コラム
カンテの基礎知識
142回 カンテを学ぶということー4
どこの国でも、どんな音楽ジャンルでも同じだと思いますが、
歌好きの子どもは、まずはテレビやラジオなどでそのジャンルに出会います。
そして興味を持ったら、お気に入りの歌手の歌の録音を撮って、
何度も聞いて覚えては、真似して歌うようになるでしょう。
今の子ども達なら、YOUTUBEなどでいろいろ聞いて、
多くの歌手やレパートリーに出会うこともたやすいと思います。
そうやって真似して歌っているうちに、なんとか自分らしく歌いたいと思って、
自分のオリジナリティを求めて練習をし始めるのがその次の段階ですね。
フラメンコ以外のジャンルの音楽の場合、
特にレパートリーに限りがある訳ではないので、
適当に好きな曲を選んでコピーバンドを始めたり、
場合によっては、自分のオリジナルの曲を作ったりして、
音楽活動は進んでいくでしょう。
ただ、私たちが愛するカンテは、そうは行かないんですよね。
ただただ自由に歌えばいい、オリジナルを作ってもいい、、、
もしそうだったら、ずっと楽なのかもしれません。
でも、そうじゃないからこそ、レパートリーひとつひとつの
完成度が素晴らしいのがカンテなんです。
こちらのコラムにも何度も書いているように、
カンテはレパートリーが限定され、新たな作曲を認めないジャンルです。
そのかわり、フラメンコのカンテと認定されている曲は、
どれも素晴らしい完成度だし、音楽性のとても高い歌ばかり。
それで、そういう制約があるからこそ、
やみくもに自由に歌えばいいってわけではない分、
前回のコラムに書いたように、知識を持った人にサポートして貰う
必要があるんです。
前回のコラムでご紹介したとおり、
フラメンコに詳しい人には、以下の3つのタイプがあります。
1)ひとつはフラメンコの歴史、分類学など、一般的に言う知識。
2)もうひとつはフラメンコの世界がどう成り立っているかに詳しいということ
3)最後に、カンテのメロディをどれだけ正しく知っていて、
教えられるかということ。
前回のコラムで(1)をご紹介したので、
今日は(2)のお話しをしたいと思います。
歌が好き、カンテが好きで、勝手に歌手のマネをして歌っていた子供が、
将来プロのフラメンコ歌手を夢見たとき、必要になるのが
(2)のフラメンコの世界がどう成り立っているのかに詳しい人です。
つまり、プロのフラメンコ歌手になるには、
どうやって進んで行ったらいいかを、
具体的にアドバイスできる人って事になります。
(2)の人に出会うのも、多くの場合は老舗ペーニャになるでしょう。
(2)の人からのアドバイスは、どのカンテをまず学ぶべきかから始まって、
歌えるカンテが増えたら、どの場所で歌うべきかを教えてくれたり、
場合によっては歌える場所を準備したり、紹介してくれたりもします。
そうやって経験を積みながら、
いいタイミングでコンクールに出る事を薦めてくれるでしょうし、
必要なカンテの先生を紹介してくれたりもするでしょう。
ご存じの方も多いと思いますが、
スペインは基本的にコネや紹介が必要な社会です。
一流のカンテの先生に師事したいと思っても、
それなりの紹介者がいなければ教わることはできません。
でも、コネや知り合いが全くいない場合でも、コンクールに出る事で、
バックアップしてくれる人に出会うことも可能です。
コンクールに出る理由の一番大きいのが、
この人脈つくりだといっても過言ではないでしょう。
大手、老舗ペーニャの若者専用、新人用のコンクールに出場して、
優秀な成績を収めることが出来れば、ペーニャ自体がアドバイザーになって、
全面的にバックアップをしてくれることも可能です。
私が通っていたセビリアのクリスチーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学院も、
優秀な成績の生徒をあつめたライブを企画して、マスコミを呼んで取材させ、
テレビなどに流すことで、その生徒のチャンスを作ったりもしてくれます。
そうやってさまざまな活動をしながら、サポートをしてくれる人々に出会い、
コンクールで勝ち、仕事を得て行くのが、フラメンコの世界なんです。
