コラム
カンテの基礎知識
各パロ(曲種)ごとの表現(15)タンゴ
曲種ごとの表現方法、15回目はタンゴです。
前回のブレリアでもタンゴの話しが出て来たんですけど、
フラメンコの曲種の中でも、ブレリアとタンゴは特殊な考え方をします。
他の曲種はメロディが決まっていて、そのメロディ=曲種ですが、
ブレリアとタンゴはリズムが決まっているだけで、
特に決まったメロディというものはありません。
つまり、タンゴと言うのはあくまでもリズムのこと、
リズムさえタンゴなら、どんなメロディでもタンゴということになります。
ですので、全てのタンゴの表現を一概にお話しするのは難しいんですが、
それでも、いくつか共通の表現方法があるので、
そのあたりをご紹介したいと思います。
まず、タンゴという言葉の意味をご紹介しましょう。
タンゴはタバコの一種を表すこともありますが、
ほぼ音楽のタンゴを指すと思っていいでしょう。
又、タンゴはフラメンコの他の曲種とは違って、
他のジャンルの音楽にも存在します。
一番有名なのがアルゼンチンタンゴ。
情熱的な踊りと切ない演奏で、日本でも人気ですよね♪
実は、フラメンコのタンゴは、
4拍子あるいは2拍子(以降4拍子系と表記)系のリズムの総称なんです。
もともとスペインには、4拍子系のリズムは存在しませんでした。
アフリカや南米の統治時代に、現地からもたらされたと言われています。
つまり、フラメンコのタンゴのリズムのルーツは、
アメリカのヒップホップと一緒なんですよ。
その後、4拍子系のリズムは、南米を中心として独自の発達をとげ、
ルンバやチャチャ、ソン、メレンゲなどの多彩なバリエーションを産みました。
最初の頃(19世紀末から20世紀初期)は、
南米から新しい4拍子系のリズムが伝わる度、
フラメンコもそれらのリズムを受け入れ、
リズムごとに呼び名を分けていたんですが、
あまりにも多くのリズムが作られ、流行り廃りを繰り返すので、
その後、フラメンコでは4拍子系のリズムは
まとめてタンゴと呼ぶことに決めたんだそう。
現在も、中南米を中心とした様々な4拍子系のリズムを
フラメンコでも受け入れていますが、
細かく名前をつけて分けたりしないで、
まとめてタンゴのリズムと呼んでいます。
という訳で、表現もかなりバリエーション豊かになっちゃうのは、
ご想像通りです。
では、歌う場合の表現方法に移りましょう。
ブレリアの時と同じように、タンゴのリズムに乗せて歌う場合、
しっかり歌い上げるというよりは、歌詞をしゃべるという感じが強いでしょう。
滑舌よく、歌詞をしっかり伝えようとするとタンゴらしさが出やすいと思います。
また、あまり真剣にまじめすぎない方がいいのも、ブレリアと一緒。
ちょいと斜に構えて、小粋に歌ってみてください。
小粋にって、、、、口で言うのは簡単なんですけど、
これもかなり難易度は高めですね。
小粋に歌う為には、まず歌詞を何度も何度も音読して、
自然に口から出るまでにしましょう。
そうしたら、メロディに乗せるんですが、
最初から速いスピードで歌う必要はありません。
あくまでもゆっくりのんびり歌って練習してください。
慣れてくると自然と速くなってくるので、その時は自然に任せましょう。
なんとか速いスピードで歌えるようになろうと、
いきなりスピード上げて頑張っても、
なかなか速く歌えるようにはなりません。
一番の近道は、あえてゆっくり歌うことを繰り返して、
だんだん慣れて行くことなんです。
(これは、歌も踊りも一緒ですね。)
メロディの中で、特に強調すべきところをロングトーンで頑張ったら、
後はなるべく音を伸ばさずに、切ながら歌うとメリハリがつきやすいです。
次に、踊る場合の表現を考えて見ましょう。
踊る場合も、なるべく真剣に踊るのではなく、
少し抜いた感じにするほうがタンゴらしいですね。
練習方法は、歌う場合のところにも書いたように、
最初はとにかくゆっくりゆっくり振りを繰り返すこと。
あまりにもゆっくりすぎてイライラしちゃうところまで来たら、
ほんの少しだけスピードアップしましょう。
アップしたスピードが遅ーーく感じるようになったら、
またちょっとだけスピードアップして、
そんな事を繰り返えしていると、いつのまにか振りが完全に自分のものになり、
その余裕が粋さを醸し出せるんじゃないでしょうか。
後、よく踊りの先生にも言われると思うんですけれども、
特にタンゴを踊る際には、しっかり膝を曲げて腰を落として踊ってくださいね。
膝が伸びっぱなしになっていると、リズムに溜めがなくなって、
無味乾燥な踊りになりかねません。
腰回りの筋肉が固い方も、ぶっきらぼうな踊りになりやすくなるので、
しっかりストレッチして、インナーマッスルも鍛えるといいですね。
鍛え上げた下半身と、十分な練習量と、、、、余裕。
これらが揃えば、小粋なタンゴも間の前です。
