コラム
カンテの基礎知識

 
147回 カンテを学ぶということー9

2021年3月7日アップ

前回はカンテのコンクールのお話しをしました。
 
カンテには正しいメロディと、曲種ごとのアレンジ方法があって、
コンクールではそれらがちゃんと出来ているかどうかを審査する、
という所までお話ししたと思います。
 
では、どうして正しいメロディをまもる必要があるのでしょうか?
もちろん、それはフラメンコというひとつの芸術、文化を守るために
どうしても必要なことなのですが、フラメンコ歴史にその秘密があるんです。
 
今回はそのあたりのお話しをしたいと思います。
 
1900年から1910年にかけて、カンテは多くの人に愛されるようになり、
カンテを聞かせるお店(今でいうライブハウスのような)も多くなりました。
 
当時、スペインの政治的情勢はそこまで安定していなかったですし、
経済的にもまだまだ不安定だったせいもあって、
カンテの流行は簡単にお金を稼ぎたい人にとっても、魅力的に映ったようです。
 
はい、日本で言う反社会的勢力の方々です。
 
実はこの時期、人気のフラメンコ歌手を自分の店に引き抜こうとして
トラブルになったり、店同士のもめごとは日常茶飯事で、
巻き込まれたフラメンコ歌手が、路上で暴行されたり殺害される事件が
何件も起こったんです。
 
そんな状況のなか、付け焼刃でカンテの真似事をして、
ちゃんと学んでいない自称フラメンコ歌手も増え、
流行がピークになるころには、質の悪い店も多くなっていきました。
 
カンテの質が下がり、反社会的な人が経営する店が増えてしまったので、
フラメンコの評判はどんどん下がって行ったのも自然なことだと思います。
 
そんなこんなもあって、最初のカンテブームは20年も持たなかったんです。
 
その後、あんなに人気のあったカンテがすっかり鳴りを潜めてしまったことを、
悲しく思っていた人達がはじめたのがカンテコンクール。
 
有名なグラナダで行われた初のカンテコンクール(1922年)も、
そんな動機からはじまったと言われています。
 
そこで行われた審査が、正しいカンテのメロディで歌うことが出来るかどうか。
すっかり落ちてしまったフラメンコ歌手のレベルを、
本来のものに戻す為に行われたんですね。
 
このコンクールでで選ばれた若きフラメンコ歌手達は、その後、修行を重ね、
新たに劇場で歌うフラメンコ歌手として活動を開始することになります。
 
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前回はカンテのコンクールのお話しをしました。
 
カンテには正しいメロディと、曲種ごとのアレンジ方法があって、コンクールではそれらがちゃんと出来ているかどうかを審査する、という所までお話ししたと思います。
 


 
では、どうして正しいメロディをまもる必要があるのでしょうか?
 
もちろん、それはフラメンコというひとつの芸術、文化を守るためにどうしても必要なことなのですが、フラメンコ歴史にその秘密があるんです。
 
今回はそのあたりのお話しをしたいと思います。
 


 
1900年から1910年にかけて、カンテは多くの人に愛されるようになり、カンテを聞かせるお店(今でいうライブハウスのような)も多くなりました。
 


 
当時、スペインの政治的情勢はそこまで安定していなかったですし、経済的にもまだまだ不安定だったせいもあって、カンテの流行は簡単にお金を稼ぎたい人にとっても、魅力的に映ったようです。
 
はい、日本で言う反社会的勢力の方々です。
 


 
実はこの時期、人気のフラメンコ歌手を自分の店に引き抜こうとしてトラブルになったり、店同士のもめごとは日常茶飯事で、巻き込まれたフラメンコ歌手が、路上で暴行されたり殺害される事件が何件も起こったんです。
 


 
そんな状況のなか、付け焼刃でカンテの真似事をして、ちゃんと学んでいない自称フラメンコ歌手も増え、流行がピークになるころには、質の悪い店も多くなっていきました。
 


 
カンテの質が下がり、反社会的な人が経営する店が増えてしまったので、フラメンコの評判はどんどん下がって行ったのも自然なことだと思います。
 
そんなこんなもあって、最初のカンテブームは20年も持たなかったんです。
 


 
その後、あんなに人気のあったカンテがすっかり鳴りを潜めてしまったことを、悲しく思っていた人達がはじめたのがカンテコンクール。
 
有名なグラナダで行われた初のカンテコンクール(1922年)も、そんな動機からはじまったと言われています。
 


 
そこで行われた審査が、正しいカンテのメロディで歌うことが出来るかどうか。
すっかり落ちてしまったフラメンコ歌手のレベルを、本来のものに戻す為に行われたんですね。
 


 
このコンクールでで選ばれた若きフラメンコ歌手達は、その後、修行を重ね、新たに劇場で歌うフラメンコ歌手として活動を開始することになります。
 
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カンテデンランヒータ
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