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どこの国でも、どんな音楽ジャンルでも同じだと思いますが、歌好きの子どもは、まずはテレビやラジオなどでそのジャンルに出会います。
そして興味を持ったら、お気に入りの歌手の歌の録音を撮って、何度も聞いて覚えては、真似して歌うようになるでしょう。
今の子ども達なら、YOUTUBEなどでいろいろ聞いて、多くの歌手やレパートリーに出会うこともたやすいと思います。
そうやって真似して歌っているうちに、なんとか自分らしく歌いたいと思って、自分のオリジナリティを求めて練習をし始めるのがその次の段階ですね。
フラメンコ以外のジャンルの音楽の場合、特にレパートリーに限りがある訳ではないので、適当に好きな曲を選んでコピーバンドを始めたり、場合によっては、自分のオリジナルの曲を作ったりして、音楽活動は進んでいくでしょう。
ただ、私たちが愛するカンテは、そうは行かないんですよね。
ただただ自由に歌えばいい、オリジナルを作ってもいい、、、
もしそうだったら、ずっと楽なのかもしれません。
でも、そうじゃないからこそ、レパートリーひとつひとつの完成度が素晴らしいのがカンテなんです。
こちらのコラムにも何度も書いているように、カンテはレパートリーが限定され、新たな作曲を認めないジャンルです。
そのかわり、フラメンコのカンテと認定されている曲は、どれも素晴らしい完成度だし、音楽性のとても高い歌ばかり。
それで、そういう制約があるからこそ、やみくもに自由に歌えばいいってわけではない分、前回のコラムに書いたように、知識を持った人にサポートして貰う必要があるんです。
前回のコラムでご紹介したとおり、フラメンコに詳しい人には、以下の3つのタイプがあります。
1)ひとつはフラメンコの歴史、分類学など、一般的に言う知識。
2)もうひとつはフラメンコの世界がどう成り立っているかに詳しいということ
3)最後に、カンテのメロディをどれだけ正しく知っていて、
教えられるかということ。
前回のコラムで(1)をご紹介したので、今日は(2)のお話しをしたいと思います。
歌が好き、カンテが好きで、勝手に歌手のマネをして歌っていた子供が、将来プロのフラメンコ歌手を夢見たとき、必要になるのが(2)のフラメンコの世界がどう成り立っているのかに詳しい人です。
つまり、プロのフラメンコ歌手になるには、どうやって進んで行ったらいいかを、具体的にアドバイスできる人って事になります。
(2)の人に出会うのも、多くの場合は老舗ペーニャになるでしょう。
(2)の人からのアドバイスは、どのカンテをまず学ぶべきかから始まって、歌えるカンテが増えたら、どの場所で歌うべきかを教えてくれたり、場合によっては歌える場所を準備したり、紹介してくれたりもします。
そうやって経験を積みながら、いいタイミングでコンクールに出る事を薦めてくれるでしょうし、必要なカンテの先生を紹介してくれたりもするでしょう。
ご存じの方も多いと思いますが、スペインは基本的にコネや紹介が必要な社会です。
一流のカンテの先生に師事したいと思っても、それなりの紹介者がいなければ教わることはできません。
でも、コネや知り合いが全くいない場合でも、コンクールに出る事で、バックアップしてくれる人に出会うことも可能です。
コンクールに出る理由の一番大きいのが、この人脈つくりだといっても過言ではないでしょう。
大手、老舗ペーニャの若者専用、新人用のコンクールに出場して、優秀な成績を収めることが出来れば、ペーニャ自体がアドバイザーになって、全面的にバックアップをしてくれることも可能です。
私が通っていたセビリアのクリスチーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学院も、優秀な成績の生徒をあつめたライブを企画して、マスコミを呼んで取材させ、テレビなどに流すことで、その生徒のチャンスを作ったりもしてくれます。
そうやってさまざまな活動をしながら、サポートをしてくれる人々に出会い、
コンクールで勝ち、仕事を得て行くのが、フラメンコの世界なんです。
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