コラム
カンテの基礎知識

 
各パロ(曲種)ごとの表現 (5)カラコレス

2018年5月20日アップ 

 
各パロ(曲種)ごとの表現方法に関してのコラム5回目カラコレスです。
 
華やかな雰囲気のカラコレス。
衣装もカラフルな花柄などが好まれ、バイレの演目としても人気がありますね。
 
カラコレスとは、日本語にするとかたつむりの事です。
 
このカンテは、もともと軍歌だったカディス地方の歌のメロディに、
新しい歌詞をつけて、マドリッドで流行らせたもの。
 
新しくついた歌詞は、
アンダルシアの初夏の名物のかたつむり売りの口上になっていて、
カラコレ――――♪ という売り声の部分もともなって、
古くから商業の街として栄えたカディスの街の様子が感じられます。
 
リズムはアレグリアスなどと同じ12拍子なんですが、
アレグリアスと比べると、少し遅めのやわらかい感じで、
細かく拍をきざむというよりも、
3拍子のように優雅に表現するといいでしょう。
 
そうそう、カラコレスは他のカンテと大きく違う点があります。
 
それは、歌詞がほぼ決まっているものしかないということ。
一般に、歌詞は2種類あると言われているんですけど、
どちらも前半が少し違うだけで、かたつむり売りの口上にはかわりないので、
踊る場合も、その歌詞の意味を理解していると表現しやすいと思います。
 
歌詞の意味は簡単に言うと、
久々にやってきた女性のお客さんに、かたつむりを買ってもらおうと、
色々お世辞?を言う屋台のおじさんのセリフになっています。
 
ただ、単純にほめるのではなく、ほめたりけなしたりを繰り返し、
実は、この女性のお客さんがそう若くもなく、かなりぽっちゃり気味で、
服装も主婦っぽい普段着で、靴もびしょ濡れの生活感丸出しで、
たぶん、 おばちゃん から おばあちゃん の世代だとわかります。
 
そういうところも、アンダルシアの中でも、特にブラックユーモアがきつい
港町カディスらしい歌詞なんですよね。
(当教室では生徒達に高田順次さんをイメージしてね、って説明しています。)
 
そんなカラコレスを踊る場合は、
このお客さんになりきっておばちゃんとして踊るか、
あくまでもカディスの華やかな街のイメージを表現するか、
のどちらかでしょうか?
え?まさかのおっさんの方ですか?
 
次にカンテなんですが、
歌う場合は、少しだけ難易度が高いと感じるかもしれませんね。
 
というのも、明るく華やかな前半の部分、少し暗めの中盤、
そして、かたつむりを売る売り声の終盤と、大きく3つの部分に分かれていて、
それぞれに歌い方を工夫する必要があるからなんです。
 
どちらにしても、かたつむり売りの屋台のおっさんの歌ですから、
あまり品よく歌うのも、どうでしょうね?
 
おっさんのおばちゃんをむやみに褒めまくる感じ、
実は口が悪いんだということ、そしてカディスの青い空、
それらが相まって明るいカンテになるといいですね。
 
さきほど、3つの部分に分かれていると書きましたが、
カンテを聴くお客さんは、当然最後の売り声を楽しみにしていますから、
その前の部分は少し抑え目に、歌詞をしっかりしゃべるように歌っておいて、
カラコレ―♪になったら、思いっきり高らかに声を張って歌いましょう。
 
こういう言葉遊びの歌を歌う時に特に大事なことは、
歌い手がいかに歌詞を理解し、表現しているかということ。
 
お客さんが日本人ばかりだったとしても、歌詞を伝えようとして歌うことは、
お客さんの心をとらえるカンテを歌うポイントなんですよ。
 
ちなみに、このかたつむり売りの歌詞をつけ、
売り声をつけるという編曲をしたのが、
フラメンコの世界で、唯一ドン(親分)と呼ばれている
ドン・アントニオ・チャコンです。
フラメンコが好きなら、覚えておいた方がいい名前です。
  
