コラム
カンテの基礎知識

 
フラメンコのコツ 
(16)フラメンコを知るためにレッスン以外で出来る事
<バイレ映像で自習しましょう。<カラコレス>>

2019年12月1日アップ 

 
各曲種ごとのバイレ映像の見方をご紹介しています。
 
4拍子系の曲2つ、そして3拍子のものを1曲ご紹介してきました。
今回は満を持しての12拍子で、アレグリアスの仲間のカラコレスです。
 
カラコレスは、カンテの中でもカンテコンプレートと呼ばれる分類に属します。
カンテコンプレートってとっても面白い概念なので、
今回はその部分も丁寧ご紹介できたらと思っていますので、
じっくり読んでみてくださいませ。
 
さて、カラコレスはご存じの方も多いと思いますが、カタツムリのことで、
かたつむり売りの売り声を取り入れたカンテが特徴的です。
 
初心者にも比較的わかりやすいカンテのメロディなので、
耳馴染みのある方も多いと思います。
 
では、<冒頭部>から始めましょう。
 
カラコレスの<冒頭部>は、
♪イーイイ♪ と歌うのんびりしたサリーダのせいもあって、
比較的穏やかに始まることが多いですね。
 
この部分の振り付けも、他のアレグリアスの仲間達に比べて、
足を強く打つこともしない、ゆるやかで女性らしい振りが多いと思います。
 
続く<カンテ部>ですが、
カラコレスのメロディはカディスの戦勝歌をもとにしていることもあって、
カディスらしい華やかな雰囲気をたたえています。
 
ただ、歌詞の舞台になっている街は実はマドリッド。
 
マドリッドの広場や道の実名が出てくるのも
このカンテの特徴のひとつなんです。
 
実は、このカンテは20世紀初頭の大フラメンコプロデューサーで、
人気フラメンコ歌手でもあったアントニオ・チャコンが、
カディスの戦勝歌のメロディを編曲し、
カディスらしい物売りのお客さんへの口上を土台にして、
マドリッドの有名な場所の名前を織り込んだ歌詞をつけた凝った作りなんです。
 
そして、メインのカンテだけではなく、後半の<速い歌部>も織り込んだ、
他のカンテを持ってきてくっつける必要のないパッケージのカンテなんですよ。
 
このようなパッケージになったカンテをカンテコンプレートといい、
20世紀初頭にアントニオ・チャコンによって、何曲か作られました。
 
ある意味、フラメンコの集大成的な位置づけがカンテコンプレートなので、
カラコレスも、アレグリアスの仲間の集大成ということになります。
 
他のカンテには、歌詞が無限にあるのに、
カラコレスには2種類しかない(部分的に違うだけで実はほぼ1種類だけ)のも、
この特殊なつくりのせいなんですよね。
 
カンテコンプレートは、
メインのカンテ部と速い歌部まで歌詞が一続きになっいて、
ひとつの大きなストーリーを展開することも特徴のひとつで、
このカラコレスでは、かたつむり売りが年配女性のお客さんに、
いかにカタツムリを売るかを、面白おかしく歌詞にしています。
 
そこにカディスらしさでもあるブラックユーモアも添えられ、
この歌を最初に披露した場所マドリッドの地名も加えるなんて、
アントニオ・チャコンは、現代の秋元靖さんをしのぐ策士だと
言えるのではないでしょうか。
 
という訳で<カンテ部>の振り付けも、カタツムリ売りのおじさんに
お世辞を言われてウキウキしている年配女性を表したものが多く、
前回ご紹介したグアヒーラと同じように、
単純に若く美しい女性っていう訳でもないのが、
いかにもフラメンコらしいところですね。
 
そんな皮肉な<カンテ部>に続く<足部>も、
アレグリアスの仲間にしては、そこまで速くも激しくもありません。
 
カタツムリ売りがいる市場の賑やかな雰囲気を、
軽快なステップで醸し出しているのではないでしょうか。
 
そして、その後に続く<速い歌部>。
 
実は、この踊りの一番のクライマックスは<カンテ部>ではなく、
この<速い歌部>なんです。
 
なぜかというと、このカンテのタイトルの 
カラコレ~♪と歌うのがこの部分だから。
 
他のバイレでは、おまけ的に扱われている<速い歌部>が、
この踊りのメインになる訳ですから、踊りの振り付けもかなり凝っていたり、
派手なものになっていることが多いんです。
 
ここまで見てきたら、ぜひもう一度<カンテ部>を見て、
<速い歌部>の振り付けと比較してみてくださいね。
 
最後に<終わり部>ですが、カラコレスに関しては<速い歌部>が、
そのまま<終わり部>になっていることが多いですね。
 
他のフラメンコの踊りは、全体の真ん中あたりにメインがあるのに、
このカラコレスでは、最後の最後に大きく盛り上がって終るのが
一番の特徴です。
 
踊りの表現も、踊り手さんの顔の表情も
最後が一番華やかになっているのではないでしょうか?
 
