コラム
カンテの基礎知識
各パロ(曲種)ごとの表現(13)セビジャーナス
曲種の表現も13回目、
今回はもしかして日本で一番有名なスペインの曲?
セビジャーナスを取り上げたいと思います。
前々回のファンダンゴ・デ・ウエルバ、前回のタンギージョに続き、
セビジャーナスももちろんフラメンコではありません。
セビジャーナスはフラメンコではないことは、
今では日本でも知られるようになりましたが、
私がHPを始めた2001年当時は、大量の怒りの書き込みが来るほど、
セビジャーナスはフラメンコだと思いこまれていたんですよ。
正しいフラメンコの知識を広めることは難しいですが、
こうして一つでも広まってくれてよかったなと思っています。
フラメンコの定義は該当するコラムを読んで頂くとして、
今回はセビジャーナスの特殊性について少し説明させて下さい。
(以下はフラメンコの定義と曲種についての説明へのリンクです。)
http://cante.naranjita.com/cn3/cn4/pg669.html
http://cante.naranjita.com/cn3/cn4/pg741.html
http://cante.naranjita.com/cn3/cn4/pg772.html
セビジャーナスは、セビージャと中心としたアンダルシア地方の、
お祭りや巡礼の道中、なにかのイベントなどで広く踊られている踊り歌です。
同時に、毎年新曲が大量に発表される流行歌でもあるんですよ。
日本では、毎年繰り返し同じセビジャーナス数曲が歌われているようですが、
スペインでは、毎年数百曲の新しいセビジャーナスがリリースされています。
新しいセビジャーナスとは、
あのセビジャーナスの踊りの長さにあっているけど、
メロディも歌詞もスピードも違う、様々な歌手のオリジナル曲のこと。
毎年2月から3月にかけて次々とリリースされ、
セビージャのフェリアの時期にはその年のヒット曲が決まって、
テレビやラジオ、実際のフェリアの会場でヘビロテされるんです。
ですから、フェリアでよく流れているセビジャーナスは
毎年リフレッシュされるんですよ。
フェリアでは生バンドで踊る小屋も多いんですが、
その場合も往年のヒット曲から新曲まで、
多くのセビジャーナスが取り上げられ、
歌手自身が自分の新曲を歌って回ることも多いですね。
という訳で、実際にセビジャーナスを歌う場合の表現は、
どの曲を歌うかによって大きく異なります。
ですので、本格的なカンテのようにこういう表現があると思うのではなく、
一般にカラオケでJ-popを歌うのと同じように、
十分に歌詞を読んで、感じたままに歌えばいいでしょう。
踊りバックで歌う場合も、
各歌詞の感情をしっかり表現するようにしましょう。
セビジャーナスには恋の歌だけでも、出会い、別れ、のみならず、
ほぼすべてのシチュエーションの歌がありますし、
ご当地ソングも、アンダルシアのほぼ全ての村々に存在します。
家族を歌ったものや、仕事に関する事、ご近所話から政治批判まで、
本当にありとあらゆる内容の歌詞がありますので、
どの曲も同じように単にリズミカルに歌ったりしないで、
それぞれの歌詞を丁寧に表現し、
メロディを聞く人の心に届けようとしてください。
では、次に踊り場合の表現を考えましょう。
そうそう、セビジャーナスの踊りの起源は、
昔の貴族のパーティにあるってご存知ですか?
ロミオとジュリエットの映画をご覧になったことはありますか?
貴族が集まるパーティで、男女がペアになって
お互いに場所を交代しながら踊る、
あの踊りが印象的で覚えている方も多いと思います。
あの踊り、、、、
実はセビジャーナスと同じリズム(3拍子 X 4 が基本)なんですよ。
男女がペアで踊る事、リズム、そして振り付けまで、
すべてが現在のセビジャーナスに受け継がれている、ルーツなんです。
もちろん、これは私の見解などではなく、スペインの文献によく書いてある事。
ですので、セビジャーナスを踊るときに一番大事なことは、
ペアを組む相手といかに踊るかという事になりますね。
日本では女性同士のペアで踊ることも多いと思いますが、
実はスペインでも女性同士で踊ることも結構あります。
その場合でも<お互いにこの相手と踊りたいから踊る>それがセビジャーナス。
美しい手の動きやスカートのひらひらももちろん大事だと思いますが、
とにかく大事なことは、踊る相手とのコミュニケーション♪
しっかりお互いに顔を見合って、
今、この人と踊れるということを大事にしてください。
お互いにアイコンタクトが取れていると、すれ違うタイミングも合うし、
ミラーリングと言って、相手と踊り方も自然と似て来るので、
回りから見ていても、とてもコンビネーションのいい踊りになります。
ペアの相手としっかり向き合って微笑みあうことは、
発表会などで踊る場合にも、緊張しすぎないコツなんですよ。
最後にひとつだけ技術的なコツをお話ししたいと思います。
これは、歌う場合も踊る場合も一緒なんですが、
セビジャーナスは3拍子、つまりワルツであることをしっかり意識すること。
3拍がどれも同じ長さにならないように、
ズンたった、ズンたった、とちゃんとズンの所で溜めを作ることで、
踊りはよりダイナミックに切れ良く見えるようになりますし、
歌もより人の心に届きやすくなります。ぜひ参考にしてくださいね。
