コラム
カンテの基礎知識
フラメンコの基礎知識
(21)フラメンコとキリスト教
<セビージャのマリア様には別名がある?>
これも、日本人からすると全く理解できない話しなんですけど、
セビージャの教会のマリア像には、それぞれ別名があるんです。
<別名って、なんのこと???
そうですよね。私もなかなか理解できなかった概念なんです。
ちょっと説明させて下さいね。
最初にマリア様の別名の事を知った時、
私は現地の友人にこんな質問をしました。
”え? マリア様の名前はマリアでしょ? 世界にマリア様は一人じゃないの?”
”それぞれの教会にそれぞれのマリア様がいて、名前は違うのよ。”
”はい?”
”お顔も違うし。”
”ええええええ? 一人の人間の顔がいっぱいあるってこと?”
”うーんと、イメージよ、イメージ。”
”イメージって、もともと一人の人間でしょ?”
”マリア様のこと、人間って言わないで。”
”マリア様って、実在の人間じゃん。”
”マーヌーエーラ―――――!!!”
まあ、私はカトリックでもないので、こんな感じなんですが、
一般の日本人も同じような感じなんじゃないでしょうか。
セビージャは特にその傾向が強いらしいんですけど、
それぞれの教会のマリア様には、それぞれに別名があって、
それぞれに曰く因縁話もあるんだそう。
曰く因縁話、、、、
たとえば、病気の人が夜中に教会に行ったら、マリア像が涙をこぼしてて、
その涙を手で拭ったら、病気が治った。 みたいな感じのが。
そういう話に感動した人や、病気が治りたい人がその教会の信者になって、
そこのマリア像の写真を持ち歩いたりするんですよね。
うーん、、、、まったくキリスト教っぽくないですね。
だって、キリスト教は偶像崇拝を禁止しているはずなんですもん。
留学当時、セビージャの学校でお世話になっていた歴史の先生が、
実はもともとアンダルシアの宗教の研究者なんですけど、
その方の研究によると、世界中を探してみた結果、
アンダルシアのマリア信仰は、日本の地蔵信仰に一番近いと言ってました。
お地蔵様なら、私たちにも理解しやすいですよね。
日本でも、それぞれのお地蔵さまには、歴史とかいわれとかあって、
とげぬき地蔵みたいに、ご利益があったりしますから。
ふーん、、、まあわからない話しではないというか、、、。
それで、信者にとっては、自分の信じるマリア様がとっても身近で大事なので、
カンテの歌詞に登場させたりするらいんです。
もちろん、マリアだけじゃ、どのマリア様かわからないので、
別名の方で載せるんだそう。
街の守護聖人の時にもお話ししたんですけど、ちょっと聞いただけでは、
普通の女性の個人名っぽく歌われているんですけれど、
実は、セビージャのどこかの教会のマリア様を指していることも多いんです。
下のリンクは、セビージャの各マリア像の写真を集めたページです。
スペイン語ですが、マリア像の写真一覧ですからよかったら参考にしてください。
https://listas.20minutos.es/lista/virgenes-mas-guapas-y-bonitas-de-sevilla-373455/
マリア様の別名で一番有名なのは、
このリンクの一覧表でも一番上にあるエスペランサで、
他には、ソレダ、アナ、ドローレ、パルマ、コンチ、ルーペ、エストレージャ、
ロシオ、あたりがよく歌詞に出てくると思います。
たとえば、
<エスペランサ、君のそばの川辺のカフェで~♪
なんて出てきたりするんですけど、
これはトリアーナの教会のエスペランサを指しているので、トリアーナの川、
つまりグアダルキビル川に面したカフェという意味になります。
<エスペランサ、君の目の前の門で泣いているヒターノが~♪
なんて出てきた場合は、同じエスペランサでも、
マカレナ教会のエスペランサを指しています。
マカレナ教会の前にある大きな門は、今では安全な場所なんですが、
以前は多くの”ものごい”が集まっていて、
観光客は気を付けなければいけないと言われていました。
ところで、このリンクのページのマリア像、全部で56体あるんですけど、
なんの順番で並べられていると思いますか?
なんと、、、、美人な順なんですって。
もともと一人の人間なのに、美人な順でどういうこと?
