コラム
カンテの基礎知識

 
149回 カンテを学ぶということー11

2021年3月21日アップ

カンテには正しいメロディとアレンジ方法がある!
そんなお話しをずっとしてきましたが、
カンテにはメロディとアレンジ以外にも、
まだまだいくつかの要素がありますよね。
 
そう、歌詞やリズムです。
 
以前、日本のギター発表会でお手本カンテのお仕事を頂いた事があるんですが
タンゴを歌うことになった時、
 
”どのコード進行を使うか確認したいから、歌詞を教えてくれませんか?”
ときかれたことがあります。
 
”ごめんなさい、どういうこと?”と聞くと、
”だから、レトラがわかればコード進行がわかるでしょ!”
とちょっとキレ気味に言われちゃったんですが、
歌詞でコード進行は決まらないですよね?
 
という訳で、今日はカンテの歌詞とメロディの関係について
お話ししたいと思います。
 
CDをお持ちの方は、
歌詞カードを出して各曲の紹介ページを見てみてください。
 
まず、曲名と曲種名、そして作詞家や編曲者の名前などがあって、
その下に歌詞が書いてあると思います。
 
この歌詞、たとえば曲種がアレグリアスなら、
アレグリアス用の歌詞だと思われた方も多いのではないでしょうか?
 
実は、その歌詞は、このCDではたまたまアレグリアスのメロディにのせて
録音したと言うだけで、その歌詞自体がアレグリアス用の歌詞
ということではないんです。
 
カンテはメロディが決まっていて新たに作曲することは許されない!
アレンジ方法も曲種ごとに決まっている!
というのは何度もお話ししているとおりです。
 
でも、歌詞に関してはほとんど決まりはなく、
誰でも自由に作詞をしていいことになっています。
 
たとえばアレグリアスを歌う時に使う歌詞と一口に言っても、
有名なものだけでも、たぶん100編以上はあるでしょう。
また、アレグリアスのメロディを歌う時に使われた歌詞が、
ガロティンやブレリアなど他の曲種にも使われることもごく一般的なんですよ。
 
すでに頭の中が ??? でいっぱいになってしまった方も
いらっしゃるかもしれませんね。
 
実は、カンテのメロディと歌詞はセットになっているのではなく、
それぞれ別々、独立しているんです。
 
歌い手は、なにかカンテを歌おうとする時に、
どの歌詞を使って歌うのかをその都度決めるのが普通で、
その時の観客や季節、会場などに合わせて歌詞を選びます。
 
たとえば、現在のようなコロナ禍では、コロナで亡くなった方を悼む歌詞や、
健康や経済的な安定を祈ったり、一日も早くもとに戻ることを望む歌詞などが
多く用いられています。
 
もちろん、コロナ禍に向けた歌詞は以前からあったわけではないですから、
最近、新たに作詞されたものということになりますよね。
 
また、何か歌いたいことがあって作詞をする場合も、
どのカンテにのせて歌うか決めて書くと言うより、
いくつかあるカンテ用の歌詞の形式のどれかで書くことが多いんです。
 
<カンテ用の歌詞の形式>という言葉を初めて聞いた方も多いと思いますので、
まずはそのあたりからご説明したいと思います。
 
カンテ用の歌詞の形式を理解するには、
日本の俳句や短歌を思い浮かべるとわかりやすいですね。
 
たとえば俳句なら 575 短歌なら 57577 っていう形式を
ご存じだと思います。
 
この575の5というのは、
日本語の場合<ひらがな>が5つってことだと思います。
 
最初がひらがなが5つの行、次は7つの行で、最後が5つの行、
この3行で一遍の俳句が出来上がります。
 
では、スペイン語の場合はどうでしょうか?
 
スペイン語の場合、一番一般的なフラメンコの歌詞の形式は 8888 です。
1行が8の詩が4行でできているということです。
 
ただスペイン語の場合、子音と母音がセットになってひとつの音を作るので、
日本語のように<ひらがな>がいくつあるかではなくて、
母音がいくつあるかで数えます。
(正確に言うと音節の数なんですが、ほぼ母音の数と一緒です。)
 
たとえば、Como esta? (意味は、元気ですか?)の場合、
母音は o o e a の4つなので、これで4です。
 
そして、Como esta? Como esta? と2回つなげれば 
母音が計8個になるので、これで1行分の8が完成です。
 
こうして、1行が母音8個分になるように数えながら詩を作って、
4行になればカンテの歌詞1個完成となります。
 
ちなみに、8888 のように1行の母音の数が8個で、
4行ある詩のことを4行詩8音節、
スペイン語で 4 versos 8 silabas と言い、
アレグリアス、ティエント、ソレア、ガロティン、ファルーカ、などなど、
数多くのカンテに合う、一番一般的な歌詞の長さなんですよ。
 
