コラム
カンテの基礎知識

 
141回 カンテを学ぶということー3

2021年1月17日アップ

さて、スペインの若い(幼い)カンテ練習生が、
どうやってカンテ勉強を始めるのかについての、お話しの続きです。
 
前回のコラムでお話ししたように、
カンテに興味を持って、カンテを学び始める時、
一般的にフラメンコに詳しい人に助けてもらいながら勉強を進めて行きます。
 
ただ、カンテに詳しい人って、実はスペインでもそんなに多くはないんです。
 
では、今日はなにを持ってカンテに詳しいと言うのかについて、
お話ししたいと思います。
 
カンテに詳しいということには、3つの側面があります。
1)ひとつはフラメンコの歴史、分類学など、一般的に言う知識。
2)もうひとつは、フラメンコの世界がどう成り立っているかに詳しいこと。
3)最後に、カンテのメロディをどれだけ正しく知っていて、
 教えられるかということ。
以上の3つのどれが欠けても、カンテ修行は進みません。
 
では、まず(1)のフラメンコの知識についてお話ししたいと思います。
 
スペインのフラメンコ愛好会(ペーニャ)に行くと、必ずあるのが本棚です。
そこには、フラメンコの理論の本が沢山収納されていて、
会員に貸し出すようになっています。
 
一口にフラメンコ理論の本と言っても色々あるのですが、
今も、だいたい毎年10冊くらいの新刊が発行されているんですよ。
 
一番多くの本を発行しているのが、
セビージャ大学のフラメンコ学科の先生や院生など、
これは俗に言う学術論文ですね。
そして、アンダルシア政府の文化庁フラメンコ課関連、
アントニオ・チャコン財団やフラメンコ文筆家協会などの団体が続きます。
もちろん、観光客向けのカラフルなムック本もありますよ。
 
セビージャ大学のフラメンコ学科と、
アンダルシア政府のフラメンコ課は密に関係を持っていて、
セビージャ大出身のフラメンコ課職員もいますし、
アンダルシア政府がフラメンコ理論に関する見解を発表するときには、
セビージャ大の教授たちにも意見を求めているそうです。
 
実は、私のフラメンコ芸術学院時代の同級生(彼はギター課)が、
現在アンダルシア政府のフラメンコ課に勤めていて、
主にペーニャを回っては講習会を行って、
正しいフラメンコの知識の普及に努めています。
 
先ほど出てきた、アンダルシア政府としてのフラメンコの見解というのは、
本の出版のみならず、このペーニャの講習会で説明する内容にもなっていて、
スペイン中のペーニャのフラメンコに関する見解の統一を計っているんです。
 
もちろん、私が卒業しフラメンコ理論の先生の資格を頂いたフラメンコ芸術院も
このアンダルシア政府の見解にそって、生徒たちに理論を教えているんですよ。
 
はい、私が日本でお教えしているフラメンコ理論も、そうなんです。
 
時々、持論を展開し、、、、なんて言われちゃうことがあるんですけど、
そんなことは一切なくて、私がお教えする事もネットに書いていることも、
すべてはアンダルシア政府の見解をもとにしていますので、ご安心ください。
 
さて、お話しを本に戻してっと、
スペインには本を出版するとき、本のプロモーションもかねて、
本の内容の講演会を行ったり、その場で質疑応答をしたりする習慣があります。
 
もちろんフラメンコ理論の本を出版する際にも開かれるので、
フラメンコ理論に興味のある人は、出版関連の講演会に通って質問をしたり、
実際の著作者とも交流を持って、フラメンコの知識を広げています。
(私もスペインにいる時は必ず顔を出すようにしているんですが、
 大手ペーニャの役員さんや、フラメンコ課の大学生など
 お馴染みのメンバーに出会えます。)
 
つまり、スペインでフラメンコ理論に詳しい人というのは、
毎年発売されるフラメンコ理論関連の本を熟読していて、
それについて様々な人と話しをする機会を持っていて、
アンダルシア政府の最新の見解も十分に理解している人ということになります。
 
毎年発表される新しいフラメンコに関する学説が、
その何年後かにアンダルシア政府に採用され、
スペインのフラメンコ関係者の常識になることもよくあること。
 
フラメンコ理論はまだまだ新しい学問なので、
全てが完全に固まっている訳ではなく、研究途中の分野も多く残されています。
 
そういう新しい発見を知って知識がバージョンアップされるのも、
フラメンコ理論を学ぶ楽しさなんです。
 
 
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さて、スペインの若い(幼い)カンテ練習生が、どうやってカンテ勉強を始めるのかについての、お話しの続きです。
 