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曲種の表現も13回目、
今回はもしかして日本で一番有名なスペインの曲?セビジャーナスを取り上げたいと思います。
前々回のファンダンゴ・デ・ウエルバ、前回のタンギージョに続き、セビジャーナスももちろんフラメンコではありません。
セビジャーナスはフラメンコではないことは、今では日本でも知られるようになりましたが、私がHPを始めた2001年当時は、大量の怒りの書き込みが来るほど、セビジャーナスはフラメンコだと思いこまれていたんですよ。
正しいフラメンコの知識を広めることは難しいですが、こうして一つでも広まってくれてよかったなと思っています。
フラメンコの定義は該当するコラムを読んで頂くとして、今回はセビジャーナスの特殊性について少し説明させて下さい。
(以下はフラメンコの定義と曲種についての説明へのリンクです。)
http://cante.naranjita.com/cn3/cn4/pg669.html
http://cante.naranjita.com/cn3/cn4/pg741.html
http://cante.naranjita.com/cn3/cn4/pg772.html
セビジャーナスは、セビージャと中心としたアンダルシア地方の、お祭りや巡礼の道中、なにかのイベントなどで広く踊られている踊り歌です。
同時に、毎年新曲が大量に発表される流行歌でもあるんですよ。
日本では、毎年繰り返し同じセビジャーナス数曲が歌われているようですが、スペインでは、毎年数百曲の新しいセビジャーナスがリリースされています。
新しいセビジャーナスとは、あのセビジャーナスの踊りの長さにあっているけど、メロディも歌詞もスピードも違う、様々な歌手のオリジナル曲のこと。
毎年2月から3月にかけて次々とリリースされ、セビージャのフェリアの時期にはその年のヒット曲が決まって、テレビやラジオ、実際のフェリアの会場でヘビロテされるんです。ですから、フェリアでよく流れているセビジャーナスは毎年リフレッシュされるんですよ。
フェリアでは生バンドで踊る小屋も多いんですが、その場合も往年のヒット曲から新曲まで、多くのセビジャーナスが取り上げられ、歌手自身が自分の新曲を歌って回ることも多いですね。
という訳で、実際にセビジャーナスを歌う場合の表現は、どの曲を歌うかによって大きく異なります。
ですので、本格的なカンテのようにこういう表現があると思うのではなく、一般にカラオケでJ-popを歌うのと同じように、十分に歌詞を読んで、感じたままに歌えばいいでしょう。
踊りバックで歌う場合も、各歌詞の感情をしっかり表現するようにしましょう。
セビジャーナスには恋の歌だけでも、出会い、別れ、のみならず、ほぼすべてのシチュエーションの歌がありますし、ご当地ソングも、アンダルシアのほぼ全ての村々に存在します。
家族を歌ったものや、仕事に関する事、ご近所話から政治批判まで、本当にありとあらゆる内容の歌詞がありますので、どの曲も同じように単にリズミカルに歌ったりしないで、それぞれの歌詞を丁寧に表現し、メロディを聞く人の心に届けようとしてください。
では、次に踊り場合の表現を考えましょう。
そうそう、セビジャーナスの踊りの起源は、昔の貴族のパーティにあるってご存知ですか?
ロミオとジュリエットの映画をご覧になったことはありますか?
貴族が集まるパーティで、男女がペアになってお互いに場所を交代しながら踊る、あの踊りが印象的で覚えている方も多いと思います。
あの踊り、、、、
実はセビジャーナスと同じリズム(3拍子 X 4 が基本)なんですよ。
男女がペアで踊る事、リズム、そして振り付けまで、すべてが現在のセビジャーナスに受け継がれている、ルーツなんです。
もちろん、これは私の見解などではなく、スペインの文献によく書いてある事。
ですので、セビジャーナスを踊るときに一番大事なことは、ペアを組む相手といかに踊るかという事になりますね。
日本では女性同士のペアで踊ることも多いと思いますが、実はスペインでも女性同士で踊ることも結構あります。
その場合でも<お互いにこの相手と踊りたいから踊る>それがセビジャーナス。
美しい手の動きやスカートのひらひらももちろん大事だと思いますが、とにかく大事なことは、踊る相手とのコミュニケーション♪しっかりお互いに顔を見合って、今、この人と踊れるということを大事にしてください。
お互いにアイコンタクトが取れていると、すれ違うタイミングも合うし、ミラーリングと言って、相手と踊り方も自然と似て来るので、回りから見ていても、とてもコンビネーションのいい踊りになります。
ペアの相手としっかり向き合って微笑みあうことは、発表会などで踊る場合にも、緊張しすぎないコツなんですよ。
最後にひとつだけ技術的なコツをお話ししたいと思います。
これは、歌う場合も踊る場合も一緒なんですが、セビジャーナスは3拍子、つまりワルツであることをしっかり意識すること。
3拍がどれも同じ長さにならないように、ズンたった、ズンたった、とちゃんとズンの所で溜めを作ることで、踊りはよりダイナミックに切れ良く見えるようになりますし、歌もより人の心に届きやすくなります。ぜひ参考にしてくださいね。
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