストにはほとんどいないので、歌詞の意味を理解するのはなかなか難しいと思います。
(クラシックやヒップホップのアーティストにはわりと沢山いるんですよ。)
 
ただ信仰の有無は別として、カンテを志す方には最低限のキリスト教の知識はあったほうがいいと私は個人的には思っています。
 


 
スペインにはクリスチャンでないとカンテは教えないと言う先生も多いのですが、洗礼は受けていないけれど、キリスト教を学んでいますと答えれば大丈夫な場合も多いんですよね。
 


 
それに、スペイン語には聖書の中に出てくるお話がそのまま慣用句になった表現も多く、特にフラメンコの歌詞は、他のどんな音楽ジャンルよりもキリスト教色が強いので、歌詞の意味を間違えて捉えないで済むように、キリスト教、特にアンダルシア独特のカトリックの知識は必要不可欠なんです。
 


 
スペインに行くと、子ども向きのキリスト教の解説書などが沢山売られています。子ども向けなので、初級レベルのスペイン語力でも読みこなすことは可能です。ぜひ怖がらずにトライしてみてください。
 


 
私もクリスチャンとはいえプロテスタントなので、アンダルシア独特のカトリックを理解するのはかなり大変でした。
 
でも、学んでみるとわかるのですが、スペイン人の基本的な考え方って、スペイン独自のカトリックの考え方がベースになっているんですよね。
 
スペイン人を理解するうえでも、とっても有益だと思います。
 


 
最後になりますが、ロメラを表現するには歌詞の背景を理解し、信仰心を表すような清々しい歌い方があっていると思いますので、あまり余計なアレンジは加えずストレートに、声もなるべくしゃがれさせずに澄んだ声でのびやかに歌いましょう。
 
そして、リズムを意識しすぎることなく、美しいメロディをそのまま素直に表現してください。
 
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