コラム
カンテの基礎知識

 
フラメンコのコツ 
(15)フラメンコを知るためにレッスン以外で出来る事
<バイレ映像で自習しましょう。<グアヒーラ>>

2019年11月24日アップ 

 
各曲種ごとのバイレ映像の見方をご紹介しています。
 
4拍子系の踊りが続いたので、
今日は3拍子のグアヒーラをご紹介したいと思います。
 
フラメンコでは、3拍子のリズムを一般に
ファンダンゴのリズムと呼んでいます。
 
お教室の発表会などでよく踊られる演目で、
ファンダンゴのリズムを用いたものは、
ファンダンゴ・デ・ウエルバとこのグアヒーラです。
(他にはペテネーラも3拍子ですが、練習生が踊ることは少ないでしょう。)
 
ファンダンゴのリズムは、
強 弱 弱 強 弱 弱 強 弱 弱 強 弱 弱 
と3拍子を4つつなげた12拍を1つの塊としてとらえる事が多いのですが、
曲によっては、(あるいはお教室によっては)
強 弱 弱 強 弱 弱 
と3拍子を2つつなげた6拍を1単位として数える事もあります。
 
ただしグアヒーラに関しては、私が知る限りですが、
12拍単位で捉える事がほとんどでしょう。
 
ちなみに、ファンダンゴのリズムは3拍子の1拍目にアクセントがあるので、
日本でもよく知られているワルツのリズムと基本的に一緒です。
 
ヨーロッパで一番一般的なのがこのリズム。
スペイン民謡もほとんどがファンダンゴのリズムです。
 
グアヒーラはスペイン人にとっても、日本人にとっても、
わかりやすいリズムなんですね。
 
では、実際の映像の見方に入りましょう。
 
まずは<冒頭部>。
グアヒーラは中南米の雰囲気を感じさせる曲なので、

衣装もふわんとしたドレスが多く、
手に扇などの小道具を持つことも多いようです。
 
そんな雰囲気を作るのが、この<冒頭部>。
舞台上でも華やかで女性らしい雰囲気を作っているのではないでしょうか。
 
サリーダも雄大でたゆたうように歌います。
 
次にメインとなる<カンテ部>です。
日本人にも耳に馴染みやすいグアヒーラのメロディ。

しばらく聞いていると口ずさめる方も多いのではないでしょうか?
 
朝が好きーーー♪ 
なんて歌詞も良く知られていると思いますが、
そもそも グアヒーラ ってどういう意味だかご存知ですか?
 
グアヒーラは、グアヒーロの女性形。
 
グアヒーロもグアヒーラも、
19世紀末、中南米統治時代が終わって引き揚げてきたスペイン人の中で、
労働者階級に属する人をそう呼んだんだそうです。
 
コロンブスがアメリカ大陸を発見してから、スペイン人達は中南米にわたり、
現地の人やアフリカから連れて行った奴隷をを使って、
大規模な農園などを経営して大儲けしていました。
 
ですから、中南米に暮らしていたスペイン人は、
お金持ちの支配者階級がほとんどなんですが、
中には事業に失敗し肉体労働者になってしまった人もいたようです。
 
そんな労働者階級としてスペインに引き上げてきた人達を、
グアヒーロ、グアヒーラと呼んだということは、
少し差別的な感じがしますよね。
 
ですので、よく歌われている 朝が好きーー♪ で始まる歌詞も、
もしお金持ちになれたなら、こんなリッチな朝を過ごしたいって内容なんです。
 
結婚してくださいーー♪ ではじまるもうひとつの有名な歌詞も、
君とは結婚したいけど、君のご両親がアレだから、愛人でもいい?
なんて意味なんですよ、実は。
 
そう思うと、優雅な踊りにもちょっと裏の意味がありそうですよね。
 
そうそう、グアヒーラの世界一の踊り手として知られる ルセロ・テナは、
そのあたりのことをとっても上手に踊りで表現していますので、
よかったら検索してみてください。
( guajira lucero tena ←これで出てくると思います。)
 
