コラム
カンテの基礎知識

 
フラメンコの基礎知識 
 (7)カンテとバイレの関係
  <録音を聞きながら歌振りのイメージを膨らませる>

2018年10月14日アップ

 
前回はカンテさんとの合わせのお話しをしました。
今回はその次の実際の歌振りを作るお話しをしたいと思います。
 
カンテのバイレの関係の総論の時に、以下のように紹介した部分ですね。
3)カンテさんに歌ってもらった録音を聞きながら、
  一人で歌振りのイメージを膨らませます。
 
では、早速今回のお話しに入りましょう。
 
今回の作業は踊り手さんが1人で行う部分です。
私も実際にスペインでこの工程に何度か立ち会った事があるのですが、
ある踊り手さんが1人で振りを作るのが初めてだということで、
助言を求められての事でした。
 
っていうか、当時ルームシェアしていた友人に泣きつかれたんです。
今になって考えると、あの時手伝っておいて本当によかったです。
 
その踊り手さんは、タブラオの出演が決まっていて、
当日のカンテさんに頼んですでにカンテをいくつか録音して貰っていました。
 
彼女ったらスタジオを借りたものの、そのカンテの録音を大音量で流しながら、
ずーっとスタジオの真ん中に体育座りして考え込んでいたんです。
 
”ねー、まぬえらー、、、、どおしよおおお。”
甘えん坊の彼女の上目づかいが、今でもはっきりと思い出されます。笑
 
”いきなり振りを作ろうとしないで、
カンテを聞きながら自由に体を動かしてみたら?”
 
”そっか。うん、やってみる。”
(お気づきと思いますが、彼女はスペイン人なので、
2人の会話はスペイン語です。)
 
30分ほど録音を繰り返し聞きながら、スタジオ内をうろうろ歩きまわり、
そして、少しづつ踊りはじめました。
 
最初は軽く腕だけで、やがて顔の表情や体の向きと、
そして最後に足のステップも付けて、だいぶ振りらしくなってきました。
 
”この2番目のって、なんか切なくって踊りたくなるう。”
 
”うん。私もどきどきする。”
 
”これに、、、、決めちゃう。”
 
”いいんじゃない?”
 
”せっかく来てもらったのに悪いんだけど、少し1人で集中したいな。”
 
”了解。じゃ、実際にカンテさんとの合わせする時、よかったら呼んで。”
 
”うん。来週の今日、同じ時間だから、来てね♪”
 
 
他の踊り手さんの時も、基本的にやることは一緒でした。
 
まずは、録音したカンテを何度も何度も聞きまくります。
自然と体が動きだすまで、カンテの世界に没頭するのがポイントです。
 
最初は手だけ動かしてみる人が多いと思います。
そのうちに腕全体や顔の向き、そして体の向き、
足のステップへと進むようです。
 
ちなみに、私も振りを作ったことが何度かあるんですが、
スタジオが借りられない時は、手の人差し指と中指を両足に見立てて、
テーブルの上で手の指でステップを考えたりしていました。
(友人のギタリストさんに見つかって、爆笑されましたが。)
(自分で歌いながらなので、その点では楽でしたね。)
 
振りつくりのコツは、
最初から全身を使って大きく踊るのではなく、
手などの小さい部分から踊って行って、
だんだんと全身の踊りへと広げる事です。
 
特に手先は感情と直結している部分なので、
カンテを聞いて感じたことをまず表現するのに、一番適していると思います。
 
手先の動きがカンテと呼応してスムーズになったら、
後はその動きを全身に広げるだけ。
そこまで出来たら、この段階はOKですね。
  
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前回はカンテさんとの合わせのお話しをしました。今回はその次の実際の歌振りを作るお話しをしたいと思います。
 


 
カンテのバイレの関係の総論の時に、以下のように紹介した部分ですね。
3)カンテさんに歌ってもらった録音を聞きながら、一人で歌振りのイメージを膨らませます。
 


 
では、早速今回のお話しに入りましょう。
 
今回の作業は踊り手さんが1人で行う部分です。
 


 
私も実際にスペインでこの工程に何度か立ち会った事があるのですが、ある踊り手さんが1人で振りを作るのが初めてだということで、助言を求められての事でした。
 


 
っていうか、当時ルームシェアしていた友人に泣きつかれたんです。今になって考えると、あの時手伝っておいて本当によかったです。
 


 
その踊り手さんは、タブラオの出演が決まっていて、当日のカンテさんに頼んですでにカンテをいくつか録音して貰っていました。
 


 
彼女ったらスタジオを借りたものの、そのカンテの録音を大音量で流しながら、ずーっとスタジオの真ん中に体育座りして考え込んでいたんです。
 


 
”ねー、まぬえらー、、、、どおしよおおお。”
 
甘えん坊の彼女の上目づかいが、今でもはっきりと思い出されます。笑
 


 
”いきなり振りを作ろうとしないで、カンテを聞きながら自由に体を動かしてみたら?”
 
”そっか。うん、やってみる。”
(お気づきと思いますが、彼女はスペイン人なので、2人の会話はスペイン語です。)
 


 
30分ほど録音を繰り返し聞きながら、スタジオ内をうろうろ歩きまわり、そして、少しづつ踊りはじめました。
 
最初は軽く腕だけで、やがて顔の表情や体の向きと、そして最後に足のステップも付けて、だいぶ振りらしくなってきました。
 


 
”この2番目のって、なんか切なくって踊りたくなるう。”
 
”うん。私もどきどきする。”
 
”これに、、、、決めちゃう。”
 
”いいんじゃない?”
 


 
”せっかく来てもらったのに悪いんだけど、少し1人で集中したいな。”
 
”了解。じゃ、実際にカンテさんとの合わせする時、よかったら呼んで。”
 
”うん。来週の今日、同じ時間だから、来てね♪”
 


 
他の踊り手さんの時も、基本的にやることは一緒でした。
 


 
まずは、録音したカンテを何度も何度も聞きまくります。自然と体が動きだすまで、カンテの世界に没頭するのがポイントです。
 
最初は手だけ動かしてみる人が多いと思います。そのうちに腕全体や顔の向き、そして体の向き、足のステップへと進むようです。
 


 
ちなみに、私も振りを作ったことが何度かあるんですが、スタジオが借りられない時は、手の人差し指と中指を両足に見立てて、テーブルの上で手の指でステップを考えたりしていました。
 
(友人のギタリストさんに見つかって、爆笑されましたが。)
(自分で歌いながらなので、その点では楽でしたね。)
 


 
振りつくりのコツは、最初から全身を使って大きく踊るのではなく、手などの小さい部分から踊って行って、だんだんと全身の踊りへと広げる事です。
 
特に手先は感情と直結している部分なので、カンテを聞いて感じたことをまず表現するのに、一番適していると思います。
 


 
手先の動きがカンテと呼応してスムーズになったら、後はその動きを全身に広げるだけ。
 
そこまで出来たら、この段階はOKですね。
  
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