コラム
カンテの基礎知識
フラメンコの基礎知識
(41)カンテの歴史と流行
<フランコが好きなタイプとその後のフラメンコ>
政治がカンテに与えた影響についてお話ししています。
前回のコラムで、フランコは美声で美形のフラメンコ歌手を好んだ、
とお話ししました。
でも、みなさんが持つフラメンコ歌手のイメージって、
たぶんちょっと違いますよね?
前回もお話ししたように、フランコに反対する歌詞を歌って、
反フランコ派の集会などに参加したフラメンコ歌手は、
表舞台の仕事を奪われました。
そして、同時にフランコの好みでない歌手も表舞台で活躍することは
できなくなりました。
では、反フランコ派の歌手とフランコ好みでない歌手達は、
仕事を奪われどうしていたんでしょうか?
実はフランコ政権末期には、反フランコ派の集会が裏で数多く開かれ、
そこには必ずと言っていいほど、
象徴的にフラメンコ歌手がカンテを披露していたんだそう。
もちろん、そのフラメンコ歌手とは、フランコのお気に入りではない人達です。
フランコは綺麗な声のフラメンコ歌手が好きでしたから、
逆に反フランコ派の人達は、しゃがれ声など、
個性的な声の歌手を好んで呼んでは、
反フランコの歌詞のカンテを秘密の集会で歌ってもらっていたようです。
つまりフランコ好みでない歌手が、
反フランコの象徴、独裁政権への反発の象徴となったんです。
その後、フランコはその地位を失い、
スペインは民主主義国家に生まれ変わるのですが、
ずっとフランコに虐げられてきた国民たちは、
フランコの愛したフラメンコ歌手達のカンテを聞くと
辛い時代を思い出してしまうせいか、
フランコ好みのカンテを自然と避けるようになっていきます。
そして反対に、フランコに認められなかったフラメンコ歌手達が
活躍する時代が訪れました。
フランコが政権を退いたのが1975年、
その後、早い段階でフランコ好みではない歌手達が台頭、
1980年代には完全にその地位は逆転したようで、
テレビや大きいコンサートでも、
フランコが愛したフラメンコ歌手をみかけることはなくなっていきました。
同時に、もともと反フランコの象徴だった
<フランコに愛されなかったフラメンコ歌手>は、
新しい時代の象徴として、多くの人々の支持されるようになったんです。
そしてついに、人々はフランコの愛したフラメンコ歌手は
本物のフラメンコじゃないとまで言うようにまでなり、
多くのフラメンコ関連の文献からも、それらの歌手が消えていきました。
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でも、みなさんが持つフラメンコ歌手のイメージって、たぶんちょっと違いますよね?
前回もお話ししたように、フランコに反対する歌詞を歌って、反フランコ派の集会などに参加したフラメンコ歌手は、表舞台の仕事を奪われました。
そして、同時にフランコの好みでない歌手も表舞台で活躍することはできなくなりました。
では、反フランコ派の歌手とフランコ好みでない歌手達は、仕事を奪われどうしていたんでしょうか?
実はフランコ政権末期には、反フランコ派の集会が裏で数多く開かれ、そこには必ずと言っていいほど、象徴的にフラメンコ歌手がカンテを披露していたんだそう。
もちろん、そのフラメンコ歌手とは、フランコのお気に入りではない人達です。
フランコは綺麗な声のフラメンコ歌手が好きでしたから、逆に反フランコ派の人達は、しゃがれ声など、個性的な声の歌手を好んで呼んでは、反フランコの歌詞のカンテを秘密の集会で歌ってもらっていたようです。
つまりフランコ好みでない歌手が、反フランコの象徴、独裁政権への反発の象徴となったんです。
その後、フランコはその地位を失い、スペインは民主主義国家に生まれ変わるのですが、ずっとフランコに虐げられてきた国民たちは、フランコの愛したフラメンコ歌手達のカンテを聞くと辛い時代を思い出してしまうせいか、フランコ好みのカンテを自然と避けるようになっていきます。
そして反対に、フランコに認められなかったフラメンコ歌手達が活躍する時代が訪れました。
フランコが政権を退いたのが1975年、その後、早い段階でフランコ好みではない歌手達が台頭、1980年代には完全にその地位は逆転したようで、テレビや大きいコンサートでも、フランコが愛したフラメンコ歌手をみかけることはなくなっていきました。
同時に、もともと反フランコの象徴だった<フランコに愛されなかったフラメンコ歌手>は、新しい時代の象徴として、多くの人々の支持されるようになったんです。
そしてついに、人々はフランコの愛したフラメンコ歌手は本物のフラメンコじゃないとまで言うようにまでなり、多くのフラメンコ関連の文献からも、それらの歌手が消えていきました。
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