コラム
カンテの基礎知識
フラメンコの基礎知識
(30)フラメンコの歌詞に出てくる恋愛・結婚
<君は僕の星だ月だ太陽だ>
フラメンコの歌詞に出てくるアンダルシアの人々の恋愛・結婚についての続きで、
今回は、星、月、太陽についてお話ししたいと思います。
今回のタイトル、君は僕の星だ、月だ、太陽だ。 ですが、
実際にこんなセリフを言う人はさすがにいないと思います。
<え? いつも言っている?
<それは大変失礼いたしました。
私には、昔の無声映画の活弁師が言うイメージなんですけど、
この星と月と太陽って、この場合、それぞれどう違うんでしょうね?
日本語のイメージだと、星はいっぱいあって、月と太陽は1個ずつ、
星は遠くにまたたいていて、月は柔らかくほわんと明るい感じで、
太陽はぎらぎらと強く明るい感じではないでしょうか?
じゃあ、スペイン語ではどうなのかご存知ですか?
実はかなり日本人のイメージとは違う使い方をするんです。
フラメンコの歌詞に、どれもよく出てきますので、
意味を覚えておくとちょっと楽しかったりすると思いますよ。
では、今日はまず 星 から攻めて見ましょう。
”君の為に、あの空の星を取ってあげよう。”
ひゃああああ、私こんなの言われたことないですけど、
実際に言われたことのある方、言った事のある方、いらっしゃいますか?
これ、日本人に言われたら、
”いやあああん、あなたってロマンチックなのね♪”
ってなるんでしょうけど、
スペイン人に言われたら、これ結構まずい意味なんですよ。
じゃあ、ここで質問です。
お星さまって、取ってこられます?
取れる訳ないだろうって?
そうですよね、取れる訳ないです。
じゃあ、彼女に、星を取ってあげるって言ったら、それは嘘なんでしょうか?
日本人なら、出来もしない事を言っても、それはロマンチックで済みます。
いちゃいちゃしちゃってー、末永くお幸せにってことですよね。
でも、スペイン人の場合、出来もしない事を言ったら、
それはやっぱり 出来もしない って意味になるんです。
つまり、2人の付き合いも、、、、できもしないって意味に。
たとえば、こんな風に使います。
ある女性が仲良くなりたいと思った男性を、食事に誘ったとしましょう。
”君には、空の星を取ってきてあげよう。”
そう男性が答えたら、スペインではどういう意味になるのでしょうか?
一番一般的なのは、僕は結婚している、または婚約者がいるという意味です。
聖職者で結婚できない場合も、こう答える時があります。
つまり、彼にとって不可能な恋 ということです。
ここで、女性がそれでもいいと言えば、不倫のスタートになっちゃいます。
同じように、無理難題を突き付けられたとき、
”空の星を取って来いっていうのか?”なんて切れたりもしますね。
ちなみに、これは男性から女性に使う言葉と決まっているようで、
女性が男性に使うのを、私は見たことがありません。
あ、でも、お母さんが子供に言うのは聞いたことがありますよ。
”そんなのお母さんには無理よ。空の星をとってくるようなものだわ。”
なんて使い方で。
そうそう、星が手の届かないもののたとえに使われるもう一つのケースに、
亡くなった方は、今は星にいるんだ、という表現があります。
星に行ってしまったら、もう2度と合えないというニュアンスのようです。
ってことは、映画スターとかのスターも、手が届かないって意味なんでしょうか?
(スペイン語でも、芸能人のスターは、星、エストレージャと言います。)
でも、これってリアリストなスペイン人らしい考え方だと思いません?
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フラメンコの歌詞に出てくるアンダルシアの人々の恋愛・結婚についての続きで、今回は、星、月、太陽についてお話ししたいと思います。
今回のタイトル、君は僕の星だ、月だ、太陽だ。 ですが、実際にこんなセリフを言う人はさすがにいないと思います。
<え? いつも言っている?
<それは大変失礼いたしました。
私には、昔の無声映画の活弁師が言うイメージなんですけど、この星と月と太陽って、この場合、それぞれどう違うんでしょうね?
日本語のイメージだと、星はいっぱいあって、月と太陽は1個ずつ、星は遠くにまたたいていて、月は柔らかくほわんと明るい感じで、太陽はぎらぎらと強く明るい感じではないでしょうか?
じゃあ、スペイン語ではどうなのかご存知ですか?
実はかなり日本人のイメージとは違う使い方をするんです。フラメンコの歌詞に、どれもよく出てきますので、意味を覚えておくとちょっと楽しかったりすると思いますよ。
では、今日はまず 星 から攻めて見ましょう。
”君の為に、あの空の星を取ってあげよう。”
ひゃああああ、私こんなの言われたことないですけど、実際に言われたことのある方、言った事のある方、いらっしゃいますか?
これ、日本人に言われたら、”いやあああん、あなたってロマンチックなのね♪”ってなるんでしょうけど、スペイン人に言われたら、これ結構まずい意味なんですよ。
じゃあ、ここで質問です。
お星さまって、取ってこられます?
取れる訳ないだろうって?
そうですよね、取れる訳ないです。
じゃあ、彼女に、星を取ってあげるって言ったら、それは嘘なんでしょうか?
日本人なら、出来もしない事を言っても、それはロマンチックで済みます。いちゃいちゃしちゃってー、末永くお幸せにってことですよね。
でも、スペイン人の場合、出来もしない事を言ったら、それはやっぱり 出来もしない って意味になるんです。
つまり、2人の付き合いも、、、、できもしないって意味に。
たとえば、こんな風に使います。
ある女性が仲良くなりたいと思った男性を、食事に誘ったとしましょう。
”君には、空の星を取ってきてあげよう。”
そう男性が答えたら、スペインではどういう意味になるのでしょうか?
一番一般的なのは、僕は結婚している、または婚約者がいるという意味です。聖職者で結婚できない場合も、こう答える時があります。
つまり、彼にとって不可能な恋 ということです。
ここで、女性がそれでもいいと言えば、不倫のスタートになっちゃいます。
同じように、無理難題を突き付けられたとき、
”空の星を取って来いっていうのか?”なんて切れたりもしますね。
ちなみに、これは男性から女性に使う言葉と決まっているようで、女性が男性に使うのを、私は見たことがありません。
あ、でも、お母さんが子供に言うのは聞いたことがありますよ。
”そんなのお母さんには無理よ。空の星をとってくるようなものだわ。”なんて使い方で。
そうそう、星が手の届かないもののたとえに使われるもう一つのケースに、亡くなった方は、今は星にいるんだ、という表現があります。星に行ってしまったら、もう2度と合えないというニュアンスのようです。
ってことは、映画スターとかのスターも、手が届かないって意味なんでしょうか?
(スペイン語でも、芸能人のスターは、星、エストレージャと言います。)
でも、これってリアリストなスペイン人らしい考え方だと思いません?
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