コラム
カンテの基礎知識
150回 カンテを学ぶということー12
前回はカンテの歌詞には決まった形式があるというお話しまで進みました。
ではどんな形式があるのかを具体的にご紹介して行きたいと思います。
日本語の歌の歌詞は、俗に七五調と呼ばれている、
5音や7音をつらねて作られた詩が多いですよね。
もちろん、最近はその形にこだわらない歌詞も増えましたが、
日本語では、5音、7音は、実際に発音していみるとよくわかるように、
リズムがよく、言葉としても納まりもいいので、
最近の歌詞でもよく見ると実は結構使われていたりするんです。
スペイン語の場合は、前回も書いた通り 8音がそれにあたります。
一塊を8音にすると、声に出したときにリズムがよく、収まりがいいんです。
という訳で、フラメンコの歌詞に使われる詩も8音のものが多いですね。
まずは、888 つまり 3行詩8音節、
(スペイン語で 3 versos 8 silabas )をご紹介しましょう。
この歌詞の形式はフラメンコの中では一番短いもので、
この形式の詩を使って歌うカンテは、
ソレア、ティエント、ブレリア、タンゴなど。
ただ、ソレアもティエントもブレリアもタンゴも、
それぞれ複数のメロディがあるので、
メロディによっては、もっと長い歌詞が使われる場合もあります。
では、一例として師匠のナランヒートが作詞した詩をご紹介しましょう。
Trianilla Trianilla
La dodaba en Triana
La dodaba en Sevilla
各行が8音節になっていることがおわかりでしょうか?
師匠はこの歌詞をソレア・デ・トリアーナに好んで使っていました。
ちなみに、音節ごとに詩を分けてみると以下のようになり、
どれも8音節だということがよくおわかりになると思います。
(Tri) (a) (ni) (lla) (Tri) (a) (ni) (lla)
(La) (do) (da) (ba) (en) (Tri) (a) (na)
(La) (do) (da) (ba) (en) (Se) (vi) (lla)
この詩を実際にソレア・デ・トリアーナの短い方のメロディにのせて歌う場合、
ソレア・デ・トリアーナのメロディはフレーズが5つあるので、
まず3行の歌詞をそのまま歌ってから、
最後に2行目と3行目をもう一度繰り返して歌うことになります。
短いブレリアにのせて歌う場合は、フレーズが3つだけなので、
このまま3行を1回ずつ歌えばOKです。
このようにフレーズの長さが、そのまま歌詞の長さになるのではなく、
繰り返しが入ること込みで、歌詞の形式が決まっているのが面白いですね。
注)ソレア・デ・トリアーナにはメロディが7つあり、
一番短いメロディがこちらでとりあげた5フレーズのものです。
もっと長いメロディを歌う時は、他の形式の歌詞を使います。
注)カンテのメロディごとに、どの形式の歌詞を使うかは決まっています。
今回とりあげたメロディのように全部で5フレーズあったとしても、
ソレア・デ・トリアーナのこのメロディには
3行詩を使うことになっていて、
丁度合うからと5行詩を使ったりすることはありません。
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日本語の歌の歌詞は、俗に七五調と呼ばれている、5音や7音をつらねて作られた詩が多いですよね。
もちろん、最近はその形にこだわらない歌詞も増えましたが、日本語では、5音、7音は、実際に発音していみるとよくわかるように、リズムがよく、言葉としても納まりもいいので、最近の歌詞でもよく見ると実は結構使われていたりするんです。
スペイン語の場合は、前回も書いた通り 8音がそれにあたります。一塊を8音にすると、声に出したときにリズムがよく、収まりがいいんです。
という訳で、フラメンコの歌詞に使われる詩も8音のものが多いですね。
まずは、888 つまり 3行詩8音節、(スペイン語で 3 versos 8 silabas )をご紹介しましょう。
この歌詞の形式はフラメンコの中では一番短いもので、この形式の詩を使って歌うカンテは、ソレア、ティエント、ブレリア、タンゴなど。
ただ、ソレアもティエントもブレリアもタンゴも、それぞれ複数のメロディがあるので、メロディによっては、もっと長い歌詞が使われる場合もあります。
では、一例として師匠のナランヒートが作詞した詩をご紹介しましょう。
Trianilla Trianilla
La dodaba en Triana
La dodaba en Sevilla
各行が8音節になっていることがおわかりでしょうか?
師匠はこの歌詞をソレア・デ・トリアーナに好んで使っていました。
ちなみに、音節ごとに詩を分けてみると以下のようになり、どれも8音節だということがよくおわかりになると思います。
(Tri) (a) (ni) (lla) (Tri) (a) (ni) (lla)
(La) (do) (da) (ba) (en) (Tri) (a) (na)
(La) (do) (da) (ba) (en) (Se) (vi) (lla)
この詩を実際にソレア・デ・トリアーナの短い方のメロディにのせて歌う場合、ソレア・デ・トリアーナのメロディはフレーズが5つあるので、まず3行の歌詞をそのまま歌ってから、最後に2行目と3行目をもう一度繰り返して歌うことになります。
短いブレリアにのせて歌う場合は、フレーズが3つだけなので、このまま3行を1回ずつ歌えばOKです。
このようにフレーズの長さが、そのまま歌詞の長さになるのではなく、
繰り返しが入ること込みで、歌詞の形式が決まっているのが面白いですね。
注)ソレア・デ・トリアーナにはメロディが7つあり、一番短いメロディがこちらでとりあげた5フレーズのものです。もっと長いメロディを歌う時は、他の形式の歌詞を使います。
注)カンテのメロディごとに、どの形式の歌詞を使うかは決まっています。今回とりあげたメロディのように全部で5フレーズあったとしても、ソレア・デ・トリアーナのこのメロディには3行詩を使うことになっていて、丁度合うからと5行詩を使ったりすることはありません。
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