コラム
カンテの基礎知識
140回 カンテを学ぶということー2
フラメンコファンのみなさんは、前回のコラムを読んで、
たった60のレパートリーという言い方に違和感を感じたかもしれませんね。
でも、これは紛れもない事実です。
現在はフラメンコファンになっているみなさんも、
今までに他のジャンルの音楽を聞いてきたと思います。
他のジャンルのコンサート、CDアルバムなどで、フラメンコのように、
レパートリーがどの歌手も一緒なことはあったでしょうか?
今日はその60というのは、具体的にどう考えたらいいかについて、
お話しを進めたいと思います。
みなさんがよく知っているフラメンコのカンテ、
たとえば、アレグリアス、ソレア、シギリージャなど、
これらをそれぞれ<1>と数えて、全部で60ほど、
それがフラメンコのレパートリーの全てです。
でも、この<1>は、一般的な音楽の1曲とは少し違います。
というのも、たとえば、その<1>と数えるアレグリアスにも、
全部でメロディが7つもあるからなんです。
フラメンコ歌手がアレグリアスを歌う場合、この7つのメロディのどれか、
またはいくつかを組み合わせて歌うことになります。
つまり、CDなどでアレグリアスと書いてある曲があったときも、
その7つのメロディのどれかが入っていることになるんです。
ですが、7つのアレグリアスのメロディのどれかだけで、
1曲全部が構成されている訳じゃないのが、困った所なんです。
どういうことかというと、CDに入っているアレグリアスと書いてある曲は、
1曲の最初から最後まですべてがアレグリアスのメロディとは限らなくて、
アレグリアス以外のフラメンコのメロディが混じっていることもありますし、
フラメンコ以外の全く関係のないメロディが入っていることもある
ということなんです。
ここまで読んだだけで、
すでに頭がこんがらがってきた方もいらっしゃるかもしれませんね。
文章で表現するのがへたで本当にすみません。
でも、カンテを理解するにはどうしても必要なことなので、
もうちょっとだけお付き合いくださいね。
さて、お話しを戻してっと・・・
カンテに興味を持って、学んでみようと思った時、
普通最初にすることは、フラメンコのCDを買ってみることだと思います。
それで、そのCDを何度か聞いてみるのですが、
CDを聞くだけではなかなか自習は進まないんですよね。
実は、カンテの自習をする時、最初に立ちはだかる壁が、
この買ってきたフラメンコのCDに入っている曲が、
すべてフラメンコとは限らない問題なんです。
最初から丸々1曲フラメンコじゃない曲もありますし、
上の例のように、フラメンコのメロディとそうではないメロディが
混ざっていることもあります。
スペインでカンテの勉強をする時も一緒で、
カンテ初心者は、たとえスペイン人でも、CDに入っている曲が、
フラメンコかどうかを区別することは出来ません。
それで、スペイン人もカンテ勉強を始める時は、
まずどのメロディがフラメンコで、どのメロディがそうでないかを分けて、
どのメロディを学べばいいのかを知ることから始めることになります。
スペイン人の場合、多くはもともとフラメンコのファンな家族や親せき、
家の近所のペーニャの会員や、フラメンコに詳しい知り合いなどに、
基礎的なことを教わって、どの曲から自習をするか決めるようです。
そして自習である程度歌えるようになってくると、
ペーニャの集まりなどで、ちょこっとずつ歌を披露して、
周りの人達からのアドバイスを貰いながら練習を進めることになります。
大きい老舗のペーニャの場合、
どれがフラメンコのメロディなのかを詳しく知っている人がいたり、
カンテの勉強法に詳しい人がいたりと、
勉強を進めるのに必要な知識を得られます。
また、フラメンコアーティストとのパイプもあるので、
カンテの先生を紹介して貰えたりもするので、
フラメンコ歌手を目指す人の多くは、
わざわざ遠くの老舗ペーニャの会員になったりもするんです。
スペインの若いカンテ練習生の多くは、
ペーニャの物知りな大ベテランのフラメンコファンの人を
アドバイザーに持って、その方のアドバイスで指導者を決め、学びを進め、
コンクールなどに出て行くようになるようです。
もちろん、ペーニャ自体も全面的にバックアップするので、
ペーニャのイベントなどにも出演させて、
経験を積ませるようにサポートを行います。
実は、ベテランフラメンコファンの一番の喜びが、
この若いフラメンコ歌手を育てるという事。
ペーニャ自体も、プロのフラメンコ歌手の出身ペーニャであることが
大きな誇りとなるので、知り合いに歌好きの子どもがいると聞けば、
スカウトしたりもするんですよ。
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フラメンコファンのみなさんは、前回のコラムを読んで、たった60のレパートリーという言い方に違和感を感じたかもしれませんね。
でも、これは紛れもない事実です。
現在はフラメンコファンになっているみなさんも、今までに他のジャンルの音楽を聞いてきたと思います。
他のジャンルのコンサート、CDアルバムなどで、フラメンコのように、レパートリーがどの歌手も一緒なことはあったでしょうか?
