コラム
カンテの基礎知識
151回 カンテを学ぶということー13
前回はカンテの歌詞の形式の一番短い<3行詩8音節>をご紹介しました。
では、本日はカンテの歌詞で一番多く使われる形式について
お話を進めたいと思います。
前回の 1行に8音節ある詩が3行でひとつの歌詞になっている3行詩8音節は、
888と覚えるとわかりやすいと思います。
今日ご紹介する歌詞は、アレグリアス、ガロティン、ソレア、ティエント、
ファルーカ、タンゴなどなどに使われる 8888 4行詩8音節です。
前回お話ししたように、スペイン語は8音節がおさまりがいい言語で、
実は4行の時が特にバランスがいいんだそう。
そのせいもあって、カンテのかなり多くのメロディが、
8888 4行詩8音節の歌詞を使って歌います。
もちろん、前回のコラムでご説明したように、
同じソレアでもメロディによって使用する歌詞の長さは違うのですが、
ソレアのほとんどのメロディがこの4行詩8音節の歌詞を使うんです。
ちなみに、スペインで購入したフラメンコの歌詞本の中で、
よく知られた歌詞を集めたものがあるのですが
全部で3400編ほど収録された中で、2000編以上がこの4行詩8音節なんですよ。
では、今回も一例として師匠のナランヒートが作詞した詩をご紹介しましょう。
Que yo me voy pa chiclana
O tiro pa san fernando
Donde me espera una nin'a
Que sentada en su ventana
師匠はこの歌詞を、アレグリアス・デ・カディスのメロディに
乗せて歌っていました。
この詩を実際にアレグリアス・デ・カディスのメロディにのせて歌う場合、
アレグリアス・デ・カディスのメロディはフレーズが7つあるので、
まず最初の2行の歌詞をそのまま歌ってから、1行目3行目4行目と歌って、
最後に3行目と4行目をもう一度繰り返して歌うことになります。
もちろん他の曲種にのせて歌ってもいいのですね。
歌詞の内容的にはガロティンにもあうと思いますし、
もちろん、タンゴやブレリアにもぴったりですね。
(歌詞をどう繰り返すのかは、各メロディごとに変ります。)
では、この詩も音節ごとに分けてみましょう。
(Que) (yo) (me) (voy) (pa) (chic) (la) (na)
(O) (ti) (ro) (pa) (san) (fer) (nan) (do)
(Don) (de) (me) (es-pe-ra) (u) (na) (ni) (n'a)
(Que) (sen) (ta) (da) (en-su) (ven) (ta) (na)
それぞれ8個に分けたのですが、3行目の (es-pe-ra)と
4行目の(en-su)は、ひとつのカッコの中に音節が複数入っています。
これ、間違えじゃないんですよ。
この歌詞、日本語の短歌や俳句によくあるように、字余りなんです。
その字余りをどこかの音にまとめて入れて歌うことで、
その部分がリズミカルになり、アレグリアスをより元気で
ぴちぴちした雰囲気にするのに役立っています。
このように、歌詞をわざと字余りにしたり、逆に字足らずにしたりすることで、
カンテに独特のリズムを付けたすこともあるんです。
また、取りあえず歌詞を8音節で作っておいて、
実際に歌う時に歌詞を少しアレンジして、
音節数を調節することも、フラメンコ歌手が日常的にやっていること。
もし歌詞付きのCDなどお持ちでしたら、
歌詞1行の音節数を数えてみてください。
きっと 8音節の歌詞が多いことに気が付くと思います。
音節数の数え方ですが、
基本的には母音ひとつで1音節と考えるとわかりやすいですね。
(スペイン語の場合、母音は A I U E O と Y です。
複数の母音をひとつの音として発音することもありますので、
詳しくはスペイン語の教科書に必ず載っている発音の説明を見てください。
又は、辞書で該当の言葉をひくと、音節毎に区切られた発音が載っています。)
少しずつでいいので、色々なフラメンコ歌詞を音読していると、
だんだんと8音節のリズムがつかめてくると思います。
これもカンテ上達のちょっとしたコツです!!!