<カンテ部>の踊りをしっかり堪能したら、次は<足部>ですね。
 
グアヒーラは<足部>もそんなに激しくスピーディではありません。
3拍子の軽やかさや優雅さがたっぷりつまっていると思いますので、
<足部>でも3拍子をしっかり感じてください。
 
さて、問題はこの後に控えている<速い歌部>なんです。
 
実は、スペイン人の踊るグアヒーラでは、<速い歌部>で、
グアヒーラの歌をそのまま少しスピードアップして歌うことが多いんですが、
なぜか日本ではコロンビアーナという別の歌を歌うことが多いようです。
 
コロンビアーナも中南米の雰囲気のあるカンテなんですが、
もともとは4拍子の歌で、それをグアヒーラの最後につけるために、
ファンダンゴ、またはブレリアのリズムで歌って、
踊りもそれにあわせて、少し速めのファンダンゴのリズム、
もしくはブレリアのリズムで踊られています。
(グアヒーラを速めに歌う場合のリズムは、ファンダンゴのままです。)
 
グアヒーラのバイレ映像を見る時は、<速い歌部>のカンテが、
グアヒーラなのかコロンビアーナなのか、
できれば注意して聞いてみてください。
 
グアヒーラとコロンビアーナはメロディがぜんぜん違うので、
初心者の方も、あきらめないでトライしてみましょう。
 
それから、踊りがファンダンゴのリズムで踊られているのか、
ブレリアなのかも、リズムの取り方をよく見ているとわかると思います。
 
ずっと ♪ずんたったー、ずんたったー♪ ならファンダンゴ、
 
♪ずんたった-、ずんたったー、ずんたかずんたかたー♪ ならブレリアです。
 
この2つのリズムを混ぜながら踊ることも多いので、
踊りを見ながら ずんたったー って言ってみるとわかりやすいと思いますよ。
 
最後の<終わり部>は、速い歌のまま終わることがほとんどなので、
特に難しいことはないでしょう。
 
グアヒーラは初心者にも見やすい踊りだと思いますので、
いろいろチェックしてみてください。
 
 
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各曲種ごとのバイレ映像の見方をご紹介しています。
 
4拍子系の踊りが続いたので、今日は3拍子のグアヒーラをご紹介したいと思います。
 


 
フラメンコでは、3拍子のリズムを一般にファンダンゴのリズムと呼んでいます。
 
お教室の発表会などでよく踊られる演目で、ファンダンゴのリズムを用いたものは、ファンダンゴ・デ・ウエルバとこのグアヒーラです。
(他にはペテネーラも3拍子ですが、練習生が踊ることは少ないでしょう。)
 


 
ファンダンゴのリズムは、
強 弱 弱 強 弱 弱 強 弱 弱 強 弱 弱 
と3拍子を4つつなげた12拍を1つの塊としてとらえる事が多いのですが、
曲によっては、(あるいはお教室によっては)
強 弱 弱 強 弱 弱 
と3拍子を2つつなげた6拍を1単位として数える事もあります。
 


 
ただしグアヒーラに関しては、私が知る限りですが、12拍単位で捉える事がほとんどでしょう。
 


 
ちなみに、ファンダンゴのリズムは3拍子の1拍目にアクセントがあるので、日本でもよく知られているワルツのリズムと基本的に一緒です。
 


 
ヨーロッパで一番一般的なのがこのリズム。スペイン民謡もほとんどがファンダンゴのリズムです。
 
グアヒーラはスペイン人にとっても、日本人にとっても、わかりやすいリズムなんですね。
 


 
では、実際の映像の見方に入りましょう。
 
まずは<冒頭部>。
グアヒーラは中南米の雰囲気を感じさせる曲なので、衣装もふわんとしたドレスが多く、手に扇などの小道具を持つことも多いようです。
 


 
そんな雰囲気を作るのが、この<冒頭部>。舞台上でも華やかで女性らしい雰囲気を作っているのではないでしょうか。
 
サリーダも雄大でたゆたうように歌います。
 


 
次にメインとなる<カンテ部>です。
日本人にも耳に馴染みやすいグアヒーラのメロディ。しばらく聞いていると口ずさめる方も多いのではないでしょうか?
 