今日はその60というのは、具体的にどう考えたらいいかについて、お話しを進めたいと思います。
みなさんがよく知っているフラメンコのカンテ、たとえば、アレグリアス、ソレア、シギリージャなど、これらをそれぞれ<1>と数えて、全部で60ほど、それがフラメンコのレパートリーの全てです。
でも、この<1>は、一般的な音楽の1曲とは少し違います。
というのも、たとえば、その<1>と数えるアレグリアスにも、全部でメロディが7つもあるからなんです。
フラメンコ歌手がアレグリアスを歌う場合、この7つのメロディのどれか、またはいくつかを組み合わせて歌うことになります。
つまり、CDなどでアレグリアスと書いてある曲があったときも、その7つのメロディのどれかが入っていることになるんです。
ですが、7つのアレグリアスのメロディのどれかだけで、1曲全部が構成されている訳じゃないのが、困った所なんです。
どういうことかというと、CDに入っているアレグリアスと書いてある曲は、1曲の最初から最後まですべてがアレグリアスのメロディとは限らなくて、アレグリアス以外のフラメンコのメロディが混じっていることもありますし、フラメンコ以外の全く関係のないメロディが入っていることもあるということ。
ここまで読んだだけで、すでに頭がこんがらがってきた方もいらっしゃるかもしれませんね。
文章で表現するのがへたで本当にすみません。
でも、カンテを理解するにはどうしても必要なことなので、もうちょっとだけお付き合いくださいね。
さて、お話しを戻してっと・・・
カンテに興味を持って、学んでみようと思った時、普通最初にすることは、フラメンコのCDを買ってみることだと思います。
それで、そのCDを何度か聞いてみるのですが、CDを聞くだけではなかなか自習は進まないんですよね。
実は、カンテの自習をする時、最初に立ちはだかる壁が、この買ってきたフラメンコのCDに入っている曲が、すべてフラメンコとは限らない問題なんです。
最初から丸々1曲フラメンコじゃない曲もありますし、上の例のように、フラメンコのメロディとそうではないメロディが混ざっていることもあります。
スペインでカンテの勉強をする時も一緒で、カンテ初心者は、たとえスペイン人でも、CDに入っている曲が、フラメンコかどうかを区別することは出来ません。
それで、スペイン人もカンテ勉強を始める時は、まずどのメロディがフラメンコで、どのメロディがそうでないかを分けて、どのメロディを学べばいいのかを知ることから始めることになります。
スペイン人の場合、多くはもともとフラメンコのファンな家族や親せき、家の近所のペーニャの会員や、フラメンコに詳しい知り合いなどに、基礎的なことを教わって、どの曲から自習をするか決めるようです。
そして自習である程度歌えるようになってくると、ペーニャの集まりなどで、ちょこっとずつ歌を披露して、周りの人達からのアドバイスを貰いながら練習を進めることになります。
大きい老舗のペーニャの場合、どれがフラメンコのメロディなのかを詳しく知っている人がいたり、カンテの勉強法に詳しい人がいたりと、勉強を進めるのに必要な知識を得られます。
また、フラメンコアーティストとのパイプもあるので、カンテの先生を紹介して貰えたりもするので、フラメンコ歌手を目指す人の多くは、わざわざ遠くの老舗ペーニャの会員になったりもするんです。
スペインの若いカンテ練習生の多くは、ペーニャの物知りな大ベテランのフラメンコファンの人をアドバイザーに持って、その方のアドバイスで指導者を決め、学びを進め、コンクールなどに出て行くようになるようです。
もちろん、ペーニャ自体も全面的にバックアップするので、ペーニャのイベントなどにも出演させて、経験を積ませるようにサポートを行います。
実は、ベテランフラメンコファンの一番の喜びが、この若いフラメンコ歌手を育てるという事。
ペーニャ自体も、プロのフラメンコ歌手の出身ペーニャであることが大きな誇りとなるので、知り合いに歌好きの子どもがいると聞けば、スカウトしたりもするんですよ。
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