ほんと、アンダルシア人の宗教観って、全くわけがわかりません。
ちなみに、師匠のナランヒートは、トリアーナのアナの教会で幼児洗礼を受け、
実際に信仰していたのは、同じくトリアーナのエスペランサでした。
美人コンクールでは第2位ですね。
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これも、日本人からすると全く理解できない話しなんですけど、セビージャの教会のマリア像には、それぞれ別名があるんです。
<別名って、なんのこと???
そうですよね。私もなかなか理解できなかった概念なんです。ちょっと説明させて下さいね。
最初にマリア様の別名の事を知った時、私は現地の友人にこんな質問をしました。
”え? マリア様の名前はマリアでしょ? 世界にマリア様は一人じゃないの?”
”それぞれの教会にそれぞれのマリア様がいて、名前は違うのよ。”
”はい?”
”お顔も違うし。”
”ええええええ? 一人の人間の顔がいっぱいあるってこと?”
”うーんと、イメージよ、イメージ。”
”イメージって、もともと一人の人間でしょ?”
”マリア様のこと、人間って言わないで。”
”マリア様って、実在の人間じゃん。”
”マーヌーエーラ―――――!!!”
まあ、私はカトリックでもないので、こんな感じなんですが、一般の日本人も同じような感じなんじゃないでしょうか。
セビージャは特にその傾向が強いらしいんですけど、それぞれの教会のマリア様には、それぞれに別名があって、それぞれに曰く因縁話もあるんだそう。
曰く因縁話、、、、
たとえば、病気の人が夜中に教会に行ったら、マリア像が涙をこぼしてて、その涙を手で拭ったら、病気が治った。 みたいな感じのが。
そういう話に感動した人や、自分も病気が治りたい人がその教会の信者になって、そこのマリア像の写真を持ち歩いたりするんですよね。
うーん、、、、まったくキリスト教っぽくないですね。
だって、キリスト教は偶像崇拝を禁止しているはずなんですもん。
留学当時、セビージャの学校でお世話になっていた歴史の先生が、実はもともとアンダルシアの宗教の研究者なんですけど、その方のの研究によると、世界中を探してみた結果、アンダルシアのマリア信仰は、日本の地蔵信仰に一番近いと言ってました。
お地蔵様なら、私たちにも理解しやすいですよね。
日本でも、それぞれのお地蔵さまには、歴史とかいわれとかあって、とげぬき地蔵みたいに、ご利益があったりしますから。
ふーん、、、まあわからない話しではないというか、、、。
それで、信者にとっては、自分の信じるマリア様がとっても身近で大事なので、カンテの歌詞に登場させたりするらいんです。
もちろん、マリアだけじゃ、どのマリア様かわからないので、別名の方で載せるんだそう。
街の守護聖人の時にもお話ししたんですけど、ちょっと聞いただけだと、普通の女性の個人名っぽく歌われているんですけれど、実は、セビージャのどこかの教会のマリア様を指していることも多いんです。
このリンクは、セビージャの各マリア像の写真を集めたページです。
スペイン語ですが、マリア像の写真一覧ですから、よかったら参考にしてください。
https://listas.20minutos.es/lista/virgenes-mas-guapas-y-bonitas-de-sevilla-373455/
マリア様の別名で一番有名なのは、このリンクの一覧表でも一番上にあるエスペランサで、他には、ソレダ、アナ、ドローレ、パルマ、コンチ、ルーペ、エストレージャ、ロシオ、あたりがよく歌詞に出てくると思います。
たとえば、
<エスペランサ、君のそばの川辺のカフェで~♪
なんて出てきたりするんですけど、これはトリアーナの教会のエスペランサを指しているので、トリアーナ地区の川、つまりグアダルキビル川に面したカフェという意味になります。
<エスペランサ、君の目の前の門で泣いているヒターノが~♪
なんて出てきた場合は、同じエスペランサでも、マカレナ教会のエスペランサを指しています。マカレナ教会の前にある大きな門は、今では安全な場所なんですが、以前は多くの”ものごい”が集まっていて、観光客は気を付けなければいけないと言われていました。
ところで、このリンクのページのマリア像、全部で56体あるんですけど、なんの順番で並べられていると思いますか?
なんと、、、、美人な順なんですって。
もともと一人の人間なのに、美人な順でどういうこと?
ほんと、アンダルシア人の宗教観って、全くわけがわかりません。
ちなみに、師匠のナランヒートは、トリアーナのアナの教会で幼児洗礼を受け、
実際に信仰していたのは、同じくトリアーナのエスペランサでした。
美人コンクールでは第2位です。
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