 
前回のコラムでお話ししたように、カンテに興味を持って、カンテを学び始める時、一般的にフラメンコに詳しい人に助けてもらいながら勉強を進めて行きます。
 


 
ただ、カンテに詳しい人って、実はスペインでもそんなに多くはないんです。
 
では、今日はなにを持ってカンテに詳しいと言うのかについて、お話ししたいと思います。
 


 
カンテに詳しいということには、3つの側面があります。
1)ひとつはフラメンコの歴史、分類学など、一般的に言う知識。
2)もうひとつは、フラメンコの世界がどう成り立っているかに詳しいこと。
3)最後に、カンテのメロディをどれだけ正しく知っていて、
 教えられるかということ。
以上の3つのどれが欠けても、カンテ修行は進みません。
 


 
では、まず(1)のフラメンコの知識についてお話ししたいと思います。
 
スペインのフラメンコ愛好会(ペーニャ)に行くと、必ずあるのが本棚です。そこには、フラメンコの理論の本が沢山収納されていて、会員に貸し出すようになっています。
 


 
一口にフラメンコ理論の本と言っても色々あるのですが、今も、だいたい毎年10冊くらいの新刊が発行されているんですよ。
 


 
一番多くの本を発行しているのが、セビージャ大学のフラメンコ学科の先生や院生など、これは俗に言う学術論文ですね。
 
そして、アンダルシア政府の文化庁フラメンコ課関連、アントニオ・チャコン財団やフラメンコ文筆家協会などの団体が続きます。
 
もちろん、観光客向けのカラフルなムック本もありますよ。
 


 
セビージャ大学のフラメンコ学科と、アンダルシア政府のフラメンコ課は密に関係を持っていて、セビージャ大出身のフラメンコ課職員もいますし、アンダルシア政府がフラメンコ理論に関する見解を発表するときには、セビージャ大の教授たちにも意見を求めているそうです。
 


 
実は、私のフラメンコ芸術学院時代の同級生(彼はギター課)が、現在アンダルシア政府のフラメンコ課に勤めていて、主にペーニャを回っては講習会を行って、正しいフラメンコの知識の普及に努めています。
 


 
先ほど出てきた、アンダルシア政府としてのフラメンコの見解というのは、本の出版のみならず、このペーニャの講習会で説明する内容にもなっていて、スペイン中のペーニャのフラメンコに関する見解の統一を計っているんです。
 


 
もちろん、私が卒業しフラメンコ理論の先生の資格を頂いたフラメンコ芸術院もこのアンダルシア政府の見解にそって、生徒たちに理論を教えているんですよ。
 


 
はい、私が日本でお教えしているフラメンコ理論も、そうなんです。
 
時々、持論を展開し、、、、なんて言われちゃうことがあるんですけど、そんなことは一切なくて、私がお教えする事もネットに書いていることも、すべてはアンダルシア政府の見解をもとにしていますので、ご安心ください。
 


 
さて、お話しを本に戻してっと、スペインには本を出版するとき、本のプロモーションもかねて、本の内容の講演会を行ったり、その場で質疑応答をしたりする習慣があります。
 


 
もちろんフラメンコ理論の本を出版する際にも開かれるので、フラメンコ理論に興味のある人は、出版関連の講演会に通って質問をしたり、実際の著作者とも交流を持って、フラメンコの知識を広げています。
(私もスペインにいる時は必ず顔を出すようにしているんですが、大手ペーニャの役員さんや、フラメンコ課の大学生などお馴染みのメンバーに出会えます。)
 


 
つまり、スペインでフラメンコ理論に詳しい人というのは、毎年発売されるフラメンコ理論関連の本を熟読していて、それについて様々な人と話しをする機会を持っていて、アンダルシア政府の最新の見解も十分に理解している人ということになります。
 


 
毎年発表される新しいフラメンコに関する学説が、その何年後かにアンダルシア政府に採用され、スペインのフラメンコ関係者の常識になることもよくあること。
 


 
フラメンコ理論はまだまだ新しい学問なので、全てが完全に固まっている訳ではなく、研究途中の分野も多く残されています。
 
そういう新しい発見を知って知識がバージョンアップされるのも、フラメンコ理論を学ぶ楽しさなんです。
 
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