コラム
カンテの基礎知識
188回 フラメンコの音響ー4
前回は謎だけ提供して終ってしまった、バイレの音響。
今回は解決編ということで、お答えを発表したいと思います。
ダカダカダカダカ、、、じゃん!
なんと舞台の下にマイクがあるんです。
これ、どういうことかと言うと、、、
実は、スペインでは、多くのフラメンコ公演が予定されている劇場では、
最初から舞台が2重構造になっているんです。
劇場によっても少し違うのですが、
舞台の下に深さ数十センチから1mくらいの空間があって、
その下にもう1枚の床があります。
マイクはその2枚の床の間の空間に空中に浮かぶような形で設置されています。
(設置方法は劇場によっていろいろだそうですが、
吊り下げが多いみたいです。)
ここで、カンテとギターの音響のお話しを思い出してください。
どちらも大事なことは、エコーなどの音への効果をとること、
つまり言い換えると、音の残響を押さえる事でしたよね。
音の残響があると、もともとの音と残響音が混ざってしまい、
本来の音がすっきりとは聞こえなくなってしまいます。
バイレの靴音って、1つ1つの音がくっきりすっきり聞こえることが、
もしかするとカンテやギターと同じかそれ以上に大事じゃないですか?
せっかく細かいステップを踏んで、タカタカ軽やかな靴音を出していても、
残響音が混ざってしまったら、本来の靴音を聞いてもらうことは
難しいでしょう。
ですから、バイレの音響の基本も、音にエフェクトがかからないように、
特に残響音対策が大事になるんです。
ただ、ここで考えて頂きたいのが、床の下に設置されているマイクです。
床の下にもう1枚の床があるということは、
マイクは2枚の床の間の閉鎖された空間にあるということ。
2枚の床に間にはさまれた空間が閉鎖されているということは、
その中の音は、どうしても反響が強くなってしまいます。
そこで、床の素材や設計などでさまざまな工夫をして、
もちろん逆位相の音もかけて、フラメンコの音響さんは、
靴音の残響を観客に聞かせないようにする為に頑張っているんだそう。
もし大劇場でフラメンコ公演を見た時に、細かい靴音がすっきりと聞こえたら、
その音響さんはかなり優秀って事ですね。
ちなみに、劇場の床が2重になっていない場合は、
床に上に会議机みたいなものを並べて、
第2の床をもともとの床の上に作って対応します。
そして、本来の床と仮に作った床の間にマイクをセッティング
するんだそうです。
うーん、、、
どちらの方法も、フラメンコ公演が少ない日本ではなかなかな難しいかも。
でも、そこまで広い劇場でなければ、上に仮の床を作る方法は
可能かもしれないですね。
あ、そうそう。
セビリアのマエストランサ劇場の音響さんはとっても気さくで親切です。
すでに世界中の劇場関係者も勉強に来ているので、
日本の劇場でも対応できる方法を、きっと考えてくれると思います。
興味のある方、劇場関係者のみなさん
ぜひ問い合わせてみてくださいね。
ちなみに、英語でもOKですよ。
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前回は謎だけ提供して終ってしまった、バイレの音響。
今回は解決編ということで、お答えを発表したいと思います。
ダカダカダカダカ、、、じゃん!
なんと舞台の下にマイクがあるんです。
これ、どういうことかと言うと、、、
実は、スペインでは、多くのフラメンコ公演が予定されている劇場では、最初から舞台が2重構造になっているんです。
劇場によっても少し違うのですが、舞台の下に深さ数十センチから1mくらいの空間があって、その下にもう1枚の床があります。
マイクはその2枚の床の間の空間に空中に浮かぶような形で設置されています。(設置方法は劇場によっていろいろだそうですが、吊り下げが多いみたいです。)
ここで、カンテとギターの音響のお話しを思い出してください。
どちらも大事なことは、エコーなどの音への効果をとること、つまり言い換えると、音の残響を押さえる事でしたよね。
音の残響があると、もともとの音と残響音が混ざってしまい、本来の音がすっきりとは聞こえなくなってしまいます。
バイレの靴音って、1つ1つの音がくっきりすっきり聞こえることが、もしかするとカンテやギターと同じかそれ以上に大事じゃないですか?
せっかく細かいステップを踏んで、タカタカ軽やかな靴音を出していても、残響音が混ざってしまったら、本来の靴音を聞いてもらうことは難しいでしょう。
ですから、バイレの音響の基本も、音にエフェクトがかからないように、特に残響音対策が大事になるんです。
ただ、ここで考えて頂きたいのが、床の下に設置されているマイクです。
床の下にもう1枚の床があるということは、マイクは2枚の床の間の閉鎖された空間にあるということ。
2枚の床に間にはさまれた空間が閉鎖されているということは、その中の音は、どうしても反響が強くなってしまいます。
そこで、床の素材や設計などでさまざまな工夫をして、もちろん逆位相の音もかけて、フラメンコの音響さんは、靴音の残響を観客に聞かせないようにする為に頑張っているんだそう。
もし大劇場でフラメンコ公演を見た時に、細かい靴音がすっきりと聞こえたら、その音響さんはかなり優秀って事ですね。
ちなみに、劇場の床が2重になっていない場合は、床に上に会議机みたいなものを並べて、第2の床をもともとの床の上に作って対応します。
そして、本来の床と仮に作った床の間にマイクをセッティングするんだそうです。
うーん、、、
どちらの方法も、フラメンコ公演が少ない日本ではなかなかな難しいかも。
でも、そこまで広い劇場でなければ、上に仮の床を作る方法は可能かもしれないですね。
あ、そうそう。
セビリアのマエストランサ劇場の音響さんはとっても気さくで親切です。すでに世界中の劇場関係者も勉強に来ているので、日本の劇場でも対応できる方法を、きっと考えてくれると思います。
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ぜひ問い合わせてみてくださいね。ちなみに、英語でもOKですよ。
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