コラム
カンテの基礎知識
145回 カンテを学ぶということー7
前回はカンテの師匠に巡り合う方法をご紹介しました。
では、どんな師匠がよい師匠と言えるのかについて、
お話しを進めたいと思います。
カンテの勉強をする為に、絶対に必要なのがカンテの師匠なんですが、
どうしてカンテが独学ではだめなのについて、まずはお話ししたいと思います。
まず押さえて頂きたい大切なことがあります。
それは、各カンテには決まった基本のメロディというものがあるということ。
CDなどに収録されているカンテは、
その基本メロディに様々なアレンジを加えたもので、
もともとの決まったメロディそのままということはありません。
ですので、この基本のメロディをちゃんと知っていて、
きちんと教える事が出来る人が、よい師匠の最初の条件となります。
どんなにカンテが上手でも、自分流にアレンジしたカンテを教える人は、
残念ながら、一流の師匠と呼ばれることはありません。
では、どうして基本のメロディを知っている必要があるのでしょうか?
これは、フラメンコの基本的な考え方なんですが、
誰かのモノマネをすることは、フラメンコではとても恥ずかしいこと、
残念なことなんです。
たとえどんなに稚拙でも、あくまでも自分らしく歌い、踊り、演奏する。
その自分らしさであること自体を評価するのがフラメンコです。
もちろんオリジナリティが素晴らしくなければ、プロになることはできません。
でも、たとえアマチュアだとしても、自分らしい表現を追求し、
誰のマネでもないオリジナルであることは、フラメンコを愛する者として、
一番大事にしている部分で、誰かの素晴らしい作品をまねをすることより、
ずっと尊いことだと思われているんですよ。
ただ、そのオリジナリティと言うのが、
バイレやギターの場合は、完全に本人の自由でも構わないのとちがって、
カンテは好き勝手に歌っていいと言う訳ではないのが難しい所。
というのも、バイレの振り付けやギターには、こうでなければならないという、
正しい振り付けや正しいコード進行のようなものは一切存在しないんです。
リズムさえはずさなければ、どう踊ろうと、どう弾こうとほんとうに自由。
でも、カンテには、正しい基本のメロディって言うのがあるんですよね。
なので、カンテを学ぶ場合は、
まずカンテの先生から正しい基本のメロディを教わって、
それに対してアレンジを加えて、自分らしい表現を探して行くことになります。
そして、実は、アレンジ方法も各曲種ごとに決まりと言うものが存在するので、
これも先生につかないとわからない部分なんです。
ところで、基本のメロディなんて譜面を見ればいいって思った方も
いらっしゃるかもしれませんね。
でも、カンテには譜面は存在しません。
というのも、カンテのメロディは西洋音楽式の五線紙には、書けないから。
たとえば、邦楽に詳しい方はご存じだと思いますが、
邦楽の唄も五線紙に書くことはありません。
邦楽独特の譜面にかわるような記述方法もあるのですが、
それだけで学ぶことは不可能で、やはり修得にはお師匠さんが必要になります。
カンテの場合も、
邦楽のようにピアノで弾くことが出来ない微妙な音程を多用する事と、
音程とリズムの関係が固定ではないことなどもあって、
譜面にすることは不可能なんです。
そのせいもあって、カンテを学ぶには、
基本のメロディを丁寧に教えてくれる先生がまず必要です。
もちろん、ちゃんとメロディを覚えられているかどうかを、
先生に確認しないといけないですしね。
(自分ではちゃんと覚えられているつもりでも、
なかなかそうはいかないのがカンテです。)
そして、基本のメロディを習得したら、自分独自のアレンジ
加えて行くのですが、
そのアレンジが、各曲種の決まりをまもれているのかどうかを、
ちゃんとわかっている人に判断して貰う必要もあります。
つまり、正しくメロディを憶えられているかどうかを確認してもらうため、
アレンジの方法がその曲種にあっているかどうかを確認してもらうためにも、
カンテの先生は絶対に必要になるんです。
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前回はカンテの師匠に巡り合う方法をご紹介しました。
では、どんな師匠がよい師匠と言えるのかについて、お話しを進めたいと思います。
カンテの勉強をする為に、絶対に必要なのがカンテの師匠なんですが、どうしてカンテが独学ではだめなのについて、まずはお話ししたいと思います。
まず押さえて頂きたい大切なことがあります。
それは、各カンテには決まった基本のメロディというものがあるということ。
CDなどに収録されているカンテは、その基本メロディに様々なアレンジを加えたもので、もともとの決まったメロディそのままということはありません。
ですので、この基本のメロディをちゃんと知っていて、きちんと教える事が出来る人が、よい師匠の最初の条件となります。
どんなにカンテが上手でも、自分流にアレンジしたカンテを教える人は、残念ながら、一流の師匠と呼ばれることはありません。
では、どうして基本のメロディを知っている必要があるのでしょうか?