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カンテには正しいメロディとアレンジ方法がある!
そんなお話しをずっとしてきましたが、カンテにはメロディとアレンジ以外にも、まだまだいくつかの要素がありますよね。
 


 
そう、歌詞やリズムです。
 


 
以前、日本のギター発表会でお手本カンテのお仕事を頂いた事があるんですがタンゴを歌うことになった時、 
”どのコード進行を使うか確認したいから、歌詞を教えてくれませんか?”ときかれたことがあります。
 


 
”ごめんなさい、どういうこと?”と聞くと、
”だから、レトラがわかればコード進行がわかるでしょ!”
とちょっとキレ気味に言われちゃったんですが、歌詞でコード進行は決まらないですよね?
 


 
という訳で、今日はカンテの歌詞とメロディの関係についてお話ししたいと思います。
 


 
CDをお持ちの方は、歌詞カードを出して各曲の紹介ページを見てみてください。
 
まず、曲名と曲種名、そして作詞家や編曲者の名前などがあって、その下に歌詞が書いてあると思います。
 


 
この歌詞、たとえば曲種がアレグリアスなら、アレグリアス用の歌詞だと思われた方も多いのではないでしょうか?
 
実は、その歌詞は、このCDではたまたまアレグリアスのメロディにのせて録音したと言うだけで、その歌詞自体がアレグリアス用の歌詞ということではないんです。
 


 
カンテはメロディが決まっていて新たに作曲することは許されない!アレンジ方法も曲種ごとに決まっている!というのは何度もお話ししているとおりです。
 
でも、歌詞に関してはほとんど決まりはなく、誰でも自由に作詞をしていいことになっています。
 


 
たとえばアレグリアスを歌う時に使う歌詞と一口に言っても、有名なものだけでも、たぶん100編以上はあるでしょう。
 
また、アレグリアスのメロディを歌う時に使われた歌詞が、ガロティンやブレリアなど他の曲種にも使われることもごく一般的なんですよ。
 


 
すでに頭の中が ??? でいっぱいになってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
 


 
実は、カンテのメロディと歌詞はセットになっているのではなく、それぞれ別々、独立しているんです。
 


 
歌い手は、なにかカンテを歌おうとする時に、どの歌詞を使って歌うのかをその都度決めるのが普通で、その時の観客や季節、会場などに合わせて歌詞を選びます。
 


 
たとえば、現在のようなコロナ禍では、コロナで亡くなった方を悼む歌詞や、健康や経済的な安定を祈ったり、一日も早くもとに戻ることを望む歌詞などが多く用いられています。
 
もちろん、コロナ禍に向けた歌詞は以前からあったわけではないですから、最近、新たに作詞されたものということになりますよね。
 


 
また、何か歌いたいことがあって作詞をする場合も、どのカンテにのせて歌うか決めて書くと言うより、いくつかあるカンテ用の歌詞の形式のどれかで書くことが多いんです。
 


 
<カンテ用の歌詞の形式>という言葉を初めて聞いた方も多いと思いますので、まずはそのあたりからご説明したいと思います。
 


 
カンテ用の歌詞の形式を理解するには、日本の俳句や短歌を思い浮かべるとわかりやすいですね。
 
たとえば俳句なら 575 短歌なら 57577 っていう形式をご存じだと思います。
 


 
この575の5というのは、日本語の場合<ひらがな>が5つってことだと思います。
 
最初がひらがなが5つの行、次は7つの行で、最後が5つの行、この3行で一遍の俳句が出来上がります。
 


 
では、スペイン語の場合はどうでしょうか?
 
スペイン語の場合、一番一般的なフラメンコの歌詞の形式は 8888 です。
1行が8の詩が4行でできているということですね。
 


 
ただスペイン語の場合、子音と母音がセットになってひとつの音を作るので、日本語のように<ひらがな>がいくつあるかではなくて、母音がいくつあるかで数えます。
(正確に言うと音節の数なんですが、ほぼ母音の数と一緒です。)
 


 
たとえば、Como esta? (意味は、元気ですか?)の場合、母音は o o e a の4つなので、これで4です。
 


 
そして、Como esta? Como esta? と2回つなげれば 母音が計8個になるので、これで1行分の8が完成です。
 
こうして、1行が母音8個分になるように数えながら詩を作って、4行になればカンテの歌詞1個完成となります。
 


 
ちなみに、8888 のように1行の母音の数が8個で、4行ある詩のことを4行詩8音節、スペイン語で 4 versos 8 silabas と言い、アレグリアス、ティエント、ソレア、ガロティン、ファルーカ、などなど、数多くのカンテに合う、一番一般的な歌詞の長さなんですよ。
 
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