 
朝が好きーーー♪ 
なんて歌詞も良く知られていると思いますが、そもそも グアヒーラ ってどういう意味だかご存知ですか?
 


 
グアヒーラは、グアヒーロの女性形。
 
グアヒーロもグアヒーラも、19世紀末、中南米統治時代が終わって引き揚げてきたスペイン人の中で、労働者階級に属する人をそう呼んだんだそうです。
 


 
コロンブスがアメリカ大陸を発見してから、スペイン人達は中南米にわたり、現地の人やアフリカから連れて行った奴隷をを使って、大規模な農園などを経営して大儲けしていました。
 


 
ですから、中南米に暮らしていたスペイン人は、お金持ちの支配者階級がほとんどなんですが、中には事業に失敗し肉体労働者になってしまった人もいたようです。
 


 
そんな労働者階級としてスペインに引き上げてきた人達を、グアヒーロ、グアヒーラと呼んだということは、少し差別的な感じがしますよね。
 


 
ですので、よく歌われている 朝が好きーー♪ で始まる歌詞も、もしお金持ちになれたなら、こんなリッチな朝を過ごしたいって内容なんです。
 


 
結婚してくださいーー♪ ではじまるもうひとつの有名な歌詞も、君とは結婚したいけど、君のご両親がアレだから、愛人でもいい? なんて意味なんですよ、実は。
 
そう思うと、優雅な踊りにもちょっと裏の意味がありそうですよね。
 


 
そうそう、グアヒーラの世界一の踊り手として知られる ルセロ・テナは、そのあたりのことをとっても上手に踊りで表現していますので、よかったら検索してみてください。
( guajira lucero tena ←これで出てくると思います。)
 


 
<カンテ部>の踊りをしっかり堪能したら、次は<足部>ですね。
 


 
グアヒーラは<足部>もそんなに激しくスピーディではありません。
3拍子の軽やかさや優雅さがたっぷりつまっていると思いますので、<足部>でも3拍子をしっかり感じてください。
 


 
さて、問題はこの後に控えている<速い歌部>なんです。
 


 
実は、スペイン人の踊るグアヒーラでは、<速い歌部>で、グアヒーラの歌をそのまま少しスピードアップして歌うことが多いんですが、なぜか日本ではコロンビアーナという別の歌を歌うことが多いようです。
 


 
コロンビアーナも中南米の雰囲気のあるカンテなんですが、もともとは4拍子の歌で、それをグアヒーラの最後につけるために、ファンダンゴ、またはブレリアのリズムで歌って、踊りもそれにあわせて、少し速めのファンダンゴのリズム、もしくはブレリアのリズムで踊られています。
(グアヒーラを速めに歌う場合のリズムは、ファンダンゴのままです。)
 


 
グアヒーラのバイレ映像を見る時は、<速い歌部>のカンテが、グアヒーラなのかコロンビアーナなのか、できれば注意して聞いてみてください。
 
グアヒーラとコロンビアーナはメロディがぜんぜん違うので、初心者の方も、あきらめないでトライしてみましょう。
 


 
それから、踊りがファンダンゴのリズムで踊られているのか、ブレリアなのかも、リズムの取り方をよく見ているとわかると思います。
 
ずっと ♪ずんたったー、ずんたったー♪ ならファンダンゴ、
 
♪ずんたった-、ずんたったー、ずんたかずんたかたー♪ ならブレリアです。
 


 
この2つのリズムを混ぜながら踊ることも多いので、踊りを見ながら ずんたったー って言ってみるとわかりやすいと思いますよ。
 


 
最後の<終わり部>は、速い歌のまま終わることがほとんどなので、特に難しいことはないでしょう。
 


 
グアヒーラは初心者にも見やすい踊りだと思いますので、いろいろチェックしてみてください。
 
 
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