コラム
カンテの基礎知識
各パロ(曲種)ごとの表現(21)マリアーナ
今回の各パロごとの表現は、マリアーナです。
少し前まではあまり知られていなかったパロなんですが、
2019年あたりからスペインでも流行して、よく歌われるようになりました。
マリアーナは曲種群で言うとティエントに含まれます。
リズムもティエントと一緒で、ゆっくりとした2拍子で、
もちろん、マリアーナ独自のメロディがあります。
日本人には歌謡曲っぽいメロディと感じるかもしれませんね。
ただ、マリアーナは日本に歌謡曲が生まれるずっと前、
1920年にはもう歌われていたという記録がありますので、
マリアーナの方がルーツだと言えると思います。
マリアーナの一番の特徴は、メロディがとっても長くて、ひとつしかないこと。
そして、閉めのタンゴまでちゃんとセットになっていること。
ティエントはメロディが7つあって、歌い手がそれぞれ自由に組み合わせて、
最後のタンゴも数多くあるタンゴから好きなタンゴを選んで、
自由につけることが出来ます。
でも、マリアーナはすべてがセットになった状態なので、
歌い手の自由度はとっても低く、曲の構成自体は変えることはできないので、
歌詞を自由に選べる、スピードを自由に決められるくらいしか、
歌い手の個性を出すことはできません。
このようにセットになったカンテを、カンテ・コンプレートと言います。
フラメンコの<カンテ>自体が生まれたのは1890年~1920年頃なんですが、
カンテ・コンプレートはその最後の段階(1910年以降)で生まれた、
ある意味、カンテの集大成ともいえるパロです。
でも、自由度が低い分、マリアーナが生まれた当時も、
フラメンコ歌手に歌われることはあまり多くはなかったようで、
そのまま、埋もれたカンテになってしまっていました。
ところが、昨今のカンテ復刻ブームに乗って、
にわかに歌われるようになったようです。
また、以前は一切踊られることもなかったのですが、
今回の復刻ブームで、踊りがつくこともまれにあるようで、
歌詞全体が1つの大きなストーリーになっているので、
踊りもそのストーリーにのっとった振りが使われ、
なかなかドラマチックになるので、人気があるようですね。
マリアーナの踊りを見たら、カンテを聞いたら、
以上のような特徴を思い出してください。
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今回の各パロごとの表現は、マリアーナです。
少し前まではあまり知られていなかったパロなんですが、2019年あたりからスペインでも流行して、よく歌われるようになりました。
マリアーナは曲種群で言うとティエントに含まれます。リズムもティエントと一緒で、ゆっくりとした2拍子で、もちろん、マリアーナ独自のメロディがあります。
日本人には歌謡曲っぽいメロディと感じるかもしれませんね。
ただ、マリアーナは日本に歌謡曲が生まれるずっと前、1920年にはもう歌われていたという記録がありますので、マリアーナの方がルーツだと言えると思います。
マリアーナの一番の特徴は、メロディがとっても長くて、ひとつしかないこと。
そして、閉めのタンゴまでちゃんとセットになっていること。
ティエントはメロディが7つあって、歌い手がそれぞれ自由に組み合わせて、最後のタンゴも数多くあるタンゴから好きなタンゴを選んで、自由につけることが出来ます。
でも、マリアーナはすべてがセットになった状態なので、歌い手の自由度はとっても低く、曲の構成自体は変えることはできないので、歌詞を自由に選べる、スピードを自由に決められるくらいしか、歌い手の個性を出すことはできません。
このようにセットになったカンテを、カンテ・コンプレートと言います。
フラメンコの<カンテ>自体が生まれたのは1890年~1920年頃なんですが、カンテ・コンプレートはその最後の段階(1910年以降)で生まれた、ある意味、カンテの集大成ともいえるパロです。
でも、自由度が低い分、マリアーナが生まれた当時も、フラメンコ歌手に歌われることはあまり多くはなかったようで、そのまま、埋もれたカンテになってしまっていました。
ところが、昨今のカンテ復刻ブームに乗って、にわかに歌われるようになったようです。
また、以前は一切踊られることもなかったのですが、今回の復刻ブームで、踊りがつくこともまれにあるようで、歌詞全体が1つの大きなストーリーになっているので、踊りもそのストーリーにのっとった振りが使われ、なかなかドラマチックになるので、人気があるようですね。
マリアーナの踊りを見たら、カンテを聞いたら、以上のような特徴を思い出してください。
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