これは、フラメンコの基本的な考え方なんですが、誰かのモノマネをすることは、フラメンコではとても恥ずかしいこと、残念なことなんです。
たとえどんなに稚拙でも、あくまでも自分らしく歌い、踊り、演奏する。
その自分らしさであること自体を評価するのがフラメンコです。
もちろんオリジナリティが素晴らしくなければ、プロになることはできません。
でも、たとえアマチュアだとしても、自分らしい表現を追求し、誰のマネでもないオリジナルであることは、フラメンコを愛する者として、一番大事にしている部分で、誰かの素晴らしい作品をまねをすることより、ずっと尊いことだと思われているんですよ。
ただ、そのオリジナリティと言うのが、バイレやギターの場合は、完全に本人の自由でも構わないのとちがって、カンテは好き勝手に歌っていいと言う訳ではないのが難しい所。
というのも、バイレの振り付けやギターには、こうでなければならないという、正しい振り付けや正しいコード進行のようなものは一切存在しないんです。
リズムさえはずさなければ、どう踊ろうと、どう弾こうとほんとうに自由。
でも、カンテには、正しい基本のメロディって言うのがあるんですよね。
なので、カンテを学ぶ場合は、まずカンテの先生から正しい基本のメロディを教わって、それに対してアレンジを加えて、自分らしい表現を探して行くことになります。
そして、実は、アレンジ方法も各曲種ごとに決まりと言うものが存在するので、これも先生につかないとわからない部分なんです。
ところで、基本のメロディなんて譜面を見ればいいって思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、カンテには譜面は存在しません。というのも、カンテのメロディは西洋音楽式の五線紙には、書けないから。
たとえば、邦楽に詳しい方はご存じだと思いますが、邦楽の唄も五線紙に書くことはありません。
邦楽独特の譜面にかわるような記述方法もあるのですが、それだけで学ぶことは不可能で、やはり修得にはお師匠さんが必要になります。
カンテの場合も、邦楽のようにピアノで弾くことが出来ない微妙な音程を多用する事と、音程とリズムの関係が固定ではないことなどもあって、譜面にすることは不可能なんです。
そのせいもあって、カンテを学ぶには、基本のメロディを丁寧に教えてくれる先生がまず必要です。
もちろん、ちゃんとメロディを覚えられているかどうかを、先生に確認しないといけないですしね。(自分ではちゃんと覚えられているつもりでも、なかなかそうはいかないのがカンテです。)
そして、基本のメロディを習得したら、自分独自のアレンジ加えて行くのですが、そのアレンジが、各曲種の決まりをまもれているのかどうかを、ちゃんとわかっている人に判断して貰う必要もあります。
つまり、正しくメロディを憶えられているかどうかを確認してもらうため、アレンジの方法がその曲種にあっているかどうかを確認してもらうためにも、カンテの先生は絶対に必要になるんです。
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