コラム
カンテの基礎知識

 
フラメンコの基礎知識 
(34)フラメンコの歌詞に出てくる恋愛・結婚
 <遊ばれないで、こっちが遊んじゃう?>

2019年5月12日アップ

 
フラメンコの歌詞に出てくるアンダルシアの人々の恋愛・結婚の
お話しをしています。
 
今日は、遊ばれる、じゃなくって、遊んじゃう話し。
 
どういうことかと言うと、、、
日本の恋愛系の歌の歌詞には利用されたとか、もて遊ばれたみたいな表現って、
結構多いように思います。
 
カンテの歌詞にも、利用されたみたいな表現はたまに見かけることがあります。
 
たとえば・・・
♪あの人は私を利用したかっただけ♪ みたいな。
 
でも、誰かに遊ばれた、という表現はあまりみかけたことがないんです。
 
歌詞の前後をみて、全体的な意味をとらえると、
あきらかに 遊ばれた っていう感じだと思うんですけど、
それをカンテの世界では、こんな言い方をします。
 
♪高くついたおもちゃだったわ♪
 
まっ、なんて粋な返し方でしょう。
 
♪あの人は私をちっとも好きじゃなかった。
♪でも、私はあの人の心からの愛だけが欲しかった。
♪そう、高くついたおもちゃだったんだ。
 
こんな感じに表現される歌詞を、当教室でも使っています。
もちろん、ここでのおもちゃは、お相手とのおつきあいを指しているんです。
 
このカンテの歌詞のコラムでも、何度かご紹介している通り、
フラメンコの世界では、恋愛は基本的に女性上位です。
 
付き合い始めのお誘いも女性からですし、
ふたまたかけるのも女性の方、
適当につきあってぽいっ、なんていうのも女性の方なんですよね。
 
そうそう、私がたったひとつだけ知っている、人をおもちゃ扱いした歌詞は、
マリアーナ(ティエントのグループのカンテ)用のもので、
 
♪私はあなたにとっておもちゃだった、手に取って、すぐに捨てただけ♪
なんていうのがあります。
 
マリアーナは、曲の長さが独特で、
他のカンテとは歌詞の使い回しができないので、
この歌詞もマリアーナ専用です。
 
マリアーナ独特のもの悲しいメロディとも相まって、
演歌風などこかで聞いたような歌詞にまとめられています。
 
でも、、、実はこの歌詞、男性が歌う用に作られているんです。
さすがフラメンコですね。
 
ちなみに、カンテの歌詞に<もてあそぶ>という表現でよく出てくるのが、命。
 
♪私は自分の命を もてあそんで 生きている。
なんて表現がタラントなどによく出てきます。
 
これは、どういう意味かと言うと、、、
 
タラントはもともと炭鉱で働く人々のことを歌った歌です。
日本でも昔は炭鉱で働くということは、命の危険がつきまとったもの。
つまり、命がけで働く というのを、命をもてあそぶ と表現しているんです。
 
こんな表現の歌詞が出来た今から100年以上前は、
大きな炭鉱事故も多く、かなりの炭鉱夫が事故で亡くなったんだそう。
 
今でも命がけの職業につくことを、
同じような言葉で表したりすることがあります。
 
今では公的保証なども整ってきたスペインですが、
カンテ創成期、貧しい人達は文字通り綱渡りの日々を余儀なくされていました。
 
そんな厳しい日々を、命をもてあそんでるんだ と表現するなんて、
ものすごくアンダルシア人らしいと、私は思います。
  
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フラメンコの歌詞に出てくるアンダルシアの人々の恋愛・結婚のお話しをしています。
 
今日は、遊ばれる、じゃなくって、遊んじゃう話し。
 


 
どういうことかと言うと、、、
 
日本の恋愛系の歌の歌詞には利用されたとか、もて遊ばれたみたいな表現って、結構多いように思います。
 


 
カンテの歌詞にも、利用されたみたいな表現はたまに見かけることがあります。
 
たとえば・・・
♪あの人は私を利用したかっただけ♪ みたいな。
 


 
でも、誰かに遊ばれた、という表現はあまりみかけたことがないんです。
 


 
歌詞の前後をみて、全体的な意味をとらえると、あきらかに 遊ばれた っていう感じだと思うんですけど、それをカンテの世界では、こんな言い方をします。
 
♪高くついたおもちゃだったわ♪
 
まっ、なんて粋な返し方でしょう。
 


 
♪あの人は私をちっとも好きじゃなかった。
♪でも、私はあの人の心からの愛だけが欲しかった。
♪そう、高くついたおもちゃだったんだ。
 
こんな感じに表現される歌詞を、当教室でも使っています。もちろん、ここでのおもちゃは、お相手とのおつきあいを指しているんです。
 


 
このカンテの歌詞のコラムでも、何度かご紹介している通り、フラメンコの世界では、恋愛は基本的に女性上位です。
 
付き合い始めのお誘いも女性からですし、ふたまたかけるのも女性の方、適当につきあってぽいっ、なんていうのも女性の方なんですよね。
 


 
そうそう、私がたったひとつだけ知っている、人をおもちゃ扱いした歌詞は、マリアーナ(ティエントのグループのカンテ)用のもので、
 
♪私はあなたにとっておもちゃだった、手に取って、すぐに捨てただけ♪なんていうのがあります。
 


 
マリアーナは、曲の長さが独特で、他のカンテとは歌詞の使い回しができないので、この歌詞もマリアーナ専用です。
 
マリアーナ独特のもの悲しいメロディとも相まって、演歌風などこかで聞いたような歌詞にまとめられています。
 


 
でも、、、実はこの歌詞、男性が歌う用に作られているんです。
 
さすがフラメンコですね。
 


 
ちなみに、カンテの歌詞に<もてあそぶ>という表現でよく出てくるのが、命。
 
♪私は自分の命を もてあそんで 生きている。
なんて表現がタラントなどによく出てきます。
 


 
これは、どういう意味かと言うと、、、
 
タラントはもともと炭鉱で働く人々のことを歌った歌です。日本でも昔は炭鉱で働くということは、命の危険がつきまとったもの。つまり、命がけで働く というのを、命をもてあそぶ と表現しているんです。
 


 
こんな表現の歌詞が出来た今から100年以上前は、大きな炭鉱事故も多く、かなりの炭鉱夫が事故で亡くなったんだそう。
 


 
今でも命がけの職業につくことを、同じような言葉で表したりすることがあります。
 
今では公的保証なども整ってきたスペインですが、カンテ創成期、貧しい人達は文字通り綱渡りの日々を余儀なくされていました。
 


 
そんな厳しい日々を、命をもてあそんでるんだ と表現するなんて、ものすごくアンダルシア人らしいと、私は思います。
  
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