コラム
カンテの基礎知識

 
107回 簡単ボイトレ(14)歌う人の為の体作り

2020年4月5日アップ

久しぶりに初心に帰って、ひとりで出来るボイトレをご紹介したいと思います。
 
今回は歌う人の為の体作りです。
 
日本でも昭和の時代の歌手は、毎晩酒飲んで運動なんかしない!
なんて豪語していたものですが、
現在の歌手はみんな体に気を使うのが当たり前になってきましたよね。
 
スペインもご多分に漏れず、たとえフラメンコ歌手だとしても、
体作りにせいをだすのが今では当たり前になっています。
 
ちなみに、私が最初のカンテの師匠、ヒターノのエンリケ・エレディアに
カンテを習い始めた今から25年以上も前、
最初に言われたのは<筋トレをしっかりやれ!>でしたから、
実はずいぶん前から、
ヒターノの歌手達もしっかり体つくりをしていたんだと思います。
 
一般の運動選手とも、踊り手さんとも少し違う歌手ならではの体作りについて、
今日はお話ししたいと思います。
 
まず確認しておきたいのですが、
歌手にとって一番大事なことは、腹式呼吸をするのに便利な体を作る事です。
 
スポーツ選手や踊り手さんは、あえて胸式呼吸をして
パフォーマンスを上げることがありますが、
歌い手さんは常にでーんと落ち着いて、腹から呼吸することが不可欠。
 
胸式呼吸がくせになってしまうといけないので、
胸式呼吸で行う運動は、基本的には避けなければいけません。
 
たとえば、ジョギングや登山など、
ふっふっと短い息を吐きながら行う運動は胸式呼吸の代表的なものです。
 
もちろん、短距離のダッシュのように、
呼吸を止めて行う運動も歌い手には向きません。
 
実は、ちょっと意外と思われるかもしれませんが、
エアロビクスのようなジャンプが続く運動もあまり向くとは言えないんですよ。
 
つまり、深い呼吸でゆっくり行う運動こそが、
フラメンコ歌手がやるべき運動なんです。
(アイドル歌手にように踊りながら歌う場合は、その限りではありません。)
 
私は、今までの経験上、フラメンコ歌手に一番適している運動は、
水中ウオーキングだと思っています。
 
水圧で適度な負荷がかかることと、ゆっくりとしか動けないので、
腹式呼吸がしっかり出来るからなんです。
 
でも、水に入るのは体を冷やすので、
歌手には向かないという考え方もあります。
冷えを気になさる方には、ゆっくりとした陸上のウオーキングをお勧めします。
 
競歩のように狭い歩幅で速く歩くのではなく、
ある程度大きい歩幅でゆっくりじっくり歩くと方がいいでしょう。
後は、息を吐きながらゆっくり行う太極拳(タイチーなども)も向いています。
ヨガも合う方にはいいと思います。
 
そして、忘れてはいけないのが、並行して筋トレも行うことです。
 
マッチョになりたい訳ではないので、体の外側の筋肉を鍛えるのではなく、
あくまでもインナーマッスル用のトレーニングをすることが重要です。
 
最近は、どこのジムでもインナーマッスル用の
マシンを取り揃えているようですので、
ジムに行く場合は、トレーナーさんに相談してみてください。
 
特に気を付けなければならないのは首や肩周りの筋肉です。
首や肩のまわりの筋肉を鍛えすぎて大きくしてしまうと、
声が出にくくなる場合があるので、要注意です。
 
家でトレーニングをされる方には、
次回のコラムで具体的なトレーニングをご紹介したいと思います。
 
そうそう、歌い手にとって一番大事なトレーニングを忘れていました。
 
それはしっかりと声を出して歌うこと。
 
歌える体つくりをしている間は、ジャンルはなんでもいいので、
できれば毎日1~2時間ほど丁寧にしっかり声をだして歌って下さい。
 
なんとなく適当に歌っても効果は薄いので、感情もしっかりこめて、
自分の持っている力を100%出すつもりで歌いましょう。
 
最初は、しっかり声を出して歌うと、
30分も持たないでへたばってしまうと思います。
 
へたばってしまったらその日はおしまいにして、また翌日以降歌えばOK。
慣れてくると、思いっきり声を出せる時間が自然と増えてくると思います。
 
最初は週に2~3日ほどからはじめて、
もっと歌いたくなったら、回数と時間を増やしてみましょう。
 
ちなみに、フラメンコ歌手は、座って歌うことが多いと思いますが、
座ったままでしっかり声を出すにはかなりの筋力を必要とします。
 
最初の内は、家での練習は立ったまま行い、
体に十分筋力がついて歌うことにも慣れたら、
家でも座って練習するといいでしょう。
 
ちなみに、私自身は家での練習はいまだに立って行うことが多いんですよ。
 
立ったまましっかり歌いこんで、
十分に練習が進んだころにようやく座って練習をしたりしています。
 
そういえば、最近スペインでは
立って歌うフラメンコ歌手が増えているようですね。
特に踊りバックでタブラオなどの狭い空間では、立って歌うほうが一般的。
その方が、踊り手のそばに寄ったり、全身を使っての表現がしやすいですから。
 
みなさんの周りではどうですか?
 