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各パロ(曲種)ごとの表現方法に関してのコラム5回目カラコレスです。
 


 
華やかな雰囲気のカラコレス。衣装もカラフルな花柄などが好まれ、バイレの演目としても人気がありますね。
 


 
カラコレスとは、日本語にするとかたつむりの事です。
 
このカンテは、もともと軍歌だったカディス地方の歌のメロディに、新しい歌詞をつけて、マドリッドで流行らせたもの。
 


 
新しくついた歌詞は、アンダルシアの初夏の名物のかたつむり売りの口上になっていて、カラコレ――――♪ という売り声の部分もともなって、古くから商業の街として栄えたカディスの街の様子が感じられます。
 


 
リズムはアレグリアスなどと同じ12拍子なんですが、アレグリアスと比べると、少し遅めのやわらかい感じで、細かく拍をきざむというよりも、3拍子のように優雅に表現するといいでしょう。
 


 
そうそう、カラコレスは他のカンテと大きく違う点があります。
 
それは、歌詞がほぼ決まっているものしかないということ。一般に、歌詞は2種類あると言われているんですけど、どちらも前半が少し違うだけで、かたつむり売りの口上にはかわりないので、踊る場合も、その歌詞の意味を理解していると表現しやすいと思います。
 


 
歌詞の意味は簡単に言うと、久々にやってきた女性のお客さんに、かたつむりを買ってもらおうと、色々お世辞?を言う屋台のおじさんのセリフになっています。
 


 
ただ、単純にほめるのではなく、ほめたりけなしたりを繰り返し、実は、この女性のお客さんがそう若くもなく、かなりぽっちゃり気味で、服装も主婦っぽい普段着で、靴もびしょ濡れの生活感丸出しで、たぶん、 おばちゃん から おばあちゃん の世代だとわかります。
 


 
そういうところも、アンダルシアの中でも、特にブラックユーモアがきつい港町カディスらしい歌詞なんですよね。(当教室では生徒達に高田順次さんをイメージしてね、って説明しています。)
 


 
そんなカラコレスを踊る場合は、このお客さんになりきっておばちゃんとして踊るか、あくまでもカディスの華やかな街のイメージを表現するか、のどちらかでしょうか?
え?まさかのおっさんの方ですか?
 


 
次にカンテなんですが、歌う場合は、少しだけ難易度が高いと感じるかもしれませんね。
 


 
というのも、明るく華やかな前半の部分、少し暗めの中盤、そして、かたつむりを売る売り声の終盤と、大きく3つの部分に分かれていて、それぞれに歌い方を工夫する必要があるからなんです。
 


 
どちらにしても、かたつむり売りの屋台のおっさんの歌ですから、あまり品よく歌うのも、どうでしょうね?
 


 
おっさんのおばちゃんをむやみに褒めまくる感じ、実は口が悪いんだということ、そしてカディスの青い空、それらが相まって明るいカンテになるといいですね。
 


 
さきほど、3つの部分に分かれていると書きましたが、カンテを聴くお客さんは、当然最後の売り声を楽しみにしていますから、その前の部分は少し抑え目に、歌詞をしっかりしゃべるように歌っておいて、カラコレ―♪になったら、思いっきり高らかに声を張って歌いましょう。
 


 
こういう言葉遊びの歌を歌う時に特に大事なことは、歌い手がいかに歌詞を理解し、表現しているかということ。
 
お客さんが日本人ばかりだったとしても、歌詞を伝えようとして歌うことは、お客さんの心をとらえるカンテを歌うポイントなんですよ。
 


 
ちなみに、このかたつむり売りの歌詞をつけ、売り声をつけるという編曲をしたのが、フラメンコの世界で、唯一ドン(親分)と呼ばれているドン・アントニオ・チャコンです。フラメンコが好きなら、覚えておいた方がいい名前です。
  
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