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では、本日はカンテの歌詞で一番多く使われる形式についてお話を進めたいと思います。
前回の 1行に8音節ある詩が3行でひとつの歌詞になっている3行詩8音節は、888と覚えるとわかりやすいと思います。
今日ご紹介する歌詞は、アレグリアス、ガロティン、ソレア、ティエント、ファルーカ、タンゴなどなどに使われる 8888 4行詩8音節です。
前回お話ししたように、スペイン語は8音節がおさまりがいい言語で、実は4行の時が特にバランスがいいんだそう。
そのせいもあって、カンテのかなり多くのメロディが、8888 4行詩8音節の歌詞を使って歌います。
もちろん、前回のコラムでご説明したように、同じソレアでもメロディによって使用する歌詞の長さは違うのですが、ソレアのほとんどのメロディがこの4行詩8音節の歌詞を使うんです。
ちなみに、スペインで購入したフラメンコの歌詞本の中で、よく知られた歌詞を集めたものがあるのですが全部で3400編ほど収録された中で、2000編以上がこの4行詩8音節なんですよ。
では、今回も一例として師匠のナランヒートが作詞した詩をご紹介しましょう。
Que yo me voy pa chiclana
O tiro pa san fernando
Donde me espera una nin'a
Que sentada en su ventana
師匠はこの歌詞を、アレグリアス・デ・カディスのメロディに乗せて歌っていました。
この詩を実際にアレグリアス・デ・カディスのメロディにのせて歌う場合、アレグリアス・デ・カディスのメロディはフレーズが7つあるので、まず最初の2行の歌詞をそのまま歌ってから、1行目3行目4行目と歌って、最後に3行目と4行目をもう一度繰り返して歌うことになります。
もちろん他の曲種にのせて歌ってもいいのですね。
歌詞の内容的にはガロティンにもあうと思いますし、もちろん、タンゴやブレリアにもぴったりですね。(歌詞をどう繰り返すのかは、各メロディごとに変ります。)
では、この詩も音節ごとに分けてみましょう。
(Que) (yo) (me) (voy) (pa) (chic) (la) (na)
(O) (ti) (ro) (pa) (san) (fer) (nan) (do)
(Don) (de) (me) (es-pe-ra) (u) (na) (ni) (n'a)
(Que) (sen) (ta) (da) (en-su) (ven) (ta) (na)
それぞれ8個に分けたのですが、3行目の (es-pe-ra)と4行目の(en-su)は、ひとつのカッコの中に音節が複数入っています。
これ、間違えじゃないんですよ。この歌詞、日本語の短歌や俳句によくあるように、字余りなんです。
その字余りをどこかの音にまとめて入れて歌うことで、その部分がリズミカルになり、アレグリアスをより元気でぴちぴちした雰囲気にするのに役立っています。
このように、歌詞をわざと字余りにしたり、逆に字足らずにしたりすることで、カンテに独特のリズムを付けたすこともあるんです。
また、取りあえず歌詞を8音節で作っておいて、実際に歌う時に歌詞を少しアレンジして、音節数を調節することも、フラメンコ歌手が日常的にやっていること。
もし歌詞付きのCDなどお持ちでしたら、歌詞1行の音節数を数えてみてください。きっと 8音節の歌詞が多いことに気が付くと思います。
音節数の数え方ですが、基本的には母音ひとつで1音節と考えるとわかりやすいですね。
(スペイン語の場合、母音は A I U E O と Y です。複数の母音をひとつの音として発音することもありますので、詳しくはスペイン語の教科書に必ず載っている発音の説明を見てください。又は、辞書で該当の言葉をひくと、音節毎に区切られた発音が載っています。)
少しずつでいいので、色々なフラメンコ歌詞を音読していると、だんだんと8音節のリズムがつかめてくると思います。
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