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久しぶりに初心に帰って、ひとりで出来るボイトレをご紹介したいと思います。
 
今回は歌う人の為の体作りです。
 


 
日本でも昭和の時代の歌手は、毎晩酒飲んで運動なんかしない!なんて豪語していたものですが、現在の歌手はみんな体に気を使うのが当たり前になってきましたよね。
 


 
スペインもご多分に漏れず、たとえフラメンコ歌手だとしても、体作りにせいをだすのが今では当たり前になっています。
 


 
ちなみに、私が最初のカンテの師匠、ヒターノのエンリケ・エレディアにカンテを習い始めた今から25年以上も前、最初に言われたのは<筋トレをしっかりやれ!>でしたから、実はずいぶん前から、ヒターノの歌手達もしっかり体つくりをしていたんだと思います。
 


 
一般の運動選手とも、踊り手さんとも少し違う歌手ならではの体作りについて、今日はお話ししたいと思います。
 


 
まず確認しておきたいのですが、歌手にとって一番大事なことは、腹式呼吸をするのに便利な体を作る事です。
 


 
スポーツ選手や踊り手さんは、あえて胸式呼吸をしてパフォーマンスを上げることがありますが、歌い手さんは常にでーんと落ち着いて、腹から呼吸することが不可欠。
 
胸式呼吸がくせになってしまうといけないので、胸式呼吸で行う運動は、基本的には避けなければいけません。
 


 
たとえば、ジョギングや登山など、ふっふっと短い息を吐きながら行う運動は胸式呼吸の代表的なものです。
 
もちろん、短距離のダッシュのように、呼吸を止めて行う運動も歌い手には向きません。
 


 
実は、ちょっと意外と思われるかもしれませんが、エアロビクスのようなジャンプが続く運動もあまり向くとは言えないんですよ。
 


 
つまり、深い呼吸でゆっくり行う運動こそが、フラメンコ歌手がやるべき運動なんです。(アイドル歌手にように踊りながら歌う場合は、その限りではありません。)
 


 
私は、今までの経験上、フラメンコ歌手に一番適している運動は、水中ウオーキングだと思っています。
 
水圧で適度な負荷がかかることと、ゆっくりとしか動けないので、腹式呼吸がしっかり出来るからなんです。
 


 
でも、水に入るのは体を冷やすので、歌手には向かないという考え方もあります。冷えを気になさる方には、ゆっくりとした陸上のウオーキングをお勧めします。
 


 
競歩のように狭い歩幅で速く歩くのではなく、ある程度大きい歩幅でゆっくりじっくり歩くと方がいいでしょう。
後は、息を吐きながらゆっくり行う太極拳(タイチーなども)も向いています。ヨガも合う方にはいいと思います。
 


 
そして、忘れてはいけないのが、並行して筋トレも行うことです。
 
マッチョになりたい訳ではないので、体の外側の筋肉を鍛えるのではなく、あくまでもインナーマッスル用のトレーニングをすることが重要です。
 


 
最近は、どこのジムでもインナーマッスル用のマシンを取り揃えているようですので、ジムに行く場合は、トレーナーさんに相談してみてください。
 


 
特に気を付けなければならないのは首や肩周りの筋肉です。首や肩のまわりの筋肉を鍛えすぎて大きくしてしまうと、声が出にくくなる場合があるので、要注意です。
 


 
家でトレーニングをされる方には、次回のコラムで具体的なトレーニングをご紹介したいと思います。
 


 
そうそう、歌い手にとって一番大事なトレーニングを忘れていました。
 
それはしっかりと声を出して歌うこと。
 


 
歌える体つくりをしている間は、ジャンルはなんでもいいので、できれば毎日1~2時間ほど丁寧にしっかり声をだして歌って下さい。
 
なんとなく適当に歌っても効果は薄いので、感情もしっかりこめて、自分の持っている力を100%出すつもりで歌いましょう。
 


 
最初は、しっかり声を出して歌うと、30分も持たないでへたばってしまうと思います。
 
へたばってしまったらその日はおしまいにして、また翌日以降歌えばOK。慣れてくると、思いっきり声を出せる時間が自然と増えてくると思います。
 


 
最初は週に2~3日ほどからはじめて、もっと歌いたくなったら、回数と時間を増やしてみましょう。
 


 
ちなみに、フラメンコ歌手は、座って歌うことが多いと思いますが、座ったままでしっかり声を出すにはかなりの筋力を必要とします。
 
最初の内は、家での練習は立ったまま行い、体に十分筋力がついて歌うことにも慣れたら、家でも座って練習するといいでしょう。
 


 
ちなみに、私自身は家での練習はいまだに立って行うことが多いんですよ。
 
立ったまましっかり歌いこんで、十分に練習が進んだころにようやく座って練習をしたりしています。
 


 
そういえば、最近スペインでは立って歌うフラメンコ歌手が増えているようですね。特に踊りバックでタブラオなどの狭い空間では、立って歌うほうが一般的。その方が、踊り手のそばに寄ったり、全身を使っての表現がしやすいですから。
 
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