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曲種ごとの表現方法、15回目はタンゴです。
前回のブレリアでもタンゴの話しが出て来たんですけど、フラメンコの曲種の中でも、ブレリアとタンゴは特殊な考え方をします。
他の曲種はメロディが決まっていて、そのメロディ=曲種ですが、ブレリアとタンゴはリズムが決まっているだけで、特に決まったメロディというものはありません。
つまり、タンゴと言うのはあくまでもリズムのこと、リズムさえタンゴなら、どんなメロディでもタンゴということになります。
ですので、全てのタンゴの表現を一概にお話しするのは難しいんですが、それでも、いくつか共通の表現方法があるので、そのあたりをご紹介したいと思います。
まず、タンゴという言葉の意味をご紹介しましょう。
タンゴはタバコの一種を表すこともありますが、ほぼ音楽のタンゴを指すと思っていいでしょう。
又、タンゴはフラメンコの他の曲種とは違って、他のジャンルの音楽にも存在します。
一番有名なのがアルゼンチンタンゴ。
情熱的な踊りと切ない演奏で、日本でも人気ですよね♪
実は、フラメンコのタンゴは、4拍子あるいは2拍子(以降4拍子系と表記)系のリズムの総称なんです。
もともとスペインには、4拍子系のリズムは存在しませんでした。アフリカや南米の統治時代に、現地からもたらされたと言われています。
つまり、フラメンコのタンゴのリズムのルーツは、アメリカのヒップホップと一緒なんですよ。
その後、4拍子系のリズムは、南米を中心として独自の発達をとげ、ルンバやチャチャ、ソン、メレンゲなどの多彩なバリエーションを産みました。
最初の頃(19世紀末から20世紀初期)は、南米から新しい4拍子系のリズムが伝わる度、フラメンコもそれらのリズムを受け入れ、リズムごとに呼び名を分けていたんですが、あまりにも多くのリズムが作られ、流行り廃りを繰り返すので、その後、フラメンコでは4拍子系のリズムはまとめてタンゴと呼ぶことに決めたんだそう。
現在も、中南米を中心とした様々な4拍子系のリズムをフラメンコでも受け入れていますが、細かく名前をつけて分けたりしないで、まとめてタンゴのリズムと呼んでいます。
という訳で、表現もかなりバリエーション豊かになっちゃうのは、ご想像通りです。
では、歌う場合の表現方法に移りましょう。
ブレリアの時と同じように、タンゴのリズムに乗せて歌う場合、しっかり歌い上げるというよりは、歌詞をしゃべるという感じが強いでしょう。
滑舌よく、歌詞をしっかり伝えようとするとタンゴらしさが出やすいと思います。
また、あまり真剣にまじめすぎない方がいいのも、ブレリアと一緒。ちょいと斜に構えて、小粋に歌ってみてください。
小粋にって、、、、口で言うのは簡単なんですけど、これもかなり難易度は高めですね。
小粋に歌う為には、まず歌詞を何度も何度も音読して、自然に口から出るまでにしましょう。
そうしたら、メロディに乗せるんですが、最初から速いスピードで歌う必要はありません。
あくまでもゆっくりのんびり歌って練習してください。
慣れてくると自然と速くなってくるので、その時は自然に任せましょう。
なんとか速いスピードで歌えるようになろうと、いきなりスピード上げて頑張っても、なかなか速く歌えるようにはなりません。
一番の近道は、あえてゆっくり歌うことを繰り返して、だんだん慣れて行くことなんです。(これは、歌も踊りも一緒ですね。)
メロディの中で、特に強調すべきところをロングトーンで頑張ったら、後はなるべく音を伸ばさずに、切ながら歌うとメリハリがつきやすいです。
次に、踊る場合の表現を考えて見ましょう。
踊る場合も、なるべく真剣に踊るのではなく、少し抜いた感じにするほうがタンゴらしいですね。
練習方法は、歌う場合のところにも書いたように、最初はとにかくゆっくりゆっくり振りを繰り返すこと。
あまりにもゆっくりすぎてイライラしちゃうところまで来たら、ほんの少しだけスピードアップしましょう。
アップしたスピードが遅ーーく感じるようになったら、またちょっとだけスピードアップして、そんな事を繰り返えしていると、いつのまにか振りが完全に自分のものになり、その余裕が粋さを醸し出せるんじゃないでしょうか。
後、よく踊りの先生にも言われると思うんですけれども、特にタンゴを踊る際には、しっかり膝を曲げて腰を落として踊ってくださいね。
膝が伸びっぱなしになっていると、リズムに溜めがなくなって、無味乾燥な踊りになりかねません。
腰回りの筋肉が固い方も、ぶっきらぼうな踊りになりやすくなるので、しっかりストレッチして、インナーマッスルも鍛えるといいですね。
鍛え上げた下半身と、十分な練習量と、、、、余裕。
これらが揃えば、小粋なタンゴも間の前です。
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