 
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4拍子系の曲2つ、そして3拍子のものを1曲ご紹介してきました。今回は満を持しての12拍子で、アレグリアスの仲間のカラコレスです。
 


 
カラコレスは、カンテの中でもカンテコンプレートと呼ばれる分類に属します。
カンテコンプレートってとっても面白い概念なので、今回はその部分も丁寧ご紹介できたらと思っていますので、じっくり読んでみてくださいませ。
 


 
さて、カラコレスはご存じの方も多いと思いますが、カタツムリのことで、かたつむり売りの売り声を取り入れたカンテが特徴的です。
 
初心者にも比較的わかりやすいカンテのメロディなので、耳馴染みのある方も多いと思います。
 


 
では、<冒頭部>から始めましょう。
 
カラコレスの<冒頭部>は、♪イーイイ♪ と歌うのんびりしたサリーダのせいもあって、比較的穏やかに始まることが多いですね。
 


 
この部分の振り付けも、他のアレグリアスの仲間達に比べて、足を強く打つこともしない、ゆるやかで女性らしい振りが多いと思います。
 


 
続く<カンテ部>ですが、カラコレスのメロディはカディスの戦勝歌をもとにしていることもあって、カディスらしい華やかな雰囲気をたたえています。
 


 
ただ、歌詞の舞台になっている街は実はマドリッド。
 
マドリッドの広場や道の実名が出てくるのも、このカンテの特徴のひとつなんです。
 


 
実は、このカンテは20世紀初頭の大フラメンコプロデューサーで、人気フラメンコ歌手でもあったアントニオ・チャコンが、カディスの戦勝歌のメロディを編曲し、カディスらしい物売りのお客さんへの口上を土台にして、マドリッドの有名な場所の名前を織り込んだ歌詞をつけた凝った作りなんです。
 


 
そして、メインのカンテだけではなく、後半の<速い歌部>も織り込んだ、他のカンテを持ってきてくっつける必要のないパッケージのカンテなんですよ。
 


 
このようなパッケージになったカンテをカンテコンプレートといい、20世紀初頭にアントニオ・チャコンによって、何曲か作られました。
 
ある意味、フラメンコの集大成的な位置づけがカンテコンプレートなので、カラコレスも、アレグリアスの仲間の集大成ということになります。
 


 
他のカンテには、歌詞が無限にあるのに、カラコレスには2種類しかない(部分的に違うだけで実はほぼ1種類だけ)のも、この特殊なつくりのせいなんですよね。
 


 
カンテコンプレートは、メインのカンテ部と速い歌部まで歌詞が一続きになっいて、ひとつの大きなストーリーを展開することも特徴のひとつで、このカラコレスでは、かたつむり売りが年配女性のお客さんに、いかにカタツムリを売るかを、面白おかしく歌詞にしています。
 


 
そこにカディスらしさでもあるブラックユーモアも添えられ、この歌を最初に披露した場所マドリッドの地名も加えるなんて、アントニオ・チャコンは、現代の秋元靖さんをしのぐ策士だと言えるのではないでしょうか。
 


 
という訳で<カンテ部>の振り付けも、カタツムリ売りのおじさんに、お世辞を言われてウキウキしている年配女性を表したものが多く、前回ご紹介したグアヒーラと同じように、単純に若く美しい女性っていう訳でもないのが、いかにもフラメンコらしいところですね。
 


 
そんな皮肉な<カンテ部>に続く<足部>も、アレグリアスの仲間にしては、そこまで速くも激しくもありません。
 
カタツムリ売りがいる市場の賑やかな雰囲気を、軽快なステップで醸し出しているのではないでしょうか。
 


 
そして、その後に続く<速い歌部>。
 
実は、この踊りの一番のクライマックスは<カンテ部>ではなく、この<速い歌部>なんです。
 


 
なぜかというと、このカンテのタイトルのカラコレ~♪と歌うのがこの部分だから。
 


 
他のバイレでは、おまけ的に扱われている<速い歌部>が、この踊りのメインになる訳ですから、踊りの振り付けもかなり凝っていたり、派手なものになっていることが多いんです。
 


 
ここまで見てきたら、ぜひもう一度<カンテ部>を見て、<速い歌部>の振り付けと比較してみてくださいね。
 


 
最後に<終わり部>ですが、カラコレスに関しては<速い歌部>が、そのまま<終わり部>になっていることが多いですね。
 


 
他のフラメンコの踊りは、全体の真ん中あたりにメインがあるのに、このカラコレスでは、最後の最後に大きく盛り上がって終るのが一番の特徴です。
 
踊りの表現も、踊り手さんの顔の表情も
最後が一番華やかになっているのではないでしょうか?
 
 
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